目次、記録 宇宙の真理  再現性の法則 宇宙の大気 大自然の秘密 古代ギリシャ哲学 エーテル仮説 マイケルソンの実験
分割/不分割の問題 熱力学  エントロピー 空洞輻射 プランクの公式 公理系 次元と単位 重力定数の研究
未知なる粒子  プランク単位系  ボルツマン定数  重力 光の転生 電気素量の算出 ボーアの原子理論 光の正体
ビッグバンの困難  相対性理論の誤解  元素の周期律表  一歩進んだ宇宙論 電磁気の歩み 電磁気基礎知識 マクスウェル方程式 電磁波は実在しない
回転軌道の法則  赤方偏移の真実 周期律表の探究  周期律表正しい解釈  真偽まだらな量子力学 波動 宇宙パワー 
ホームへ 前へ 次へ


量子単位
未知なる始原粒子
プランク単位系

9、重力定数とプランク単位系に関する研究 

   科学関係、特に物理学の書物を読んでいて、普段あまり気付かず読み飛ばしているものに、普遍定数がある。しかしこの定数、じっくりと眺めてみると大変奇妙な数値である。「一体何故このような数値となり、このような次元をもち、どのような真意を含んでいるのだろう」と、意識しだすと大変気になるものである。そこでまず、この普遍定数の主なものを列記しておこう。

      主な普遍定数の表 

@ 真空中の光速  :c=2.99792458   ×10  m s−1
A 重力定数     :G=6.673        ×10−11 m kg−1-2
B 素電荷(電気素量):e=1.602176462  ×10−19  C
C プランク定数   :h=6.62606876   ×10−34  J  s
D アボガドロ定数 :Na=6.02214199   ×1023  mol−1
E ボルツマン定数 :Kb=1.3806503    ×10−23 J K-1

 ここで、m;メートル、 s;秒、 kg;キログラム、 C;クーロン、 J;ジュール、  mol;モル、 K;ケルビン(絶対温度)


 上記のように幾つかある普遍定数の中でも、光速のように、その数値と意味が比較的容易に理解出来るものもあるが、重力定数のように、その単位とか、数値が極めて不可解な定数もある。このような普遍定数に関する研究は、歴史的にはかなり古くから行われている。例えば、アイルランドの物理学者ジョージ.j.ストーニ(1826年〜1911年)は、我々を基準とした量とは別に、人間の五感を超越した普遍的な定数が必要で、その第一の候補としてこの重力定数を選択している。その理由として、我々の都合で出来た単位で表すと、その単位が非常に不自然で複雑であるとし、そこに宇宙の根本的意味が含まれているのではないかと考えた。即ち、地球や人間を中心とした単位とは別に時間、場所、方向によらない、自然を支配している基本的な意味での自然定数が、何であるかを知ることが重要であると、強調している。
 このような自然数に関しては、ニュートン力学が誕生してより今日まで、200年以上もの長期にわたり、その定数に潜む基本的な意味と、自然界の根底で結ばれているであろう互いの数値の関連性を模索するため、あらゆる研究者が探究を試み格闘してきた。にもかかわらずこの問題は未だ全く解決されておらず、その糸口さえ掴めて無い状態である。
 しかし、この重力定数および関連した事象に対し、様々な次元の解析、数値の分析などを施し研究を続けた結果、大変興味深い断片を得ることが出来た。そこで、その思考過程とそれより得られた、幾つかの成果をここに報告することにしよう。

