目次、記録 宇宙の真理  再現性の法則 宇宙の大気 大自然の秘密 古代ギリシャ哲学 エーテル仮説 マイケルソンの実験
分割/不分割の問題 熱力学  エントロピー 空洞輻射 プランクの公式 公理系 次元と単位 重力定数の研究
未知なる粒子  プランク単位系  ボルツマン定数  重力 光の転生 電気素量の算出 ボーアの原子理論 光の正体
ビッグバンの困難  相対性理論の誤解  元素の周期律表  一歩進んだ宇宙論 電磁気の歩み 電磁気基礎知識 マクスウェル方程式 電磁波は実在しない
回転軌道の法則  赤方偏移の真実 周期律表の探究  周期律表正しい解釈  真偽まだらな量子力学 波動 宇宙パワー 
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電気力の原理
重力と電気力の比較
電気素量の発見
電気素量の算出 
複合粒子への進化 

10、4 電気力の不思議 

   本書では、現在正しいだろうと一般的には公認されているアインシュタインの重力理論とは、全く異なった観点からその真実を論考してきた。即ち時空のひずみとか重力子のようなものは実在しないことを明言している。そしてこの重力の問題はエーテル大気の圧力と、プランクの量子単位系および未知なる粒子の数値などから理論を構築すること以外、その真実を解明することは不可能であることを説明してきた。
 また前述したごとく、当重力理論における数多くの首尾一貫性のある理論や数値群の整合性が完全に保たれることから、本論考が正しいことは明白である。しかし、新理論には必ず付き物の不明な点、奇異な点も複数存在することも確かである。そのため現在、当重力理論を正しいと認める者はほとんどいない。それが極めて残念なことである。だがこれまで述べてきた多くの科学的根拠から「正しいものは、あくまでも正しいのである」という判断と信念にも基ずいて、以下の議論を展開していくことにしよう。そのことにより筆者自身予想もしなかった電気力や電気素量の驚くべき真実の世界を知ることになる。

<追記>:近年、重力波が発見されたことが正式に公表されていますが、これは単なる錯覚から生じた誤解にすぎません。正しくは「時空のひずみ」なのではなく、「エーテル大気のひずみ」と解釈した方がより正しくかつ自然なのです。(2017年3月)
 

10、4、1 ピエルクネス(1825〜1903)の実験 

 電気力には正と負の電荷が存在することは、現在ではよく知られている。また電子がマイナスの電荷をもち、陽子がプラスの電荷を持ち各力の強さが電気素量であり、その整数倍のみしか空間には実在しないことも知られている。しかし、電荷が何故存在するのか、力の強さの単位が何故電気素量なのか、またその整数倍なのかを現在科学では全く分かっていない。その糸口さえ掴めていないのである。
 科学史を遡ってみると色々な実験家が存在するのに驚かされる。ノルウェー生まれのピエルクネスは1881年、次のような実験を行い世の中の人を驚かせた。  弾性物質(ゴムの様なもの)で出来た球状の物体(実際は円筒型であった)の表面の一部に細長い管の一端をつなぎ、もう一端からは空気の吸引が出来るようにし、空気の圧力を調節することにより、球の拡大/縮小が自由にできる物を製作した。そのような道具を2つ用意し、水中に沈めて一定の距離をおいて固定する。管の一端は空気中にだし、そこから空気の出し入れをおこない球の縮小拡大が自由にできる。
 二つの球を同時に拡大し、また同時に縮小する操作を繰り返すと球同士は反発する方向に力を受ける。そして1つは拡大/縮小し、同時にもう一方は縮小/拡大するという操作を繰り返すと、球同士が接近する方向に力を受けることが分かった。そして、その力の作用は距離の二乗に反比例するのである。その後、空気中においても同じような実験を繰り返し同一の結果を得た。
 何故球同士の間の空間でこのような引力や斥力が生ずるかの原因を推察するのはそれ程難しいことではない。水中(または空気中)における平均圧力をゼロ(0)と定義するとしよう。球を縮小した際は球の周りの水は中心に向かい水圧が低くなる(マイナス)。逆に球を拡大した際は球の周りの水圧は高くなる(プラス)。その高低になった水圧が水中を伝播する。
 水圧が高い部分と低い部分とが衝突すると、安定した状態即ち圧力がゼロになる方向に水が移動するので互いに引き合う。水圧がプラスとプラス、またはマイナスとマイナスが衝突した際はその場所の水圧がゼロになる方向に水が移動するため互いに反発しあうのである。
 この現象はまさに電気力の現象と酷似したものであり電磁気などの現象を説明するには重要な根拠付けとなるものであった。とは言え定量的に完全に説明したものではなく、またその当時はエーテルの存在を認める者と、そんなものは存在しないと主張する者とが混在しており意見の相違も大きかったため、この実験は電気現象に対する補助的仮説を提唱した以上には発展しなかった。その後エーテルの存在が否定されこの実験に関しては殆ど語られなくなる。 
 しかし本書では、この実験は宇宙真理の一面を提示していることは明らかであると判断し、復活することにした。

