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12、 光の放射原理 |
一方分子運動論からは、気体分子の温度を下げていくと、圧力を一定に保った際その体積が温度に比例して小さくなることが知られる。そして理想気体なるものを想定した場合には、温度を下げていった際体積がゼロになる絶対零度の存在が認められるようになる。また、分子の運動と温度との関係式(ボルツマンの法則)が証明される。 (1/2)m・v2=(1/2)Kb・T ここで、m:質量。v:速度。Kb:ボルツマン定数。T:絶対温度。 この式から見ても、絶対温度がゼロ(0)になれば分子の速度もゼロになることは明らかである。即ち絶対零度を認めるならば絶対静止は存在すると考えられる。仮に絶対零度を否定したとしても、温度を下げることにより分子の速度は絶対静止に近付くことは確かである。
ここで、e:素電荷。 a:荷電粒子の加速度。 ε0:真空中の誘電率。 c:光速。 P:単位時間に輻射されるエネルギー。 <注> ラーモアの公式が正しいとすると、原子核の周りを回転する電子は瞬時に原子核に吸収されてしまう。現実にはそんなことはなく、水素原子が実在するのであるからこの公式は正しくないことは明らかである。ただ量子の世界でない古典論に於いては正しいとされている。 (1)荷電粒子でないと光を放射しないのか ラーモアの公式に関しては11、1、3 でも簡単に説明した。その中で「古典論によると荷電粒子が加速度運動した際、連続的に光波を放射する」と述べた。確かに我々が経験できる自然現象に限って見れば正しいのである。しかしこの見解には一つ落とし穴がある。すなわち電荷を持たない粒子が長時間同一方向に加速度運動して光速を超えるようなとき、どうなるかを考慮していない。かりにそのような実験が出来、電荷を持たない粒子でも光を放射したら、上記の古典論の解釈は誤っていることになる。このことは光の速度が未定であった時代に、光の速度は無限であるという解釈と同じである。 注記:粒子が電荷を持つか持たないかに関係なく、 どんな粒子でも速度が増し光速に近ずくと輻射エネルギーを放射するのではないか。 (2)光を放射する理由が明確でない 公式を見る限り、この荷電粒子は輻射エネルギーを放射しない限り無限大の速度に達する(質量が増加しない限り)。しかし現実的には輻射エネルギーを連続的に放射するため無限大にはならない。また単位時間に放射する輻射エネルギーは加速度の二乗に比例して強くなる。このことは粒子の速度がある速度(光速)に達する時間が早いほど多量のエネルギーを放射するとも解釈できる。 (3)輻射エネルギーを本当に連続的に放射しているのか 荷電粒子が加速度運動すると間違いなく輻射エネルギーを連続的に放射するのか。離散的ではないのか。その点の観測結果が不明確である。 (4)超光速が存在しない理由 相対性理論によると、超光速が存在しない理由は速度が増すと粒子の質量が無限大に成るため、光速より速くはなり得ないのだと説明している。私はこの説に否定的だったので無視することになる。したがって超光速が存在しない別の理由を推察しなければならない。 そして改めてラーモアの公式を眺めて見ると、加速度運動を継続している荷電粒子(電荷のない粒子でもよい)が輻射エネルギーを放射しなかった場合、その粒子は明らかに光速を超えてしまう。(相対性理論を否定していればそうなる)しかし光速に達したとき光を放射すれば、その粒子の速度は減速し、光速は存在しても超光速は存在せず、またラーモアの公式も成立する。即ち実際の現象を全くうまく説明できる。更に、原子核の周りを電子が回転する際、定常状態の軌道に於いては定速円運動をしているのであり、光速を超えることは無いのであるから、光を放射しない理由も明確となる。また、光速に達する時間が1秒の一兆分の一以下であったならば、真実は離散的に放射されているのであるが、現実には光の放射が連続的であると解釈されてもおかしくない。 (5)電子が光速に達する時間 次に水素原子核を回転している電子が、回転軌道n=2 から中心に向かって落下した際、その電子の速度がゼロから光速に達するまでの時間を古典論にしたがって算出して見よう。