目次、記録 宇宙の真理  再現性の法則 宇宙の大気 大自然の秘密 古代ギリシャ哲学 エーテル仮説 マイケルソンの実験
分割/不分割の問題 熱力学  エントロピー 空洞輻射 プランクの公式 公理系 次元と単位 重力定数の研究
未知なる粒子  プランク単位系  ボルツマン定数  重力 光の転生 電気素量の算出 ボーアの原子理論 光の正体
ビッグバンの困難  相対性理論の誤解  元素の周期律表  一歩進んだ宇宙論 電磁気の歩み 電磁気基礎知識 マクスウェル方程式 電磁波は実在しない
回転軌道の法則  赤方偏移の真実 周期律表の探究  周期律表正しい解釈  真偽まだらな量子力学 波動 宇宙パワー 
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静止制御力  物質体の重力
重力の精度   隠された質量 

10、2 光の転生 

 アインシュタインは、1905年に質量とエネルギーの等価性:E=m・C  を発表。その後の核分裂、核融合などの観測事実からこの式が正しいことが確認される。即ち、核分裂などの核反応の際、全体の質量が減少した時それと同量の輻射エネルギーが放射され、その逆も成立する。このことにより「質量保存の法則」は破られるが、反面「エネルギー保存の法則」は不動であることが証明された。本書でもこの法則の定式化が正しいという前提で考察を進めていくことになる。 他方、完全に真空と思われる空間に強力な光線(ガンマー線)を当てると、電子と陽電子が跳びだし、その後電子と陽電子がガンマー線を放射し消失してしまうことが知られている。この事実は明らかに光線エネルギーが物質粒子に、物質粒子が光線エネルギーに転換し且つ等価であることを示している。

10、2、1 光から物質へ 
 それでは何故このような光から物質へ、物質から光へ転化するのか、その理由を前述したプランク単位系および未知なる粒子の数値群およびアインシュタインの「質量とエネルギーの等価性」が正しいという認識のもと考察していくことにする。
(1)エネルギー保存の法則 
  エーテル仮説の冒頭で述べたように、ガサンディは言う。「物質が静止の状態に移るときは,原子の固有の力は失われるのではなく、抑止されるだけである。また物質が運動し始めるときも、力は生みだされるのではなく、その自由を回復するにすぎない。したがって物体のなかには、起源から存在していただけの衝動力が永続的に存在する」。 この言葉は、本論考を進める上に大変示唆に富んでいる。その後明らかとなるエネルギー保存則の先駆けと言える。
 私はこの言葉を知ったとき興奮と驚きを感じた。即ち、質量エネルギーと輻射エネルギーの相異に対し、自身で納得できる明確な物理的解釈が出来なかったのである。そのような曖昧な認識の状態が非常に長期の間つずいていた。しかしこのガサンディの言葉によりこれまでのモヤモヤが吹き飛ぶことになる。400年以上前にこのような突出した思想を持ち、宇宙真理の奥儀に達している人がいた事に感激を覚えずにはいられなかった。そして躊躇することなくこの言葉に与することになる。
 この言葉を本書流に言い直すと「光が静止の状態に移るときは、光の持つエネルギーは失われるのではなく、抑止されるだけである。また光が運動し始めるときは、エネルギーが生み出されるのではなく、その自由を回復するに過ぎない」。
(2)物質粒子とは・・・ 「奇異なる点:その1」
   上記のガサンディの言葉、即ちエネルギー保存則を正いと認めると、物質粒子とは光(量子ゆらぎ)が何らかの形で、見えない膜のようなもので覆い隠され、内部に閉じ込められ自由に動けない状態にあるとみなすことができる。しかしエネルギーは失われることはなく内部で振動していると推定できる。
 また、第一章で述べたようにエーテル大気の特性は、全宇宙に亘り等方一様の圧力を有しているはずである。この宇宙の圧力と物質粒子内部の光の振動圧力とが均等を保ち静止した状態が物質粒子であると見なすことは充分可能である。そして何らかの衝撃により見えない膜が破壊されると、内部の光は自由を回復し「量子ゆらぎ」として宇宙空間を光速で伝播することになる。このような「量子ゆらぎ」が見えない膜で包まれ静止した状態になった物質粒子を本書では「未知なる粒子」と呼んでいる。
 このような粒子が実在すると考えると、上記の光が物質に、物質が光に転生する理由が鮮明となる。またこれから述べる多くの謎が芋ずるしきに解けてくるのである。
10、2、2 未知なる粒子の特性 
 第9章で、未知なる粒子の特徴と数値を明確化した。再度同じ数値を記しておこう。
 ・直径:      Lu =8.101 x10―35 (メートル) 
 ・質量:      Mu =7.372 x10―51 (Kg)
 ・粒子表面の重力: α0 =2.997 x10  (メートル/秒 )