10、4、2 電気力の原理 

 当重力理論においては、10.2 光の転生 で述べたように、未知なる粒子とは宇宙空間のエーテル大気の圧力と、粒子内部の量子ゆらぎの振動圧力とが均等に釣り合った状態であるということを説明した。そして量子ゆらぎはエネルギーを有しているのであるから静止していることはなく激しく変光星(ある一定の周期で明るくなったり暗くなったりする恒星。周期の長さが同じなら光度も同じなので、太陽と銀河の距離の測定に利用される)のように周期的に膨張/収縮を繰り返しているはずである。したがって粒子が収縮した時は周りの圧力は低く(マイナス)なり、膨張した時は高く(プラス)なる。そしてその1周期は量子単位時間(tu)であると仮定してよいだろう。
 また本書ではエーテル大気が実在することを肯定しており、エーテルの圧力と釣り合った状態を0と定義した場合、前記のピエルクネスの実験を類推して考察することができる。 即ち、電子とは1020個の未知なる粒子が何らかの力関係により集結し、エーテル圧力の低い部分ができた空間であると仮定するのは決して無理な発想ではない。


              図:10−4: 電気力の原理





 図について説明すると、図A1とA2は粒子の周りのエーテル大気の圧力が高い粒子同士が衝突した場合で、粒子同士は重なった領域の圧力がゼロ(安定状態)になるよう力が作用するので反発する。図B1とB2は圧力が低い場合で、この場合も粒子同士は反発する。図C1とC2は圧力が高い粒子と低い粒子とが接近した場合で、この時は重なった領域がゼロ(安定状態)になるには粒子同士が接近する方向に移動する。