この際クーロン力は中心方向にのみ働いているので、水平方向への速度は考慮しない。即ち、電子が中心の原子核に向かって落下する速度のみ考慮すればよい。 電子の加速度は Meα = e2/4$\pi$ε0(r2)2 より α = e2/4$\pi$ε0(r2)2 Me ここで Me:電子の質量=9.109x10−31 (kg) 。 e:素電荷=1.602x10−19 C(クーロン)。 ε0:真空中の誘電率=8.854x10−12 F/m(ファラッド/メートル)。 r2:n=2の電子の軌道の半径= 2.116x10−10 (m)。 また、速度は v=α・t より t=v/α 光速cに達するまでの時間は、t=c/α c=2.998x108 m よって、各定数に数値を代入して計算すると、 t = (2.998x108 )(4x3.142)(8.854x10−12)(9.109x10−31){(r2)2/e2 } t = 3.038x10−32{(4.477x10−20)/(2.566x10−38) = 5.302x10ー14 sec となる。 以上の結果から、古典論に従った計算だけでも、水素原子の定常状態(n=2)にある電子の落下速度は1秒の一兆分の1よりはるかに短い時間で光速に達することが分かる。この計算結果は、その逆数が可視光線の振動数と近似していることがわかる。そこから憶測して、電子が光速に達すると輻射エネルギーを放射するのではないかという考えは、極めて妥当な発想といえるだろう。 <注> ここで述べた考えは、相対論を信奉している人たちにとっては全く馬鹿げた無意味な考察である。そのため原子内の電子が光速に達する時間がこれほど短いとは本書で記載するまであまり知られていない。
(1)原子内の電子の軌道には、何故定常状態が存在し、電子の数に制限があるのか明確でない。 (2)定常状態にある電子は、加速度運動しているのに何故落下せず輻射エネルギーを放射しないのか。 (3)電子が別の軌道に落下する際、どのように光を放射するかが分からない。また任意の定常状態から別の定常状態に遷移する際、何故互いのエネルギー準位の差に相当する振動数の線スペクトルを放射するのかも謎である。 ここでは、水素原子核の周りを回転する電子の速度がどの程度になるか、古典論に従って算出することにしよう。
以上の結果から、水素原子核の基底状態の軌道(n=1)を回転する電子の速さが、光速に近いが光速を超えることがなく、等速円運動をしていることがわかる。即ち定常状態を回転している限り電子は光速を超えることがなく光を放射出来ないのである。そして軌道から別の軌道へ落下する時、光速を超えるため光を放射するのである。
しかしこれまでの論考で私は、光の放射は粒子が光速に達した時で、それが光の真実であることを断言し力説して来たわけだが、残念ながら証明したわけではない。従って以下では、電子が光速に達すると何故どのように光を放射し、その姿かたちがどうなっているのかを定量的に論証し明晰化して行く仕事に取り組む必要がある。
前記したように、電子が定常状態の軌道から落下する際、光速に達する時間の逆数が、水素原子の線スペクトルの振動数に近似していることが分かった。また水素原子核の周りの定常状態の軌道を回転する電子が、光速に近い速さで回転しているが、光速を超えることがないことも分かった。 これらの結果をどのように捉えるかは、いろいろ考えられるが、私は最終的に以下の仮説を提案することになる。 <仮説1>未知なる粒子が光速に達した時、累積されたエネルギーは相転移を生じ“量子ゆらぎ”として宇宙空間に放射し光速で伝播する。そしてその値はプランク単位系の量子エネルギーに一致し、大きさは未知なる粒子と同一である。放射後未知なる粒子の累積エネルギーはゼロとなる。 即ち、光を放射する原因を考えた際、すべてをうまく説明するには、この仮説以外あり得なかったのである。さっそく未知なる粒子が光速に達した時のエネルギーの値を計算してみよう。 累積エネルギーは m・v2 であるから m・v2 =7.372x10−51(Kg)x(2.998x108)2(m/sec)2 =6.626x10−34(J) 確かに、粒子が光速に達した時その累積エネルギーは量子エネルギーの値と完全に一致する。このことは、本仮説の正しさを証明する有利な証拠である。また、仮説1により、これまで曖昧であった輻射エネルギーの放射原理を物理的、定量的に明確化している。更に、粒子が光速を超えられない理由、電子が定常状態で回転し加速度運動していても速度は変化せず一定であるから光速を超えることがなく、原子内の定常状態の軌道を回転している電子が輻射エネルギーを放射しない物理的理由も自明となる。