 上記の「粒子表面の重力」の数値は、「未知なる粒子の発見」の節で述べたように、プランク単位系の量子長、量子質量を重力定数の式に代入して得られたもので、その値が光速値と完全に一致したのは単なる偶然であるとみなされても仕方ないことであるとも述べた。(私は宇宙の根底に潜む宇宙真理の断片の現れだと確信しているが。)
 しかしそのような誤解を取り除くためここでは、別の視点から論考しても同じ数値が得られることを証明していこう。そのことにより本書で発見した未知なる粒子の存在とその数値が正しいことを確固たるものにできるはずである。
 さて光速が宇宙のいかなる場所、いかなる時代においても不変であること、重力定数などの普遍定数が宇宙のいかなる空間においても不変であることなどから、宇宙の圧力も全空間に亘り普遍であると見倣して間違いない。
 一方6章の熱力学などから、ピストン内部の気体が出入り出来ない系において、内部の気体に熱量を加えると内部エネルギーが増加し分子運動が激しくなり内部の圧力が増す。そして内部の圧力と外部の気体の圧力とが等しくなるまでピストンが動くことを学んだ。
 また、風船に空気を吹き込むと内部の空気の圧力が高くなり膨張し、外部の空気圧と均等になるまで拡大しその大きさで安定する。未知なる粒子に対してもこれらと同じ様な原理、法則を適用し類推して考えると理解しやすい。
更に、圧力に関しては次の二つの方程式が成立することを知っている。
(1) 圧力とは、力を単位面積で割ったものである。
    P = F / L   ここで、P:圧力。F:力。L:長さ。
(2) 圧力とは、エネルギーを体積で割ったものである。・・・ 「奇異なる点:その2」
    P = E / L   ここで、E:エネルギー。
(3) 更に、ニュートン力学から
    F = m・α。及び  F = G・M・m / R 
 ここで、m、M:粒子の質量。G:重力定数。α:加速度。R:粒子間の距離。
我々がこれから算出するのは未知なる粒子の表面上の重力加速度である。従って取り扱う単位はプランク単位系の量子数になる。
そこで、上記の式は
  P = Mu・α / Lu = Eu / Lu 
  α = Eu / Mu・Lu   
また、 E=m・C  の式から 
    Eu = Mu・(Lu /tu) 。
ここで光速Cはプランク単位系では、C= Lu /tu  である。
よって、 α = Mu・(Lu /tu) /  Mu・Lu  
       =Lu /tu   
この式を書き換えると、Lu /tu は速度vであるから、< v = α・t >   なる、お馴染みの式を得る。
   α = Lu /tu  ・・・(10−1)式 
 以上をもう少し分かりやすく解説すると、量子エネルギー:Eu  を有し光速で運動する量子ゆらぎが見えない膜に覆われ静止状態となり、膜の内部からの圧力とエーテル大気の圧力とが釣り合った状態が未知なる粒子である。
 各式に、量子数を代入し展開していくと式(10−1)を得る。
この式を説明すると、加速度α は、量子単位時間tu に速さの変化がLu / tu  だけ生じたものである。この変化は量子時間に起こる速さの変化であるから、SI単位系での最終的な加速度を求めるには、1秒間での速さの変化を求めなければならない。従って量子長Lu に1秒での量子時間をかけなければならない。よって量子単位での加速度α0は
 α0 = 1(Lu/tu)  
であり、 
1(Lu/tu)=8.101 x10―35 (メートル/tu)。 また 、1(秒)= 3.701 x1042 (tu) 。
であるから、SI単位系での加速度を計算すると以下のようになる。
 α0 = 8.101 x10―35 ・ 3.701 x1042 =29.98 x10  =2.998 x10 (メートル/ 秒 )。
 以上で、量子エネルギーと粒子表面上の圧力の視点からも、未知なる粒子の重力加速度が光速値になることが証明された。このことから「未知なる粒子」の大きさ、質量、重力加速度が単なる偶然から得られた数値でないことは明白で、宇宙真理の断片の顕われと解するのが、最も妥当な結論である。
<物理的解釈>
 以上の結果を科学的にどのように解釈すべきかをまとめてみよう。
(1)光速で移動する量子ゆらぎを、見えない膜で覆い隠し動けない状態にするエーテル大気の圧力が重力の根源である。本書ではその力を「エーテル大気の静止制御力」と呼んでいる。
(2)見えない膜で包まれた内部の量子ゆらぎの振動圧力と外部からの静止制御力が均等を保ち、静止状態にある粒子が未知なる粒子である。
(3)振動圧力の数値を量子単位系から算出すると、表面上の重力の値は光速値となる。
(4)激しく振動する量子ゆらぎを閉じ込めている見えない膜が、何らかの衝撃により破壊されると量子ゆらぎは自由を回復し、その部分からエーテル大気に飛び出し光速で伝播する。
(5)量子ゆらぎは量子エネルギーなので、その量はエネルギー保存の法則が成立する限り永久不変である。故に障害物がない限り無限遠方まで直進する。
(6)量子ゆらぎの大きさは、未知なる粒子と同一であると見なし論考を進める。何故なら同一でないという理由が何も無い。しかし、矛盾が生じたときは修正しなければならない。
(7)量子ゆらぎがエーテル大気中を伝播中、どのような衝撃を受けると見えない膜が現れ、未知なる粒子に転生するかは全く未知である。