9、1 真に正しい量子単位 

 前述したように、人類科学は人間中心的な単位とは異なった、全宇宙に共通しているであろう自然定数として、連続的でない飛び飛びの値をもつ極小の数値ディラック定数(プランク定数の変形)より求めたプランク単位系なるものを手に入れることが出来た。しかし、この数値が真に正しい値なのか、それを証明する手段を現在の我々の科学では持ち合わせていない。このプランク単位系が真に正しいかどうか分からないまま、この数値を用いてもあまり意味がない。そこで、ここではその数値が真に正しいかを確認するため、一つの方法として私が考案した一風変わった手法を紹介することにしよう。
 前提条件として次のような仮定を設ける。
(1)考慮する次元に関しては、説明を少しでも簡略化するため、国際単位系でも認められている三つの基本単位である、長さ、時間、質量だけに限定する。  次に、宇宙には真に正しい量子単位が存在するという仮定を前提とし、それぞれの単位に対し、
   量子長:1Lu
   量子時間:1tu
   量子質量:1Mu   と記す。
(2)又、ある惑星で使用されている単位系は、長さ:cm、時間:秒、質量:g であったとする。そして、その惑星での単位系に対する各々の量子定数との換算値が下記の数値であったとする。
   1cm=100Lu   (又は、1Lu=1/100 cm)
   1秒 =1000tu  (又は、1tu=1/1000 秒)
   1g =10000Mu (又は、1Mu=1/10000 g) 
 即ち、この惑星で用いている単位に対し、上記の値が宇宙に於ける真に正しい量子単位なのである。しかしこの惑星の人はこの値を導き出すことも出来ないし、またこの値が正しいかどうかを確認する術も持っていない。ようするに、この惑星の人々は誰一人として、この惑星固有の単位に対する真に正しい量子単位が上記の値であることを知らないのである。
(3) だが、この惑星の科学は非常に優秀で下記の三つの普遍定数の数値と単位式を正確に導きだしていた。
  普遍定数 a=100      (cm・秒−2 ・g)     ・・・X
         b=1000000  (cm−1・秒・g1/2)    ・・・Y
         c=1/10    (cm・秒−1・g−1)     ・・・Z
<注> :上記の定数の値は、(2)で記した量子単位から次のようにして論理的に算出できる。 
 aの定数の次元の指数は、長さ:2・時間:−2・質量:1 であるから、
       a =100・1000−2・10000=100 を得る。
同様に、  b =100−1・1000・100001/2=1000000
       c =100・1000−1・10000−1=1/10