10、5 重力と電気力の比較 

 重力と電気力の比較に関して説明した書物は沢山ある。多くの書物では、電子と電子、陽子と電子などの電荷を有する粒子同士の力の比較がなされている。本書では電子と電子に関して大変興味深い数値とその物理的意味を認識できたのでその場合に関してのみ説明する。他の粒子同士の結果に関してはあまり興味を持てる数値は見られなかった。
(1) 必要な定数と関連データ 
 重力定数:G=6.673x10−11 (m・kg−1・s−2
 電気素量: e=1.602x10−19 (C)
 電子の静止質量: me=9.109x10−31 (kg)
 未知なる粒子の質量: mu=7.372x10−51 (kg)
 未知なる粒子の直径: Lu=8.101x10−35 (m) 
 量子エネルギー:Eu=6.625x10−34 (J)
 真空中の誘電率:ε=8.854x10−12 (F・m−1
 電子の未知なる粒子の数:<num>e =1.236x1020 (個)
 1秒に対する最大振動数:max($\nu_s$)=3.701x1042 (回)
(2) 算出方法
 電子と電子が距離=r を隔てておかれた場合、電荷に関しては電気力、質量に関しては重力が働く。それぞれの力の方程式を書くと次のようになる。
電子と電子の質量の間に働く重力Fgは、
 Fg=G・me・me / r  。
  =6.673x10−11・(9.109x10−31(1/r ) 
  =5.537x10−71 (1/r )N(ニュートン)  
電荷同志に働く電気力Feは、
 Fe=(1/4$\pi$ε)(e / r
  =(1/4・3.141・8.854x10−12)・(1.602x10−19(1/r) 
  =2.308x10−28(1/r )N(ニュートン) 。
よって、その力の比は、
 Fe / Fg = 4.168x1042 。
(3) 結果と考察 
 以上のように、電気力と重力の比が算出されたわけだが、この結果の数値はどこかで見たような値ではないだろうか。そうこの値はプランク量子単位系における1秒に相当する量子時間max($\nu_s$)の値と10の指数が完全に一致している。
ただし数値は3.701と4.168で多少異なるが、この相異は1042回の振動の総数の誤差であるから、1回の誤差は限りなくゼロに近いと見てよい。即ち未知なる粒子の振動1回の電気力と重力による引力とは完全に一致しているのである。
 このことは物理的にどのような意味を含んでいるのであろうか。そのことを次に考えていこう。

10、6 電気素量の論理的算出 

10、6.1 電気素量の発見 

   物体を擦ることにより物体同志が反発したり引き合ったりすることから、電気にはプラスとマイナスがあるのではないかということは古くから知られていた。オランダのミッシェンブルクは1746年電気を蓄積できる最初の蓄電器を製作した。彼が所属していた大学の名をとってライデン瓶として知られている。またガルヴァーニはカエルの足が二種類の異なった金属で接触すると痙攣を起こすことを発見した。ヴォルタはガルヴァーニの発見をさらに進展させ、二種類の金属の間に湿ったものを挟むと電気が取り出せることを示した。そしてこの現象は、「それぞれの金属は単なる伝導体ではなく電気の素(電気素量)を持った発生体である」と主張する。そしてヴォルタの電堆と呼ばれる電池を発明した。
(1)ファラデーの実験 
 このような電池が発明されると様々な実験が行われる。水の中に陽極(アノード)と陰極(カソード)とを距離をおいて浸し、電気を流すと水素ガスと酸素ガスが発生することが分かってきた。これが水の電気分解である。ファラデーは水以外にいろいろな溶媒を変えることで、同一の電気量(同一電圧、同一時間)で電極に生成する分子の量の比が2:3とか1:2のような整数比になることに気が付いた。このことから電荷には最小単位の電気素量があると察しファラデは次の法則を主張する。
 電気分解で生ずる物質の量は、流した電気量に比例する。また、その電気量は物質の種類によらず一定である。即ち物体Yの生成した分子の数が3の時その分子の持つ電気の素がyなら 3・y=一定。物体Zの生成した分子の数が1の時Zの分子の持つ電気の素がzなら 1・z=一定。したがって z=3・y という簡単な整数比になる。この法則は電気の素が存在することを示唆するものであった。
(2)トムソンの測定 
 5、3電子 の節で記したようにJ.J.トムソンの実験により、荷電粒子(電子)の電荷eと 質量mの比が測定される。また電気分解の際一価イオンの分子が1モル生成するに要する電気量の測定などから、例えば水素原子1モルに対する必要な電気量は96500 C(クーロン)であり、その値をアボガドロ数6.022x1023で割ると 1.60 x10−19 Cを得る。
(3)ミリカンの油滴実験 
 1909年にロバート・ミルカンが電子の電気素量を測定するために行った実験である。二枚の電極版の中間に電荷を帯びた油滴を霧吹きで送りだし、電極間の電場を調整することで油滴を静止させ、そこから電荷の量を確定しようとした実験である。  現在では非常に精密な数値が測定されている。  電気素量: e=1.602176462 x10−19(C)
 