10、3 静止制御力 

 このように未知なる粒子がただ偶然の発見ではなく、エネルギーと圧力の面からも導出できることを証明した。そして宇宙空間にこの未知なる粒子が単独で存在するときは、粒子表面のどの方向からも同一の静止制御力が作用するため両サイドの恒等式が成立し、粒子は絶対静止し安定している。
 このような空間に、別の未知なる粒子が接近してきた場合どうなるだろうか。




             図ー10.1:静止制御力の影 

  図:左図について説明すると、二つの未知なる粒子が距離Rだけ離れた状態にある。Lrは粒子の半径である。SA,SBは互の粒子の表面にできる静止制御力の影である。LsはSA,SBの半径。
 図ー10、1の左図 から分かるように、粒子Aの表面上には粒子Bの無限遠方からの静 止制御力の影SBが、粒子Bの表面上にはAの影SAができる。影の面積だけ静止制御力が弱まり粒子表面上の両サイドの力の恒等式が破れ、安定の法則に従い各粒子は制御力の弱い方向に移動を始める。粒子同士が接近すると影の面積も大きくなり、力の差が大きくなり接近する速さも増すことになる。 数式で表現すると以下のようになる。
     Lr /R =  Ls / Lr  。 ここで Lr =1/2・Lu。 Luは粒子の直径。
表面上の静止制御力の影の面積SA(またはSB) は $\pi$・Ls であるから
  SA = $\pi$・(Lr/R) 。 
この式から静止制御力の影の面積は粒子間の距離Rの二乗に反比例することがわかる。この事を「逆二乗の法則に従う」という。静止制御力の面からも重力が逆二乗の法則に従うことを、証明することができた前記したようにニュートンは逆二乗の法則をケプラーの第三法則から証明したが、本論法ではエーテル大気の圧力から証明することが出来た。
 また反対側方向からの別の粒子が存在する方向(右図ではx方向)への全静止制御力は、ピストンなどの気体の圧力と同様と考えてよいので、X軸と垂直をなす面積Sに等しい。よって
  S = $\pi$・Lr 
そして、SAをSで割った値に粒子の重力をかけた値が粒子Aの加速度αaとなる。
  αa = α0・(SA / S) = α0・(Lr / R)  
αaをαgと書き換え、この式に量子数を代入すると 
  αg = 2.997 x 10 ・(4.051 x10―35 / R 
     = 4.918 x10―61 ・(1/R )
     = Gu ・{1/R} (メートル/秒)。 ・・・ (10−2)式 
ここでGu =4.918x10―61 (メートル 秒―2
この式αg が未知なる粒子Aの中心からRだけ離れた位置での重力加速度を示す。そして(10−2)式が量子単位系における重力方程式となる。非常に重要な式である。そして定数Gu を静止力定数と仮称することにする。
   以上の論考から、次のような重要な結論が導き出せる。
**その1:宇宙に実在する可量粒子は未知なる粒子だけである**・・・ 「奇異なる点:その3」
 