我々は、重量が非常に厳格であることを歴史的事実から学んできている。例えば、18世紀の科学者が、原子や分子の存在を明晰化する際、様々な化学変化に対し重量には正確な規則性があることに気付き、その方面から研究を続け成功したことなどがあげられる。また「質量不変の法則」は、核分裂により輻射エネルギーに転化しない限り絶対的に信頼できるものである。本書でも10章で、原子内での未知なる粒子間の距離と粒子の大きさの比が1016 ということを述べた。即ち重量は既存の科学技術では計り知れない程厳格であると考えているので、その方面から考察することにする。 <仮説2> 電子は未知なる粒子から成る構造物である。未知なる粒子の総数は、電子の質量を未知なる粒子の質量で割ることで、容易に算出できる。(ここでは、電子の内部構造までは立ち入らない) <num> = Me/Mu <num>:未知なる粒子の総数。 Me:電子の質量。 Mu:未知なる粒子の質量。 =9.109x10−31(kg)/ 7.372x10−51(kg) =1.236x1020 (個)
これはこれで正しいのである。しかし本論では、この解釈を仮説3のように捉えるべきであると考えた。 <仮説3> 任意のエネルギー準位に相当する回転軌道より、そのエネルギー準位に該当する振動数が一つ少ない軌道に落下するとき、電子の速度は光速に達する。 (即ち、ボーアの振動数条件を別の角度から解釈すると、仮説3が得られる) これを未知なる粒子の観点から考察していくことにしよう。この際、同一軌道を回転しているときは、光を全く放射しないのであるから、中心方向への落下速度だけを考慮すればよい。 (1)エネルギー準位差 ボーアの量子条件より、電子の回転軌道は飛び飛びの値であることが証明された。またある軌道から別の軌道へ落下する際、その軌道間のエネルギーの差に相当する振動数の線スペクトルが放射されることも実証された。 例えば、軌道番号n=3からn=2に落下する際は、そのエネルギー準位は n=2:−5.455x10−19 js n=3:−2.422x10−19 js であるから、その差は ΔE=3.033x10−19 この値を量子エネルギー:Eu=6.625x10−34 で割ると、 f= 3.033/6.625 10−19+34 =0.457x1015 となり、この値は明らかに水素原子のバルマー系列の線スペクトルの記号Hβと一致している。このことは、電子が1量子エネルギーに相当する分落下すると、その位置エネルギーを失った分累積エネルギーが増加し振動数1の光を放射すると解釈することもできる。 (2)光の構成要素 また未知なる粒子が加速され速度を増し、その累積エネルギーが量子エネルギーに達した時「量子ゆらぎ」を一つ放射することを、仮説1で明示した。そして電子は、仮説2から約1020個の未知なる粒子の構成物であるから、電子は1020個の量子ゆらぎを一つの束として放射することになる。そして電子がn=2の軌道に落下するまでの時間、振動数が 0.457x1015の光波を放射し、それが光の線スペクトルとして観測されるのである。
最後にこれまで述べてきた光に関する新しい知識とその内容を列挙しておこう。 @ 未知なる粒子が絶対空間に対し光速に達すると、その粒子が内在する累積エネルギーが、量子エネルギーに一致する。 A その時、累積エネルギーは相転移を生じ「量子ゆらぎ」と成って宇宙空間に放射される。同時に未知なる粒子の累積エネルギーはゼロとなり、絶対静止状態になる。また「量子ゆらぎ」の大きさは、未知なる粒子と同一である。 B 原子核の周りを回転する電子は、任意の定常状態から別の定常状態に落下する際速度を増す。 C その時、エネルギー準位にして1量子エネルギーだけ落下すると電子の速度は光速に達する。 D 電子は、約1兆の1億倍の未知なる粒子より構成されている。 E 電子が光速に達すると電子を構成する各未知なる粒子も光速に達する。 