10、6、2 電気素量の算出  

   電気素量の数値に関しては現在では多くの実験により非常に精度の高い測定値が得られている。しかしその数値が何故その数値になり、どのような物理的真意があり、論理的にその数値を導くことができるのか、またその方法などを記載した書物は皆無である。何故、皆無なのだろうか。それは現代科学の知識だけではこの点に関して全く解明不可能で、想像すら出来ない最も困難な未解決問題の一つであるためである。本書では、その点に関して論考して行こう。
 上記「10.5 電気力と重力の比較」から1量子時間における1回の振動圧力と、重力とが完全に一致した値であることが分かった。この一致は物理的にどのような意味を含んでいるのだろうか。私はこのことに気付いた瞬間、そこには重大な宇宙真理の核心部分が隠されているに違いないと感じた。以上の結果をどのように分析し解釈するかは色々あるだろうが、試行錯誤の末次のような見解が最も妥当であろうという結論に到達した。
 本書の重力理論においては、未知なる粒子とは内部の量子ゆらぎの1回の振動圧力と宇宙のエーテル大気の圧力とが釣り合った状態であることを何度も説明してきた。そして量子ゆらぎは1秒間にmax($\nu_s$)回振動しており、電子は未知なる粒子が<num>e個より構成されたものであることも説明してきた。したがってこの理論からすると、電子の電気素量とは未知なる粒子の振動圧力に振動数max($\nu_s$)と粒子数<num>eを掛けた値に等しくなければならないと予測できるのである。この予測が正しければこれまで主張してきた未知なる粒子の存在とその特性が単なる偶然でないことの有力な証拠となる。そのことを次に調べてみよう。
(1)未知なる粒子の振動1回の電気素量 
  未知なる粒子は内部で量子ゆらぎが量子時間を周期として振動していることは既にのべた。そしてこの1回の振動圧力を「未知なる粒子の振動力による電気力をFj」とすると、このFjと未知なる粒子同士の重力による引力とは前記したように同値であるから、未知なる粒子同士の重力方程式は
Fu = G・(mu) / r =Fj 
となる。この値Fj が未知なる粒子同士が及ぼす振動圧力(電気力)による引力または斥力である。
 ここで、未知なる粒子1個の電気素量を ej とすると、 Fj=1/4$\pi$ε ・(ej/r)。
 よって ej =4$\pi$ε・G・mu
(2)電荷と振動数の関係 
 一方未知なる粒子の内部では「量子ゆらぎ」が振動しており、その振動回数は1秒にmax($\nu_s$) = 3.701x1042 回である。よって、1個の未知なる粒子同士が1秒間に生ずる電気力をFxとすると次式で与えられる。
 Fx = Fj ・max($\nu_s$) 
(3)質量と振動数の関係 
 また電子の質量は未知なる粒子の<num>e 倍である。 