理由1:粒子内のエネルギーはプランク単位系の量子エネルギーか、その整数倍しか採りえない。
理由2:粒子内部の圧力と、静止制御力の圧力が均等を保ち安定して宇宙に実在できるのは、量子エネルギーが1倍の時だけである。
理由3:仮に2倍3倍のエネルギーを有する粒子が存在したとしても、内部圧力と静止制御力とが異なり不安定となり、たちどころに崩壊してしまい安定して空間に実在することは不可能である。
 従って、宇宙全域に亘りエーテル大気が平衡を保ち普遍である限り、宇宙に存在可能な粒子は未知なる粒子だけでそれ以外はあり得ない。
**その2:重力は粒子どうしが互いに引き合うが、反発することはない**
理由1:エーテル大気の圧力は全空間に亘り均等で、未知なる粒子の全表面上に均等におよぼす。
理由2:静止制御力の影は他の粒子が存在する方向にしかできない。
理由3:影のできた方向の静止制御力が弱くなり、弱くなった方角に安定の法則に従い粒子は移動する。その結果、粒子どうしは必ず引き合い、反発しあうことはない。重力には引力しかない理由がこの理論から説明できる。
**その3:重力の強さは「逆2乗の法則」に従う**
理由1:静止制御力の影の面積は、粒子同士が離れた距離の2乗に反比例する。
理由2:影の面積が重力の強さに比例する。よって逆2乗の法則が成立する。

10、3、1 物質体の重力 
 質量保存の法則は核反応が生じ輻射エネルギーに転化しない限り成立していることが確認されている。また前記の結論から、我々が物質粒子と呼んでいるものは、総て未知なる粒子が複数個何らかの力関係により結合されたものであると解釈できる。即ち総ての物質体は未知なる粒子より構成されている。従って物質体の質量を未知なる粒子の質量で割ると簡単に未知なる粒子の総数<num>を算出できる。
 また、複数の粒子が結合され一つの物質体が構成されたとき、その重心が質量の中心になることを経験から学んでいる。そして一つの未知なる粒子が重心上にあるとき、重心から任意の距離Rだけ離れた点の重力αg は(10−2) 式で表せる。また物質体を構成する未知なる粒子が総て重心に集まったと考えてよいから、その物質体のR点での重力αr は、
   αr = αg ・<num>  ・・・(10−3)式 となる。
この式からR点における物質体の重力を導きだすことができる。1つの粒子のつくる重力に全粒子数を掛ければ求まるという非常に簡単な方程式である。

**地球の表面上の重力を求める計算**
 ここでは上記の重力方程式αg から、地球表面上の重力の値を計算してみることにしよう。
   地球の質量:Me=5.983 x1024 (Kg)
   地球の半径:Re=6.371 x10 (メートル)
地球の未知なる粒子の総数<num>は、地球の質量を未知なる粒子の質量で割れば求まる。
   <num> = (5.983 x1024 )/ (7.372 x10―51
       = 0.8116 x1075 (個)
地球の中心に在る未知なる粒子1個の地表に及ぼす重力の値は
 αg = Gu ・ 1/Re = (4.918 x10―61 )/(6.371 x10 = 0.1211 x10―73 (メートル/秒
従って求める地表での重力加速度gは、未知なる粒子の総数を掛けたものであるから容易に求まる。
  g =(0.1211 x10―73 )・(0.8116x1075)=0.0981 x10 = 9.81 (メートル/秒) 
 この値は、現在測定され公認されている重力加速度と完全に一致する。