 以上のような前提条件のもと、この惑星における既知の普遍定数から宇宙の量子単位がどのような値になるか導き出してみよう。
A,使用している普遍定数(3)が正しい場合。
(1)次元解析法により三つの方程式を求める。
  長さ:2X−Y+3Z
  時間:−2X+2Y−Z
  質量:X+(1/2)Y−Z   
(2)長さの量子単位を求める。
  2X−Y+3Z=1
  −2X+2Y−Z=0
  X+(1/2)Y−Z=0 
上記の連立方程式を解くと、X=1/6,Y=1/3,Z=1/3
よって、(101/6・(101/3・(10−11/3 =(10)2/6 + 6/3 − 1/3
                        =10=100 を得る。
(3)時間の量子単位を求める。
  2X−Y+3Z=0
  −2X+2Y−Z=1
  X+(1/2)Y−Z=0  
この連立方程式を解くと、X=ー1/18,Y=5/9,Z=2/9
よって、(10―1/18・(105/9・(10−12/9 =(10)−1/9 + 30/9 − 2/9
                         =10=1000 を得る。
(4)質量の量子単位を求める。
2X−Y+3Z=0
  −2X+2Y−Z=0
  X+(1/2)Y−Z=1  
この連立方程式を解くと、X=5/9,Y=4/9,Z=―2/9
よって、(105/9・(104/9・(10−1−2/9 =(10)10/9 + 24/9 + 2/9
                         =10=10000 を得る。
*以上より、使用している普遍定数が全て正しい時、次元解析の結果、前提条件(2)で記したその惑星特有の単位に対する宇宙における真に正しい量子単位の数値が導きだされることが分る。
B,普遍定数が誤っている場合。
 さて次に、上記の正しい普遍定数に、我々人間が取り扱い易くするため、適当な数値を掛けたり割ったりし、誤った普遍定数を正しいと認識してしまった場合どうなるかを調べてみよう。
上記の普遍定数aの数値100に対し、10を掛けて1000にし、他のbとcはそのままの値とした場合、その普遍定数から算出した量子定数は下記のごとくなる。
(1)長さの量子単位を求める。
 次元解析も計算手順も同じであるから、計算結果だけを記す。
  X=1/6,Y=1/3,Z=1/3 である。
よって、(101/6・(101/3・(10−11/3 =(10)3/6 + 6/3 ― 1/3
                         =1013/6  を得る。
 (2)時間の量子単位を求める。
  X=―1/18,Y=5/9,Z=2/9 である。
よって、(10−1/18・(105/9・(10−12/9 =(10)−3/18 +30/9 ―2/9
                         =1019/6  を得る。
 (3)質量の量子単位を求める。
 X=5/9,Y=4/9,Z=―2/9 である。
よって、(105/9・(104/9・(10−1−2/9 =(10)15/9 +24/9 +2/9
                          =1041/9  を得る。
*以上から、正しい普遍定数に人間都合の数値を掛けたり割ったりし、その誤った普遍定数を用いて行うと、真の量子単位でない値を求めてしまうことになる。この虚偽の量子単位を正しいと公認してしまうと、当然その値を使用して得られた結果は全て虚偽となる。
 だがここで一つ問題がある。それは、我々は真の普遍定数の正しい値を知らないのである。故に前述の普遍定数が正しい値なのか、後述(aに10の値を掛けた値)の誤った普遍定数が正しいのか知る手段が無い。したがって、誤った普遍定数を正しいと認識し公認してしまったその惑星では、真に正しい量子単位をその認識を訂正しない限り、永久に手に入れることができない。
 それではどうしたら我々は真の量子単位の数値を手にいれることが出来、またその値が真に正しいかを確認することが出来るのだろうか。それをこれから考察して行こう。
C, 純粋なプランク単位系
 前記8、4、2 でデイラック定数を用いた際のプランク単位を説明した。この値は純粋なプランク定数(h)を2$\pi$で割ったものである。この数値が正しい量子単位か、虚偽の量子単位かを我々は判断出来ない。因ってここでは念のため、純粋なプランク定数(h)を用いた際のプランク単位も算出しておくことにする。そして前述のデイラック定数から求めたプランク単位を第2のプランク単位、これから求めるプランク単位を第1のプランク単位(または単にプランク単位)と呼ぶことにする。
 算出方法は、8、4、2 プランク単位系の算出 のとこで記述してあるので省略する。そしてデイラック定数の代わりにプランク定数の値を代入して得た結果を以下に記す。又デイラック定数では半波長を基準としていたが第一のプランク定数では1波長を基準として求める。
(1)プランク長 Lp
 Lp=c−3/2・G1/2・h1/2 。この式に普遍定数の数値を代入する。
   Lp= 4.0506×10−35 m
ここで、デイラック定数を用いた長さは半波長を1と置いたものであったので、1波長を基準にするには上式に2を掛けなければならない。よって
 Lp= 8.101× 10−35 m
(2)プランク質量 Mpp
Mpp=c1/2・G−1/2・h1/2 。この式に普遍定数の数値を代入する。
   Mpp=5.456×10−8  kg
(3)プランク時間 tp
tp=c5/2・G1/2・h1/2 。この式に普遍定数の数値を代入する。
tp=1.3512×10−43 s 
この値は半波長の時間であるから、1波長を基準とすると2倍しなければならない。
   tp=2.702×10−43 s
   (この値は、プランク長を光速cで割った値と一致する。即ちプランク長に1秒間の振動数を掛けた値が光速と一致する。)  
以上で第1のプランク単位系の数値を得ることが出来た。しかし、我々は依然として第1と第2のプランク単位のうちどちらが正しい量子単位なのか判断が出来ないのである。両方とも誤っている可能性もある。
D,質量の量子単位
 このようにして得られたプランク単位の数値を見比べると、質量に関する10の指数がほかの単位に対してかなり小さいことに気が付く。又光速に対しては質量の次元が欠けていることも気になる。そこで、質量に関しては別の角度から検討することにしよう。現代科学は幸い既に下記の2つの重要な公式を手に入れている。
 E=m・c、 :質量エネルギー
及び E=h・$\nu$  :輻射エネルギー 
この公式から容易に次の式を得る。  m・c=h・$\nu$ より  m={h/c}・$\nu$ 
ここでcとhは定数であるから、質量mは振動数$\nu$に比例した量であることが分かる。即ち、我々が用いている質量という物理量は完全に独立したものではなく、振動数(時間)に依存した量であるということである。そこで最も単純である振動数ν=1のときの質量を求めておこう。
 m=h/c=7.376×10−51 kg
    さて次に、これまで求め得られた多数の数値を掛けたり足したり、様々な方法で比較検討しているうち、私は次のことに気付いた。即ち振動数が1のときの質量mを、プランク時間で割った値、即ちmに1秒間での振動数を掛けた値がプランク質量Mppの1/2倍に一致するのである。このことが何を意味するのであろうか。
 Mppを1/2倍にした理由は言うまでもなく、半波長の基準を1波長にしたためである。 そして次元解析から得られたプランク質量Mppは明らかに質量mに、1秒に相当する量子時間を掛けたものである。この1秒というのは地球特有の人間中心的な単位である。従って次元解析から得られるその星特有の量子質量は、真の量子質量にその惑星で定めた単位時間に相当する量子時間を掛けたもので、真の量子質量とは異なることが分かる。即ち真の量子質量を算出するには次元解析により得た量子質量を、その惑星の単位時間に相当する量子時間で割らなければならない。そのことにより、いかなる惑星にも共通した真に正しい量子質量を手に入れることが出来るのである。
以上の理由で、前記したプランク質量Mppは次の値に修正しなければならない。
プランク質量:Mp=(1/2)Mpp×tp
         =(1/2)・5.456・10−8 × 2.7024・10−43 
         =7.372×10−51 kg  