F その際、光速に達する毎に各未知なる粒子は一斉に「量子ゆらぎ」を宇宙空間に一つの束として放射する。 G 一つの束は、1兆の1億倍の「量子ゆらぎ」より構成されている。 H 定常状態の軌道間のエネルギー準位の差に相当する振動数の光波が、落下が終了するまでの時間だけ放射される。 I 例えば、振動数1億の光波とは1秒間に1億の束が同間隔で空間を伝播している。 J 束と束の間隔が光の波長で、線スペクトルとして観測される。 K 1本の光線の断面積は、ほぼ完全に電子の大きさ(陽子の半径の約1/10〜1/100)と同一である。 以上が「光の正体」と言われるものである。この内容を拠りどころに、これまで謎に包まれていた光の姿をより明晰化することが可能となるだろう。我々は光に関する詳細なデータを物理的、定量的に捉えて観察可能な手段を漸く手に入れることが出来たのである。しかし、光に関してはまだまだ未知なる謎が山積しており、本論考で得られた新知識は、ほんの一部でしかない。だが現代科学と比較したなら、確実に一歩前に踏み出したといえる。
(1)スネルの法則 |
そして、現代科学ではこの現象に対し次のように解釈されている。「水中の電子にニュートリノなどの粒子が衝突すると電子は加速され水中内の光速を超える。しかし光速を超えることは出来ないため電子は減速する。その減速し運動エネルギーを失った分、輻射エネルギーとして空間に放射する」。しかしこの解釈が正かどうかは定かではない。 この現象を本論から解釈すると次のようになる。 (1)媒質によりエネルギーは失われない。 前記したように光線が真空中からガラスに入射し、再度真空中に出てきたとき、光線のエネルギーは失われていない。それと同様、媒質内を運動する微小粒子の持つ累積エネルギーも媒質内を通過する際、媒質を構成する粒子と衝突しない限りエネルギーが失われることはない。このことは媒質内と真空中との振動数が同一であることからも明らかである。 (2)速度が増しても質量は増加しない。 媒質内の電子が媒質内(水中)での光速に達しても、電子の運動エネルギーは増加するが質量が増加したり無限大に達することはない。仮に電子の質量が無限大になったら実験装置を容易に破壊するだろう。この事実は特殊相対性理論にとって不利な証拠である。 (3)媒質内を運動する粒子の速度は、媒質内のエーテル大気の密度に依存する。 媒質内では真空中に較べエーテル大気が疎に成っていることは述べた。そのため媒質内では真空中より光の速度が遅くなる。それと同様、粒子(電子)も媒質内の光速を超えられない。 (4)媒質内を運動する粒子(電子)が媒質内の光速に達した時、その粒子の内在する累積エネルギーは、光の場合と同様、真空中で光速に達した時と同一である。 したがって、媒質内の光速に達した粒子を構成する各未知なる粒子の累積エネルギーは、真空中を光速に達した時の累積エネルギーと同一で、かつ量子エネルギーと一致している。 (5)未知なる粒子の累積エネルギーが量子エネルギーに達した時「量子ゆらぎ」を放射するのであるから、粒子(電子)が媒質内の光速(正確には1秒での最大振動数)に達した時、その粒子を構成する各未知なる粒子は一斉に「量子ゆらぎ」を放射する。それが光として感知されるのである。 以上が水中内の電子が媒質内の光速より速くなったとき光が放射される理由である。これがチェレンコフ放射と呼ばれるものである。 <明確な証拠> このチェレンコフ放射は、媒質は異なるとはいえ、粒子が光速に達すると光を放射することを明確に示している。これは本論の正しさを立証したものであって極めて有利な証拠である。 {追記}:光の放射に対し、正式には光速に達した時であるというのは誤りではないが正しくもなく、正確には「伝播する媒質に関係なく光の振動数が最大振動数 ν=3.701x1042 に達した時」であると解釈する方が正しい。