**粒子がエーテル密度の高い空間から低い空間に移動する理由** 
 エーテル仮説の章で、ニュートンは300年も前に重力の物理的原因を理解していたことを述べた。即ち、「物質粒子が多い場所ほどエーテルの密度が小さいため、エーテル密度の高い空間から星の中心に向かって物体は移動する」と説明している。
 この現象は静止制御力の視点からも容易に証明することができる。
ある粒子から見て、下方には惑星(エーテル密度が小さい空間)が存在し上方には小岩石が散在するような(エーテル密度が高い)空間において、その粒子の表面上に出来る静止制御力の影の大きさは、惑星側の方が大きい。よって粒子は影が大きい方向(惑星側)に向かって移動していく。

10、3、2 累積エネルギーとの関係 
 本書では、第2章 二つの暗箱及び第12章 光の正体で累積エネルギー(E=mv )なる概念を説明している。そこで累積エネルギーがゼロのときは絶対空間に対し絶対静止している事を述べた。また物体が速度を得るには重力による場合と、何らかの外力が働いた場合であることをニュートン力学から熟知している。更に上記において重力により物体が落下する原因は、静止制御力の影の大きさに因ることも説明した。以上のことから本書では、未知なる粒子内の累積エネルギーと量子エネルギーの区分けを便宜上次のようにしている。この考えはあくまでも便宜上設けたものであって、物理的に説明したものではないので注意を要する。
 量子エネルギーは基本単位のエネルギーである。そして独立に存在し未知なる粒子内部では激しく振動し粒子表面上に均等な圧力を及ぼす。累積エネルギーは方向と量を有し、量は速さの二乗(v)と粒子の質量の積で表現する(m・v)。更に累積エネルギーは粒子に外力が作用した場合はその方向に加算され、静止制御力の影により速度の変化が生ずる際は、粒子が動く方向に対し加算される。
 さてそこで次のような疑問が生ずる。
<疑問>
速さvで運動している未知なる粒子が破壊され量子ゆらぎを放射した祭、累積エネルギーはどうなるのだろうか?
 残念ながら現状では、粒子がどのようなとき破壊され、その後累積エネルギーがどうなったかの詳細な情報がほとんどなく明確でないので、この疑問の回答は困難である。しかし敢えて言えば次のようになる。
<回答>
 エネルギー保存則が成立し、量子エネルギーが最小の単位でありその整数倍しか宇宙空間には存在出来ない事を認めるなら、未知なる粒子が何らかの衝撃により破壊されるときは、累積エネルギーの値が量子エネルギーの整数倍になっていなければならない。その累積エネルギーが量子ゆらぎとして放射されるのである。故にエネルギー保存の法則は成立する。そして累積エネルギーが整数倍にならない限り未知なる粒子が破壊されることが無い。

10、3、3 重力の精度 
 次に静止制御力の影の面積から考察すると、我々が通常使用している重力の精度がどの程度正確であるか、その概観を調べてみよう。そのため簡単な例として最も基本原子である水素について説明しておこう。 
 水素原子はよく知られたように、中心に一つの陽子が在りその周りを一つの電子が回転し、長期にわたり安定を維持している。原子の大きさは電子軌道の回転半径で表わされ、その質量は陽子の質量とほぼ同じであると見倣されている。また水素原子の内部は、未知なる粒子が密集している空間と殆んど無い空間とが混在していると推察される。しかしその内部構造は全く不明である。従って、ここでは混乱を避けるため、原子内に未知なる粒子が均等に配分されているものとして推論していくことにする。




                  図ー10.2:原子内粒子の配列 

    図10.2 において
Rp :原子の直径 〜 10―11 (m)
Lu :未知なる粒子の直径 〜 10―35 (m)
Ra :未知なる粒子間の距離 〜 10―19 (m)
Mp :水素原子の質量 〜 10―24 (g)
Mu :未知なる粒子の質量 〜 10―48 (g)