<注: 振動数($\nu$)=1 として質量を求めた理由 > 
 我々の惑星即ち地球で用いている時間単位の秒は、地球固有の単位である。他の惑星では異なった単位を用いているだろう。例えばA星では地球の1/100を単位時間とし用いていたとしよう。また、プランクの式:E=h・$\nu$は全宇宙で共通の法則でなければならない、またh(プランク定数)も量子定数なので全宇宙で共通である。故に地球においてはある特定の光の振動数が$\nu$である場合、A星では百分の一であるから、 Ea=h・(1/100)$\nu$ となる。このことは同じ光に対し、その星の単位時間の定義によりその星固有の値となり、星ごとに異なったエネルギー値を示すことになる。しかし振動数を1とした場合は、どの星でも E=h・1 となり、地球に於いてもA星に於いても同じ値となり、その星固有の時間の定義には依存しない全宇宙に共通した質量(またはエネルギー)の値を得ることが出来る。
  

9、2 未知なる始原粒子との遭遇

 我々はようやく真の量子単位と思われる三つの基本単位であるプランク単位の数値を算出できた。しかしこの数値が正しいという確証はまだない。そこで我々は更に論考を進めなければならない。
 前記8、3 重力定数の次元 に於いて私は重力定数に関した独自の物理的解釈を記した。再度同じことを書こう。
   重力定数 = {粒子表面の重力加速度・粒子の半径}/粒子の質量
 
この解釈が正しいかどうか疑問であるが、とりあえず正しいという仮定のもと話を進めていこう。上記の式から分かることは、ある未知の粒子が存在しその粒子の半径と質量と表面加速度から重力定数が決定されるということである。ここまで来るとこの未知の粒子がどのような数値を持った粒子か大変興味がわいてくる。
 この未知の粒子の半径と質量に、上記で得られた第一及び第二のプランク定数や現代知られている様々な定数を代入し計算している際、大変興味深い数値の一致を見た。それは上式の粒子の半径には、量子単位である第1のプランク長の半分(Lp/2)、粒子の質量にはMpの値を代入して計算してみる。
   粒子表面の重力加速度 =(G・Mp)/(Lp/2)
                 = 2.997×10 m/s
 
 この得られた結果を見ると、次元は速度と加速度の相異はあるが、その数値は普遍定数である光速の値と完全に一致することが分かる。このことは一体どのような物理的意味を含んでいるのだろうか。多くの意見や批判があるだろう、例えばただ単なる偶然にすぎないとか、物理的意味など無いのではないかなど。しかし、私はこのようにして得られた複数の普遍定数の数値の整合性や、重力定数のもつ物理的解釈には論理的な一貫性があり、単なる偶然や恣意的なものではなく、宇宙真理の深層に潜む断片の顕れだと理解するのが最も妥当な考えであるという結論にたどり着いた。即ち、重力定数とは、その未知なる粒子の半径と質量と粒子表面の重力加速度より求まるものであると理解すべきではないか。また、複数の普遍定数の関連性が完全に一致することから、本論考で最終的に得られたプランク単位系が真に正しい量子単位であると、認める価値が充分あるだろう。
以下にその特徴を示す数値を記しておこう。
    未知なる粒子の直径:Lp =8.101×10−35 m 
    未知なる粒子の質量:Mp =7.372×10−51 kg 
    未知なる粒子の表面上の重力: α=2.998×10 ms−2
<追記>
* 形状:球形か、立方体か、その他かは不明。
* 体積:形状が膨張・収縮しているため平均体積しかわからない。
     平均体積=(量子長)=(8.101x10ー35=5.3164x10-103 m