これより、me = mu ・<num>e 
量子単位系より演繹的に求める電気素量をex と置くと、次の等式が成立する。
 (ex2 /4$\pi$ε )・(1/r2 ) = G・max($\nu_s$)・ (mu・<num>e )2 (1/r
この式を整理して 演繹的に求める電気素量は 
ex = 4$\pi$ε ・G・max($\nu_s$)・(mu・<num>e )2  となる。
この式を計算して
 ex  = {7.423x10−21 ・3.701x10421/2 ・(7.372x10−51)(1.236x1020) 
 =1.5034x10−19 (C)  となる。
<結論>
 以上、求めた結果が、未知なる粒子と量子単位系の数値から演繹的に算出した電子の電気素量である。実測値の値(1.602x10−19)と約0.1x10−19 の相違があるが、この誤差は電子を構成する未知なる粒子の数が精密には実測不能であるため生じたものと思われる。
 この結果から、最初に予測した通りの数値を得ることができた。即ち電気素量とは未知なる粒子の振動圧力に1秒間に振動する数max($\nu_s$)と、電子を構成する未知なる粒子の数(<num>e)を掛けた値から論理的に算出可能であることが明確化された。そして、未知なる粒子同士の重力方程式の強さから論理的に電気素量の値が算出できるということであり、そのことを証明したことになる。以上の論考が正しいと認められたなら、(私は当然正しいと確信しているが)、このことは筆者自ら述べるのも気が引けるのであるが、エルスデッドが電気と磁気とが互いに相互作用を及ぼし合うことを発見したのに匹敵するに値する発見ではないだろうか。即ち、重力と電気力とは相互に作用を及ぼし合っていることである。 またニュートン力学が「未知なる粒子」のような量子の世界でも確実に成立していることを意味している。そして近年ではニュートン力学が量子の世界では成立しないと主張する理論家もふえてきているが、その主張は誤りであることを明確に示している。
 電気素量に関しては、実測された数値は今日まで数多くの実験家により非常に正確な測定がなされてきた。しかしそれが何故その数値になるのか、またその整数倍しか実在できないのか、物理的にどう意味がありどのように説明したらよいのかなど、現在までの科学では全く見当もつかない状態であった。
 そのような暗闇の未解決問題に対し、本論考がわずかながら日の光を照らせたことを幸運だと感じている。もし現在公認されているプランク単位系(本書では第2のプランク単位と呼んでいる)を用いていたら永久にこの問題は解決不可能であっただろう。
 したがって以上の論考から、9.4節で記載したプランク量子単位系が真に正しい数値であるという強力な証明であると認識してよいのではないか。まだ生まれたての理論なので幾つかの疑問、欠陥も残されているが一つひとつクリアーされていくだろう。