@ 未知なる粒子の全個数:Nj 
   = 原子の質量 ÷ 未知なる粒子の質量 
   = 10―24 / 10―48 = 1024 (個)
A 1列に入る未知なる粒子の個数 
   = (全個数)1/ 3  
   = (10241/3 = 10 
B 未知なる粒子間の距離 
   = 原子の直径 ÷ 1列に入る粒子の個数 
   = 10―11 ÷ 10 = 10―19 
C 未知なる粒子の直径に対する粒子間の比率  
   = 粒子間の距離 ÷ 未知なる粒子の直径  
      = 10―19 ÷ 10―35 = 1016 
 この計算から分かるように、原子内の空間には隣りの未知なる粒子の数との間隔が粒子の大きさを1とした場合、1016 倍(一兆の1万倍)離れていることになる。我々が物質と呼んでいる原子内部とは殆んど粒子のない空間であることがわかる。従って原子から多少離れた一つの未知なる粒子の表面にできる静止制御力の影の個数も、影どうしが重なる確率も殆んど無視でき、重力がいかなる原子に対しても完全に同じで不変であることがわかる。これが質量には厳格な規則性が存在し精度が極めて高い根源である。また星のような大きな物質が宇宙空間をエーテルの抵抗を受けずに移動運動できる理由でもある。即ち、エーテルがいかなる物質内部にも容易に浸透してることの証拠でもある。更に、ガラスなどの物質内部でもエーテルは充満しているのであるから光が容易に伝播できるその理由を明確に示している。

10、3、4 隠された質量 
 次に影どうしが重なった場合はどうなるだろうか。図10、3 から分かるように二つの粒子が当該未知なる粒子Aに対し平行に置かれた際は、静止制御力の影は重ならないためSbとScの二つが粒子表面上にできる。しかし直線上に在るときは後ろの粒子の影はできず、Sbだけができる。そのため静止制御力の影は少なくなり、その分重力は弱くなる。従って重なる場合の確率を計算することで重力がどの程度弱くなるかを算出できる。




             図ー10.3:隠れた粒子 

 上記の原子内の配列では、粒子間の距離を立方体に対して求めたが、影の面積の重なりの確率を求める際は、水素原子の大きさの平面に対する粒子間の距離と、その比率を求めれば良い。
@ 面積に対する未知なる粒子間の距離 
   = 水素原子の直径 ÷ (未知なる粒子の数)1/2 
   = 10―11 ÷ 1012 = 10―23 
A 未知なる粒子の直径に対する粒子間の比率 
   = 粒子間の距離 ÷ 粒子の直径 
   = 10―23 ÷ 10―35 = 1012 
B 影の面積が重なる確率
   = 1/(1012 = 10―24 
   この確率の数値だけ、その原子が他の未知なる粒子に及ぼす重力が弱くなる。しかし実際には、原子内の中心の原子核に質量のほとんどが集中していること、また原子核内の未知なる粒子を含めた素粒子どうしがどのような力学関係で結合されているかなどが全く不明であることなどから、このような単純計算では求まらない。従って以上の計算はあまり信用できるものではないと考えてもらいたい。にもかかわらず、何故長々とどうでもよさそうな事を計算してきたかというと、次のことを私は言いたかったのである。

 現在惑星や恒星(太陽など)の質量を求めるには、ケプラーの法則とニュートンの引力の法則から算出できる。
   G・Ms = (2$\pi$/T) ÷ r  
ここで G:重力定数。Ms:恒星の質量。T:惑星の周期。r:恒星と惑星との距離。
 しかしこの式は、静止制御力の影の面積により重力の値が弱くなることを考慮していない。現在に於いては、この式で充分満足であるが、遠い将来においては、もっと精密な恒星の質量を求められる時代がくるだろう。その時には上記の考えが必要になるということである。