9、3 結果と成果 

 以上でこれ以上分割不可能な「未知なる粒子」の特徴を明確化し、また宇宙の根底で 結ばれ、我々の宇宙を支配しているであろう真に正しい量子単位であるプランク単位系の明確な数値を導き出すことが出来た。また求め得られた量子単位の数値から、後述の重力の真実、電気素量の論理的算出方法、ボーアの原子論の物理的解釈、光の放射原理、ボルツマン定数の論理的導出など を論理的、定量的に確定することが可能となる。もしこの得られた結果が正しくないなら、このような複数の数値や論理の整合性が保たれることはあり得ないと見てよい。しかしこの結論が正しいかどうかは読者の判断に委ねたいと思う。そして今後の経験が正否の判断を下してくれるだろう。
 上記の結果が正しいと仮定するなら、未知なる粒子の大きさや質量は、現在知られている安定粒子である陽子の大きさ(半径=約10−15m)や電子の重さ(質量=約10−31kg)に較べ、更に小さい10−20 (1兆の1億分の1)という極小の粒子であることが分かる。このような粒子を現在の科学技術から実証することなど不可能であることは充分承知している。しかし近年の如く著しく進歩した科学時代に於いても、物理的に説明できない多数の謎が宇宙には存在することも確かである。例えばブラックホール、ダーク・マターなど。そのような課題と取り組み常に斬新な知識を探し求めている研究者にとって、本論考が多少なりとも役立ち、科学の進歩に貢献することを期待している。
 現在では原子、分子の存在を否定する人は皆無である。しかし、17、18、19世紀においては原子の存在を認める科学者は、僅かな少数派でしかなく、その様な人々の原子が必ずあるに違いないという信念により科学の道は拓かれてきたのである。そして現在では、熱力学の巨視的現象(圧力や比熱など)を分子運動論から証明することができる。
 これと同様、現在物理的には説明不能な現象を、この「未知なる粒子」の数値から説明できる時代が必ず来るに違いないと信じている。

9、4 プランク単位系(量子単位系) 

 ここでは前記の9、2 で得られた全宇宙で共通してるであろう量子単位の詳細と、それに対応した地球特有の単位系であるSIとの換算値を分かり易く表としてまとめておこう。 
<注> 本書で言うプランク単位系は、現在一般に公認されているプランク単位とは多少異なるので注意してください。


  表9−1:量子単位に対するSI換算値

 基本量子単位

SI換算値

 次元  記号  呼び名 量子単位の数値 SIに換算した数値 
 長さ [Lu]  量子長
又は未知なる粒子の直径
 1[Lu]  8.101x10−35 m(メートル)
 時間 [tu] 量子時間
又は未知なる粒子の振動周期 
 1[tu]  2.702x10−43 s(秒)
 質量 [Mu]  量子質量
又は未知なる粒子の質量
 1[Mu]  7.372x10-51 Kg(キログラム)
 エネルギー [Eu] 量子エネルギー  1[Eu]  6.625x10−34 J(ジュール)
 温度 [Tu]  量子温度 1[Tu]  4.799x10-11 K(絶対温度)

   

 *ここで量子エネルギーは、アインシュタインの質量とエネルギーの関係式;E=m・c を用い、mには量子質量を用いて算出した。またプランクの法則;E=h・$\nu$ を用い、$\nu$(振動数)を1としても、同一の値が算出される。
 *量子温度に関しては、熱力学の運動エネルギーを変形した式;E=Kb・T を用いた。(Kbはボルツマン定数)そしてEには量子エネルギーの値を代入すると算出される。量子温度とは、SIの絶対温度1度に対して4.797x10ー11倍に当たる数値である。


  表9ー2:SI単位に対する量子単位換算値

 次元  SI単位の数値 量子単位換算値
 長さ  1 m  1.234x1034 [Lu] 
 時間  1 s  3.701x1042 [tu] (最大振動数)
 質量  1 Kg  1.356x1050 [Mu]
 エネルギー  1 J  1.509x1033 [Eu]
 温度  1 K  2.084x1010 [Tu]  