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即ち、その当時光はエーテルを伝わる波であると認識されていたので、波動論から説明すると、金属面に光を当てると金属内の電子の運動エネルギーが増加する。そのエネルギーがある限界に達すると電子は金属面から飛び出すと考えられる。この考えからすると、照射の量が多いいほど電子の飛び出す量も多くなることは理解できるが、電子の運動エネルギーが振動数のみに依存してることの説明が出来ない。波動論からは、この現象を説明することは困難であった。 1905年アインシュタインは、光量子仮説を提唱することにより光電効果の現象を解明することに成功する。彼はそれまでの光の波動論は認めつつ、光はエネルギー:E=hν、を持つ光子でもあるというのである。そうすることで確かに上記の現象をすべてうまく説明できる。即ち光子のエネルギーは振動数に比例してるのであるから、振動数の大きい光子が電子に当たったときは、飛び出してくる電子の運動エネルギーも大きくなる。照射する量が多ければ、飛び出してくる電子の量も多くなり現象結果を矛盾なく説明できる。 <光電効果に関するアインシュタインの方程式> アインシュタインは光が E=hν の光子であると仮定したのであるから、飛び出してくる電子の運動エネルギーは次式で与えられる。 hν=W1+W2+Ve ここでW1:電子を原子から引き離す仕事、W2:金属面から電子を放出するのに必要な仕事、Ve:飛び出した電子の運動エネルギー。 金属内の自由電子はW1=0であるから方程式は、 hν=W2+Ve この式から、hν<W2 であるときは、電子は金属表面から飛び出すことが出来ない。 <本書の光理論からの見解> アインシュタインの光量子仮説では、「光は波でもあり粒子でもある」と捉えることにより光電効果の様々な現象を説明でき、現在では正しいとして一般的にも公認されている。しかし光子に関しては曖昧な点も幾つか存在する。例えばその姿、形、大きさなどが全く不明であること、また振動数により光子のエネルギーが異なればその姿、大きさも異なるはずであるが、その点には全く触れていない。光線を取り扱う際にも一本の光線の具体的数値などは全く未知のままである。 本書の光理論では、「光とは一兆の一億倍の量子ゆらぎの束である」ことを論証した。また「量子ゆらぎ」とはエーテル大気を媒体とし伝播する波であると主張している。即ち光とは明確に波であり粒子ではないのである。 そして量子ゆらぎの一つの束が、1秒間に通過する個数が光の振動数として観測され、束と束の間隔が波長として測定されているのであると説明している。 従って光電効果で用いた一つの光子の真の姿とは、当光理論では次のように捉えている。光子とは単位時間に通過する束の個数すべてを含んだものである。例えば振動数100の光子とは、単位時間に100個の束が金属内の電子に衝突することを意味する。そして振動数1000の光子とは1000個の束が衝突することである。従って振動数が同一ならば飛び出す電子の速度も同じであって、またその電子の運動エネルギーも振動数に比例するのは当然である。即ち光電効果の現象を矛盾なく説明できる。更に一つの束の大きさは電子のそれと同一であることを明言している。以上が現在光子と呼ばれる言葉の正しい解釈である。このことは既存の科学知識では絶対解くことが出来ない、新しくて正しい光の姿である。
そこでコンプトンは次のように解釈した。「入射X線が粒子として電子に衝突したと考えれば説明がつく。」つまり、粒子X線が電子に衝突し、跳ね飛ばされた電子と、散乱X線粒子に分かれるのである。この解釈により、上記の光子と同様X線も粒子の性質を持つことが確実となり、現在でもこの説が主流となっている。 <本書の光理論からの見解> 前記したように当光理論からすると、この現象は無理やりX線を粒子であると見なさなくとも全く問題なく説明できる。即ち、エネルギー E=h・$\nu$ の入射X線が電子に衝突した時、当理論によると$\nu$個の束が電子に衝突する。その時1/4・$\nu$個が電子に直接ぶつかり反跳電子の運動エネルギーに転換したとする。すると散乱されたX線のエネルギーは減少し E=3/4・$\nu$ となり振動数が小さくなることが容易に理解できる。以上より、入射X線も散乱X線も振動数が異なっているとはいえ確実に光波であって、物質粒子などではないのである。ゆえにコンプトンが考えたX線が粒子でもあるという主張は完全に誤りである。 |
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