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9、4 プランク単位系(量子単位系) 
 ここでは前記の9、2 で得られた全宇宙で共通してるであろう量子単位の詳細と、それに対応した地球特有の単位系であるSIとの換算値を分かり易く表としてまとめておこう。 
<注> 本書で言うプランク単位系は、現在一般に公認されているプランク単位とは多少異なるので注意してください。


  表9−1:量子単位に対するSI換算値

 基本量子単位

SI換算値

 次元  記号  呼び名 量子単位の数値 SIに換算した数値 
 長さ [Lu]  量子長
又は未知なる粒子の直径
 1[Lu]  8.101x10−35 m(メートル)
 時間 [tu] 量子時間
又は未知なる粒子の振動周期 
 1[tu]  2.702x10−43 s(秒)
 質量 [Mu]  量子質量
又は未知なる粒子の質量
 1[Mu]  7.372x10-51 Kg(キログラム)
 エネルギー [Eu] 量子エネルギー  1[Eu]  6.625x10−34 J(ジュール)
 温度 [Tu]  量子温度 1[Tu]  4.799x10-11 K(絶対温度)

   

 *ここで量子エネルギーは、アインシュタインの質量とエネルギーの関係式;E=m・c を用い、mには量子質量を用いて算出した。またプランクの法則;E=h・$\nu$ を用い、$\nu$(振動数)を1としても、同一の値が算出される。
 *量子温度に関しては、熱力学の運動エネルギーを変形した式;E=Kb・T を用いた。(Kbはボルツマン定数)そしてEには量子質量の値を代入すると算出される。量子温度とは、SIの絶対温度1度に対して4.797x10ー11倍に当たる数値である。


  表9ー2:SI単位に対する量子単位換算値

 次元  SI単位の数値 量子単位換算値
 長さ  1 m  1.234x1034 [Lu] 
 時間  1 s  3.701x1042 [tu] (最大振動数)
 質量  1 Kg  1.356x1050 [Mu]
 エネルギー  1 J  1.509x1033 [Eu]
 温度  1 K  2.084x1010 [Tu]  



<プランク単位系に関する考察>
 このように一覧表としてまとめ挙げて、全体をじっくり眺めていると、未知なる粒子の世界に潜む宇宙真理の断片が少しずつ垣間見えて来る。そこから各量子定数が我々の宇宙の根底で互いにどのような関係で連結しているのか、多少たりとも見えてくる。その主なものを分かりそうなところから考察していくことにしよう。
(1)量子長
 この長さは、未知なる粒子の直径を表わしている。それと同時に光が1量子時間に進む距離でもある。したがって光の波長とは全て量子長の整数倍である。
(2)量子時間
 光が量子長だけ進むに要する時間である。我々の世界では時間は連続的ではなく、量子時間単位でデジタルに刻まれている。地球での時間は1秒を基準単位としているので、光の振動数とは、1秒を量子時間で割った値が最大振動数となる。また未知なる粒子の振動周期でもある。
(3)量子質量
 この質量が、未知なる粒子の質量を表わしている。そして、現存する全ての粒子(電子や原子、その他)はこの未知なる粒子が何らかの力関係により無数結合されたものであると考えられる。また、質量は非常に厳格で殆んど誤差を生じない。したがって、ある粒子が何個の未知なる粒子から構成されているかを容易に算出することが出来る。例えば電子の質量を未知なる粒子の質量で割れば、電子を構成する未知なる粒子の個数が容易に算出される。
(4)光速に関して
   SI単位系では、光速とは光が1秒間の単位時間に進む距離と定義している。しかし プランク単位系では、1量子時間に光が進む距離である。即ち”量子長=光速”となる。またこの量子長に、1秒間での最大振動数を掛けた値がSIの光速の値に一致する。
(5)量子エネルギー 
 エネルギーの単位で、我々の宇宙ではこのエネルギーの整数倍でしか存在出来ないようである。
(6)量子温度 
 量子温度は、絶対温度の1度を 2.084x1010 で割った数値で、温度もこの単位の整数倍だけが許される。
 以上の考察はほんの序の口で、量子単位系に関しては更に深く探究する必要があるだろう。そこから我々のまだ知らない新しい知識が得られるかも知れない。

9、5 洞察力の世界 
 科学の進歩に於いて大切なものの一つに洞察力がある。洞察とは辞書を見ると「物事をよく観察しその本質に気が付き、物事の深部まで見通すこと」とある。例えばケプラーが、これまで公理とされていた惑星の円運動が楕円であることに気付いたこと。ニュートンが如何なる物体にもその質量に相当した向心力があることに気付いたことなどがあげられる。これ等の発見は、検証可能な数多くの観測結果から、その奥に秘められた検証不可能な世界の法則を見抜き、その世界から検証可能なデータが得られることを証明することでなされたものである。  このように人が見ることも触ることも聞くことも出来ない得体の知れない世界を洞察することは、新しい知識に到達するためには欠かせないものなのである。近年では、ボーアの原子仮説がよい例である。彼は色々な観測結果から、原子の世界では原子核の周りを電子が回転する際、複数の定常状態が存在しその軌道を回転してる場合は光を放射せず、軌道から別の軌道に遷移するとき光を放出するのである、という仮説を立て新しい知識を得ることができた。


           図9−1:洞察力と検証スクリーン  


 図に於いて、スクリーン上で検証可能な像AとBがある。検証可能な事実だけを根拠にする人々は、「AはBより大である」という事実を基礎として理論を構築していく。しかし真実は、図から明らかなように物体AはBより小である。だが真実は検証不可能である。その真実の世界を模索するのが洞察力の世界である。
A、現代科学の理論
 検証スクリーンの前面からしか物事を観察することが出来ず、それで満足している研究者の世界である。このような人は、検証も出来ない真実には全く無関心である。したがって、スクリーンの背後にある見ることも感じることも出来ない真実を知らないまま、検証可能では在るが誤った実験事実と認識を土台にして理論を構築していくことになる。当然そのような理論が正しいとは思われない。
B、プランク単位系からの理論 
 検証スクリーンと洞察力の世界の両方を見渡すことが出来る研究者の世界である。このような研究者は、検証可能な多数の観測事実を総合的に正しく分析、解釈することで、検証不可能な世界をも予測し、自然界の奥底に潜む根本要素、根本原理を正しく理解し、そこからあらゆる自然現象を論理的、物理的に解明していく。歴史的にも科学の進歩は、洞察力に富んだ人々から築かれている。



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