10、7 複合粒子への進化 

 本章では未知なる粒子の数値から重力理論を詳細に展開してきたわけだが、その中で我々の宇宙空間に存在する粒子はこの未知なる粒子だけで、それ以外は存在しないことを論証した。即ち陽子とか電子などの素粒子などは皆この未知なる粒子の構造物であることを主張してきた。  またこれまで長々と本書で記載してきた重力理論は、複数の理論の間で互いに首尾一貫性があり、その理論体系が完全に保たれていることおよび、複数の数値の整合性が完全に合致していることなどからその信憑性はかなり高いと評価してよいだろう。
 しかし、これから述べる事柄に関しては、その科学的根拠が乏しいため読者は正しいとも間違っているとも思わないでもらいたい。
(1) 複数の未知なる粒子はどのように結合されているのか。
 現代宇宙論では、未解決課題としてダークマターとかダークエネルギーなどが話題になっている。本書ではビッグバン・モデルを完全に否定しているので空間が膨張している原因であるダークエネルギーなどは実在しないと明言している。しかしダークマターに関しては様々な観測事実からかなり正しいと判断できる。そしてその原因の一つは、これまで実在しているであろうことを説明してきた「未知なる粒子」であると推察している。
 そこで、次に未知なる粒子同士がどのように連結され、様々な素粒子(ニュートリノ、電子など)を形成しているかを推論していくことにしよう。 ただしこれからの記述は、根拠の薄い想像の箇所が多いので深くは立ち入らない。
@ 重力による結合 
 まず二つの未知なる粒子が距離を隔てて宇宙空間に存在し、他の力はいっさい作用しない理想的な状態を考えよう。この際粒子同士は互いの重力によって接近するはずである。そして粒子の表面上の重力の値は光速値であるから、地球上の重力と同値になる位置の、粒子の中心からの半径を計算すると次のようになる。
 地球上の重力 = 重力定数G・粒子の質量・(1/半径) 。
 r = (G/g)・mu  。
 r = (6.673x10―11 / 9.81)・7.372x10−51 
    = 5.015x10−62 
 r= 2.24x10−31 (m)
以上の計算結果から、未知なる粒子の作る重力場の値が地球表面の重力加速度と同一になる半径が分かった。この値は粒子半径の約1万倍に相当する。このような粒子同士が接近してくると、速度を増しながら光速を超え激突し破壊することは明らかである。
A 電気力による結合 
次に電気力の場合はどうなるかを考察しよう。
当論考では電気力とは粒子の振動によるエーテル圧力の強弱に相違ないと、前述した多くの科学的根拠から確信しているのでその視点から考察することになる。
この場合は、エーテル圧力の高い同志または低い同志がぶつかった際は反発し合い、高い部分と低い部分がぶつかったときは引き合うことは既に説明した。未知なる粒子同士が互いに遠方に離れているときは、エーテル圧力のプラスとマイナス部分が消し合って電気力は殆ど作用せず重力のみが作用する。したがって粒子同士は徐々に接近してくる。ある程度接近してくると重力に比べ電気力同志の作用の方が優勢となる。そしてエーテル圧力の高低の周期は1量子時間(10−42秒)という極小の時間で繰り替えされている。そのためある瞬間には粒子同士は接近しあい、次の瞬間には反発しあうよう動作を繰り替えしている。丁度見えないバネで結ばれているかの如く粒子同士は連結し安定した複合粒子へと進化していくのである。
(2) 電荷はプラスとマイナスがどのように分離されるのだろうか。
 結論から言うと「全く見当もつかない謎である。10歩も100歩も先の何故である」
現在最先端理論と呼ばれる量子力学、量子電磁気理論、素粒子物理学などいろいろ調べたが、私の求める回答は残念ながら皆無であった。現代科学では何故プラスの粒子とマイナスの粒子に分離されたかは全く未知の世界なのである。しかしその中でも一つだけ参考になった考えがあったのでそのことを説明しておこう。
 ある広間に白い椅子が5個と黒い椅子が5個、一つ置きに円形に並べられていた。広間には男性5人女性5人がおり、椅子に座る際は必ず女性と男性が交互でなければならないという規則があったとする。即ち男性同士または女性同士が並ぶことが禁止されていた。
 最初にある一人の女性が白い椅子に腰かけたとしよう。その女性の隣には男性が座らなければならない。それを繰り返していくと白い椅子には必ず女性が座ることになり、黒い椅子には必ず男性が座ることになる。即ち最初の一人が何色の椅子に座るかで、他の全員が何色の椅子に座るかが決定するのである。そして白の椅子に女性全員が座った場合をプラス、黒の椅子に女性全員が座った場合をマイナスとみなすと電荷にプラスとマイナスの二種類ある理由を説明できる。
 