10、3、5 慣性質量と重力質量の相違  
 前記したようにニュートンもアインシュタインも慣性質量と重力質量が等価であることを異なった論法で証明した。ここではエーテル大気の圧力の面から考察するとどうなるかを調べてみよう。
 本論考では慣性質量と重力質量の相異を次のように定めている。
@重力質量:未知なる粒子が複数個存在した空間においては、各粒子の表面上には互いの静止制御力の影が 複数個ー1 だけできる。この影の面積の総面積が重力に比例する。
 したがって、大きい星ほど未知なる粒子が沢山あるため、その星の地表にある物体程、静止制御力の影が多数生じる。また未知なる粒子が多数含まれる物体ほど、影の面積が多数生じその結果として秤にかけると重くなる。この重さが重力質量である。
A慣性質量:エーテル大気中を未知なる粒子が静止または等速運動している際は、エーテル大気との抵抗は生じない。だが加速運動する際、抵抗を受ける。未知なる粒子を沢山含む物体ほど粒子の数に比例して抵抗も増える。また加速が大きいほど抵抗力も大きくなる。この物体を構成する未知なる粒子の数の総質量が慣性質量である。そしてこの物体の加速度が重力加速度と一致した時の慣性質量と重力質量とは一致する。
B等価性:重力質量と慣性質量との等価性に関しては、前記のニュートンやアインシュタインの説明と同様である。 
10、3、6 大いなる疑問 
 さて、これまでエーテル大気の圧力と未知なる粒子の数値から重力の謎を解いてきた訳であるが、ある大きな欠点があることを読者の多くが気づいていたのではないか。それは、未知なる粒子の表面上の重力加速度が光速値というあまりにも大きな値であることである。即ち粒子どうしが接近してきた際、この強力な重力により互の粒子は激しい勢いで衝突し破壊されてしまうか、一つの塊になってしまうはずである。従って地球のような惑星はたちどころに収縮し数センチ以下の塊になってしまうということである。しかし現実にはそのようなことがない。
 この疑問は、エーテル大気理論にとって最も大きな泣き所である。次章ではその弱点の謎に迫っていくことにしよう。



 「奇異なる点」に関する説明 

 その1 量子エネルギーが見えない膜で覆われ静止した状態が未知なる粒子である。
 空間を光速で伝播する量子ゆらぎが何故見えない膜に覆われ静止するのか?見えない膜とはなんなのだろうか?残念ながら現在ではただ単に奇異という答えしか見当たらない。
 その2 宇宙の圧力は{P=u}である。P=u/3 ではない。ここで、uはエネルギー密度。
 輻射エネルギーの圧力は、P=u/3 であることを6章の輻射圧で述べた。これは実験的にも理論的にも証明されたものである。にもかかわらず本章では P=u としており明らかに事実とは異なる。この点に関しては本論考でも長い間悩みの種であった。
 しかし明かりは見えてきた。即ち、空洞内の輻射光線はあらゆる方向に自由運動し光速で移動している。そして壁面に衝突し反射する際の圧力はx、y、z方向に均等に分配され自由度は3であり、1/3 となる。しかし未知なる粒子内の輻射エネルギーは、大きさがどの方向に対しても1量子長であり光は移動できない。しかしエネルギーは有しているので、内部で心臓が膨張・収縮するように振動しているはずである。この時の振動の自由度は1であり、従って P=u となる。
 その3 総ての物質は未知なる粒子の構成物である。
 ギリシャ時代のタレスが述べた「総ての物質は始原物に還元される」という言葉は正しかったようである。本章では、宇宙に存在するあらゆる粒子は(電子も陽子もニュートリノも)全て未知なる粒子より構成されていることを説明した。しかしそれがどのような力学関係で結合されているかに関しては一切避けた。何故なら現在の科学水準では予測することも不可能だからである。
 だが、地球の時間単位を1秒とした時、1兆年という時間は 3.1536x1020 秒に相当する。今、仮に1量子時間を1秒とすると3.1536x1020 量子時間が1兆年に該当する。そして1秒は3.701x1042量子時間であるから、3.1536x1020 量子時間というのは、約10ー22秒でしかない。即ち量子時間の世界での1兆年というのは我々の世界では約10ー22秒 に該当するのである。従って量子時間の世界での1兆年かけて電子や素粒子が生成、消滅しても、決して不思議とは言えないのである。

 その4  エーテル大気は弾性固体エーテルより成る。
 我々の宇宙が何故これほどまで安定し全空間に亘って同一なのか?100億年以上何故普遍定数には変化がないのか?何故、無限空間にわたって物質原子は同一なのか?何故、宇宙を伝播する光や電波などの情報を伝える速さは光速なのか?これらのすべてを満たす解答は我々の宇宙が想像も出来ない堅固な弾性固体で構成されている以外の答えは見つからいのである。 
 以上のように重力の真実を探求していくと現在の科学には奇異なる点が幾つか存在する。これは現代科学が未だ未成熟、不完全である証拠である。しかし将来いつの日かこれらの事象が奇異ではなく、当たり前であるという時代がやって来るだろう。  


   



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