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ドルトンの原子論 | |
アボガドロの仮説 | |
電子 | |
原子核、陽子 |
5、分割/不分割の問題 |
そこにある石は分割出来るか? [YES]。それでは分割した石を更に分割出来るか?[YES]。更に出来るか?[YES]。・・・・・・・。それでは更に?[NO]。 |
5,1 原子論 |
5、1、1 古代ギリシャ時代 |
宇宙の構成要素は何かという自然観に対しては、古代文明の各地で色々な説が論じられている。現代に於いてもこの疑問は非常に大きな難題である。
本書の第3章で述べたように、タレスは物質の多様性は一つの始原物(水)から成ると言った。アナクシマンドロスは、始原物はアペイロン(形のない無限なるもの)であると言った。ヘラクレイトスは、万物は火と交換されると説いた。アナクサゴラスは、万物は生成も消滅もしない、無限に分割可能な種子があり、この種子の混合と分離により万物が存在すると言う。エンペドクレスは、万物はこれ以上分割出来ず、互いに転化出来ない四つの元素(火、土、空気、水)より成ると言う。 |
5、1、2 ドルトンの原子説 |
一方、実用的な物質鉱物の分割、融解などは、岩石を採集した卑金属を金や銀などの貴金属に転化する化学技術から発達していく。これ等の技術は錬金術とも冶金学とも言われ、複数の物質を分解、煮沸、融解及び混合し濾過などを繰り返すことで、より純粋な水銀や錫などの金属が得られることから、最終的には「第一物質」とか「賢者の石」が得られるに違いないと考えられていた。賢者の石は、物質を金に転化できるし、万病を癒し、老人を若返らせる力を持つと信じられていたようである。 |
5、2 アボガドロの仮説 |
ドルトンは1808年、原子論を発表したが、これらは化学反応における重量比の規則性から導いたものである。他方、ほぼ同時期にゲイ・リュサック(1778〜1850)は、化学反応の際、体積比にも規則性があることを発見し、この面から研究を進め気体反応の体積法則を公表する。これは「二つの同体積の異なった気体が完全に化合した際、化合後の体積が簡単な整数比になる」というものである。例えば水素気体の体積=2と酸素の気体の体積=1を混合した際、体積2の水蒸気となり、化合前とその後では体積の総量の比が3:2の簡単な整数比になる。また水素気体の体積=3と窒素の気体の体積=1を混合した祭、体積=2のアンモニアの気体を得る。これは化合前と後の体積の総量の比は、4:2=2:1という整数比になる。 |
5、3 電子 |
5、3、1 電気素量 |
図:5−1 j.j.トムソンの実験装置
図において、陰極Aから陰極線は陽極Bに向かって直進し、電極板P(+電荷)、Q(ー電荷)に向かって進む。陰極線が電荷を有している場合は、上下のどちらかの方向に曲げられ(図では下向き)、蛍光版に衝突する。ここで、粒子の電荷をe、質量をm、速さをvとし、電極板間の電場をE、長さをd、蛍光版までの距離をs、蛍光板に当たるまでのズレをδとする。
粒子は電極板に入るとeE/m の加速度を受ける。そしてその時間はd/v である。電極板を出るときの粒子の下方への速度vxと位置のずれδ1は、 |
5、4 原子核 |
陰極線の正体が電子であることが分かってくると、実験結果から金属を高温に熱すると電子が放出されることも分かってきた。更に、キューリ夫妻によるラジウムなどの放射性崩壊元素の発見、放射線にはα(ヘリウム)、β(電子)、γ線(光波)の3種類があることなどが観測される。 |
5、5 陽子 |
ラザフォードは1919年、密封した容器の内部に窒素(N)ガスをみたし、その中に放射性物質を置きα線(ヘリウム原子)を放射する実験を行なった。その際、α粒子とは異なった粒子の発光を観測した。実験を繰り返し調べた結果、この異なった粒子は、水素イオンと同じものであることをつきとめた。このことは窒素原子にα粒子が衝突した際、窒素とα粒子の一部が結合し酸素原子に変換され、残りの一部がこの異なった粒子と考えられる。これが水素の原子核で、陽子と呼ばれるようになる。この実験が人工的に原子核変換を行った最初の報告である。 |
5、6 中性子 |
陽子が発見されると、原子核が陽子だけから構成されているか疑わしくなってくる。例えばα線を空気中に放射すると、酸素O17と水素H1 が放出される。これは窒素N14 とヘリウムHe4 とが核反応で生じたものである。 |
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