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電子は何故電子なのか |
1、3 再現性の法則 |
<<規約が在るところに再現性が生じる。そして再現性の在る現象には、その原因となる宇宙の規約が必ず存在する。>> |
1、3、1 社会の規約 |
(1)習慣的再現性 |
1、3、2 自然界の規約 |
自然界においても同様で、多くの再現性の在る現象が観察される。そして、そこには何らかの自然界の規約が存在している。 図1−1:圧力の平衡 <再現性> @ ふたAの上に質量=100gの錘を乗せたところ、高さL1=9.091の位置でふたAは静止した。 A 次に、質量=200gの錘を乗せたところ、高さL2=8.333の位置でふたAは静止した。 B 次に、質量=300gの錘を乗せたところ、高さL3=7.692の位置でふたAは静止した。 以上の実験は何度行っても同じ結果を得た。 <定式化> 以上の結果を分析した結果、次のことが分かった。 錘をのせない時、即ち蓋の上の重量が大気1000gだけの時は、高さL0=10である。 100gの錘を乗せた時の高さL1は、{1000/(1000+100)}x10=9.091。 200gの錘を乗せた時の高さL2は、{1000/(1000+200)}x10=8.333。 300gの錘を乗せた時の高さL3は、{1000/(1000+300)}x10=7.692。 このことより、次のような方程式を推察できる。 シリンダーの蓋が静止する高さLnは、大気の重量をM0とし、錘の重量をMnとすれば、次式が成立するのではないか。 Ln={M0/(M0+Mn)}x10 。 <予言、実証> 定式化が完了すると、次に何gの錘を乗せたら、どの位置で静止するかを予測出来るようになる。即ち、正確な予言が可能となる。例えば1000gの錘を乗せた場合。 ・・・ L10={1000/(1000+1000)}x10=5 のように。 そして、実際に1000gの錘を乗せた結果が、予測通りであれば、定式化された方程式の正当性が実証されたことになる。しかしこれだけでは、まだ充分とは言えない。 <論証> しかるに最後は、このような再現性のある自然現象が何故起こるかを、現在正しいと公認されている理論や、方程式、定数などから論理的に証明しなければならない。この際注意しなければならないことは、正しいとされている理論などが実は間違っていた時である。この時は誤った原理や定数などを基礎として次の理論が展開されるため、訳の分からない複雑な理論が展開されて行くことになる。 ここでは、間違った理論は採用しなかったとして議論を進めていく。即ち、熱力学、ボイル・シャルルの法則が正しいと見做して証明していく。 @ 力の釣り合い 我々は、ある物体を左(又は上)から押す力と、右(又は下)から押す力が等しいとき、その物体が静止することをよく知っている。この理由より上記の実験で蓋が静止した位置とは、上からの圧力と下からの圧力が等しい時であることが容易に理解できる。 A シリンダー内の気体の圧力 古くからよく知られた、ボイル・シャルルの法則 : P・V=n・R・T を用いる。 ここで、P:圧力。 V:体積。 n:モル数。 R:気体定数。 T:絶対温度。 上の実験では、温度は一定でかつ nも一定でRは定数であるから、P・V=一定 なる式が成立する。 そして体積Vは 平面S×高さLであり、Sは一定であるから、P・L=一定 となる。 次にPに、重さの変化分:(M0+Mn)/M0 、を代入すればよい。例えば錘300gを乗せた場合、 L=k・1000/1300。K=10とし計算すると、L=7.692 を得る。 以上で論理的にも、上記の定式化が正しいことが証明された。 <仮説の提唱> これまでの例では、現代科学ではすでに知られた事象や原因について論じただけで、定式化したり、論証するのは比較的容易であった。しかし、実際にはその時代において実在する未解決問題を解明するには、既存の知識だけでは解決できない場合が頻繁に存在する。そのようなとき、研究者達は「仮説」という概念を用いる。例えば、天動説ー地動説、光の粒子説ー波動説、熱の振動説ー熱素説、空間の絶対論ー相対論など。そして多くの仮説の中でも、その時代の観測事実を最もうまく説明できる仮説がその時代の主流となる。しかし新たな現象や理論が発見されると、古い仮説は葬られ、新たな仮説が浮上してくる。更に奇抜な理論が提唱され、全くうまく既存現象を証明すると、いったん葬られた理論が再度復活してくることもある。仮説は、未解決事項を解決する手段としては非常に有効であるが、歴史的には時代により、大きく変化している。そしてその仮説から多くの自然現象を論証でき、長年の歳月にも耐えたとき、その仮説は宇宙の真理と認められることもある。慣性の概念、ケプラーの法則、ボイル・シャルルの法則、重力方程式などがそれにあたる。 |
1、4 電子は何故電子なのか? |
科学者たちは、現存する未解決問題を解決するためあらゆる角度から実験し、分析し、推論し、定式化し、予言し、検証し、解釈し、最終的に正しい結論へと導いていく。この一連の過程の中で、すべてが正常に行われるとは限らない。実際には誤解、錯覚、測定ミスなど様々な障害が生じ、時には誤った解釈が正しいとされることもある。このような試行錯誤を繰り返えし大宇宙に織りなすあらゆる現象の原因となる、宇宙の規約を模索してきたのである。 |
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