10、8 根本思想 

 「宇宙は無限に広いのか有限なのか、始めがあり終わりも来るのか、もし始めが有るなら始まる前はどうだったのか」など。 このような疑問は誰でも一度くらいは考えたことがあるのではないか。宇宙創造の回答には色々な説が有る様だが、本書ではあまり深く立ち入らないことにする。何故なら一つとして正しそうな説がないし、私自身思いつかないし想像もできないからである。
 しかし、現実の宇宙の構成要素、根本原理、根本法則がどうなっているのかに関しては大変興味がある。また信頼できる多くの観測結果も存在する。そこでこの視点から宇宙の謎を探究していくことにしよう。
 宇宙の構造を論ずるに当たり、本書では多くの側面から考察し論述してきた。古代ギリシャ哲学の宇宙観から始まり、近世のエーテル仮説、エーテル大気の存在、二つの暗箱、分割/不分割問題、エントロピーの増大、重力定数の解明、量子単位系など、複数の課題と取り組みこれまでの科学ではとても解明不可能な宇宙の真実とその数値を明確化してきた。
 その中でも、私が最も重視しているのは「我々の宇宙は、何故これほどまでに安定し、秩序正しいのか?」という言葉である。惑星内、恒星内といった局所空間から捉えた場合は、色々変化に富んでおり安定しているとは言えないのだが、宇宙全体を見渡した場合非常に安定しているのである。
 例えば、1億光年、10億光年遠方の星から発する光の線スペクトルが完全に同一であることなどがある。この事実は明らかに、宇宙は方向、距離、時代に拠らず不変であり、また物質原子が全宇宙に亘り同一であることを示している。これほど広い空間ならば全く異なった原子が存在していたり、光の速度が異なる空間があってもよさそうなものだが、その様な形跡は全くない。
 また、現代科学は幾つかの普遍定数なるものを発見し、その数値も精密に測定されている。重力定数、光速、プランク定数、ボルツマン定数など。これらの普遍定数も、時代、方向、距離に拠らず宇宙の如何なる場所、如何なる時代においても不変であり、変化があったという証拠は全く無い。
 そしてこれらの普遍定数は宇宙の根底で互いに関連し連結されており、仮にある一つの定数に異変が生ずると、関連する定数が連動して変動し、たちまち互の力の関係が崩れ、宇宙の壊滅に向かって進むことになる。現実には100億年以上これらの普遍定数は不変であったことを示しており、宇宙が壊滅に向かっているという兆候は全くなく、宇宙の安定度が計り知れなく強力なものであることを物語っている。

10、8、1 安定の法則 
 それでは、宇宙は何故これほどまでに安定しているのかその原因を考えて行くことにしよう。
 自然界の様々な物や現象には、柔らかく壊れ易い物、堅固で壊れにくい物、変化の激しいもの、殆んど変化のないものなどいろいろである。例えば土でできた塊より、岩でできた塊の方がその形を長く保つことができより安定している。また池や湖に溜まった水より、川や滝を流れる水の方が変化が激しい。何故自然界にはこのような規則性が存在するのだろうか? その原因は宇宙の根底では大自然を支える根本的な法則が存在し、その根本法則からすべての規則性が生じてくるからであると考えると理解しやすい。逆に自然界のすべての規則性はこの根本法則から説明できなければならない。それでは根本法則とは何か?
 我々の先人たちは、試行錯誤を繰り返し多くの自然法則を発見してきた。その中には広範囲の分野に適用可能な法則もあれば、ある一部の分野のみでしか適用出来ないものもある。どちらが根本法則かと比較した場合、当然広範囲で適用できる法則であると考えるのが自然だろう。歴史的にはケプラーの法則、ガリレオの慣性の法則などが根本法則と考えられる。更にこの二つの法則を基礎として構築されたニュートン力学、更に熱学の法則、電磁気学の法則へと発展していく。それではこれらの法則より更に根本的な法則は無いのだろうか。歴史を遡るとアルキメデスの梃子の原理に遭遇する。この原理は明らかに法則なのであるが慣習上原理と呼ばれている。またもともとは天秤として、4000年以上前にエジプトや中国で使用されていたことが知られている。このあたりに根本法則の鍵が隠されているのかも知れない。
 天秤は人の頭を中心に、左右に長さの等しい腕が延びた棒を想像し作られたとも言われる。頭の部分を支点とし、両端に同一重量、形状をした皿を吊るし、片方には測定すべき物体を載せ、もう一方には複数の重量の異なる分銅を載せ、釣り合いがとれ安定した時の分銅の総量から物体の重量を測定できる。この時、物体の質量をA、複数の分銅の質量をB、C、D とすると次式が成立する。
  A=B+C+D 、そしてB+C+D=Z とすると
  A=Z 、または A−Z=0 という恒等式が成立する。