<プランク単位系に関する考察>
 このように一覧表としてまとめ挙げて、全体をじっくり眺めていると、未知なる粒子の世界に潜む宇宙真理の断片が少しずつ垣間見えて来る。そこから各量子定数が我々の宇宙の根底で互いにどのような関係で連結しているのか、多少たりとも見えてくる。その主なものを分かりそうなところから考察していくことにしよう。
(1)量子長
 この長さは、未知なる粒子の直径を表わしている。それと同時に光が1量子時間に進む距離でもある。したがって光の波長とは全て量子長の整数倍である。
(2)量子時間
 光が量子長だけ進むに要する時間である。我々の世界では時間は連続的ではなく、量子時間単位でデジタルに刻まれている。地球での時間は1秒を基準単位としているので、光の振動数とは、1秒を量子時間で割った値が最大振動数となる。また未知なる粒子の振動周期でもある。
(3)量子質量
 この質量が、未知なる粒子の質量を表わしている。そして、現存する全ての粒子(電子や原子、その他)はこの未知なる粒子が何らかの力関係により無数結合されたものであると考えられる。また、質量は非常に厳格で殆んど誤差を生じない。したがって、ある粒子が何個の未知なる粒子から構成されているかを容易に算出することが出来る。例えば電子の質量を未知なる粒子の質量で割れば、容易に未知なる粒子の数が算出される。
(4)光速に関して
   SI単位系では、光速とは光が1秒間の単位時間に進む距離と定義している。しかし プランク単位系では、1量子時間に光が進む距離である。即ち”量子長=光速”となる。またこの量子長に、1秒間での最大振動数を掛けた値がSIの光速の値に一致する。
(5)量子エネルギー 
 エネルギーの単位で、我々の宇宙ではこのエネルギーの整数倍でしか存在出来ないようである。
(6)量子温度 
 量子温度は、絶対温度の1度を 2.084x1010 で割った数値で、温度もこの単位の整数倍だけが許される。
 以上の考察はほんの序の口で、量子単位系に関しては更に深く探究する必要があるだろう。そこから我々のまだ知らない新しい知識が得られるかも知れない。

9、5 洞察力の世界 

 科学の進歩に於いて大切なものの一つに洞察力がある。洞察とは辞書を見ると「物事をよく観察しその本質に気が付き、物事の深部まで見通すこと」とある。例えばケプラーが、これまで公理とされていた惑星の円運動が楕円であることに気付いたこと。ニュートンが如何なる物体にもその質量に相当した向心力があることに気付いたことなどがあげられる。これ等の発見は、検証可能な数多くの観測結果から、その奥に秘められた検証不可能な世界の法則を見抜き、その世界から検証可能なデータが得られることを証明することでなされたものである。  このように人が見ることも触ることも聞くことも出来ない得体の知れない世界を洞察することは、新しい知識に到達するためには欠かせないものなのである。近年では、ボーアの原子仮説がよい例である。彼は色々な観測結果から、原子の世界では原子核の周りを電子が回転する際、複数の定常状態が存在しその軌道を回転してる場合は光を放射せず、軌道から別の軌道に遷移するとき光を放出するのである、という仮説を立て新しい知識を得ることができた。


           図9−1:洞察力と検証スクリーン  


 図に於いて、スクリーン上で検証可能な像AとBがある。検証可能な事実だけを根拠にする人々は、「AはBより大である」という事実を基礎として理論を構築していく。しかし真実は、図から明らかなように物体AはBより小である。だが真実は検証不可能である。その真実の世界を模索するのが洞察力の世界である。
A、現代科学の理論
 検証スクリーンの前面からしか物事を観察することが出来ず、それで満足している研究者の世界である。このような人は、検証も出来ない真実には全く無関心である。したがって、スクリーンの背後にある見ることも感じることも出来ない真実を知らないまま、検証可能では在るが誤った実験事実と認識を土台にして理論を構築していくことになる。当然そのような理論が正しいとは思われない。
B、プランク単位系からの理論 
 検証スクリーンと洞察力の世界の両方を見渡すことが出来る研究者の世界である。このような研究者は、検証可能な多数の観測事実を総合的に正しく分析、解釈することで、検証不可能な世界をも予測し、自然界の奥底に潜む根本要素、根本原理を正しく理解し、そこからあらゆる自然現象を論理的、物理的に解明していく。歴史的にも科学の進歩は、洞察力に富んだ人々から築かれている。

トップ へ
inserted by FC2 system