 即ちこの状態は、外部から何ら作用がない限り永久に保たれ、完全なる安定状態にある。恒等式が成立している限りその空間は永久不変である。そしてこの恒等式が成立しない場合、A−Z=Δf (Δf ≠0) の時、その空間に変化が生じ、Δfが大きいほど、変化の度合いも激しくなる。
以上が本書でいう「安定の法則」である。(simple is best)
 馬鹿らしい程、当たり前のことに思えるが、この法則こそ我々の宇宙を支配している根本法則なのである。
 そして、安定の法則には二つの状態がある。
(1)静的安定 
 絶対空間に対し、絶対静止の粒子が存在するとき、その粒子は静的安定状態にあり、外部から何らかの作用が働かない限り、永久不変にその状態は維持される。そして外部から何らかの力が作用すると、その力の大きさと方向に従ってその粒子の位置に変化が生ずる。
(2)動的安定 
 絶対空間に対し、等速直線運動をしている粒子が存在するとき、その粒子は動的安定状態にあり、外部から何らかの作用が働かない限り、永久不変にその状態が維持される。そして外部から何らかの力が作用すると、その力の大きさと方向に従ってその粒子の運動に変化が生ずる。
(3)複数力の安定
 様々な方角から複数の力が働いた場合、それらの合計した値が等しくなった時(=0)、その状態は安定し宇宙に長く存在できる。

10、8、2 根本原理 
 「原理」という言葉の起源をたどると、ギリシャ時代の「アルケー」という語に由来する。これは物事の根源を指し、ラテン語ではプリンキピウムと翻訳され、それが日本語の「原理」として使われるようになったようである。
 自然科学の分野に於いて原理とは、ある理論体系の基礎をなすものであり、その原理を出発点とし全ての観測事実、現象を論理的に矛盾なく説明できなければならない。そして原理であるから、何故そのような原理が存在するかなどの科学的理由を必要としない一種の公理的なものである。
 前節で述べたように、自然界に存在する物体の多くは、硬い物ほど壊れにくく変化がない。また第4章のエーテル仮説で宇宙は弾性固体エーテルに似たような特性を持つと考えられていた。本書はこのエーテル仮説は正しい方向に進んでいたと考えているのでこの弾性固体エーテルの考えに与することとする。この弾性固体エーテルは絶対不動で極めて硬く弾性に富み、全空間に亘り均質である。
 そして本書の主題は「エーテル大気理論」であるから、
<<エーテル大気は弾性固体エーテルより成る>>・・・ 「奇異なる点:その4」
これが本書で言う根本原理である。従って自然界の総ての森羅万象は、この原理から矛盾なく説明できるし、出来なければならない。そして説明できない場合には三つの原因がある。
(1)既存知識が不完全である。
(2)当該理論や解釈が誤っている。
(3)根本原理そのものに欠陥があり修正が必要である。

   また、根本原理なのであるから、何故そうなのかという理由は必要としない。仮にその理由が説明可能となった時には、その根本原理は第二、第三の原理に格下げされることになる。自然科学における原理とはそういうものである。その点において数学の公理とは異なる。

10、8、3 根本要素 
 第九章 重力定数の研究で説明したように、我々の宇宙における物質やエネルギーは無限分割されず、最小単位であるプランク単位系(量子単位系)なるものがあることを述べた。またその得られた量子数から導出した「未知なる粒子」を発見した。
 本書では、この量子単位系と未知なる粒子こそ我々の宇宙を根底で支えている根本要素であると考えている。従って、時間も長さも質量も、この量子数の整数倍であり、連続的ではなく、ディジタル(離散的)に刻まれていることになる。そこから宇宙に実在する如何なる物質も、分割不可能な量子単位である「未知なる粒子」が複雑に連結され構成されたものであるという結論を得る。
**
 以上が本書で主張する三つの根本思想である。
そして、この三つの根本思想から、これまで謎に包まれていた宇宙の神秘の幾つかを、論理的、定量的に解明していくことが可能となる。そこから重力の謎、光の神秘に迫って行くことにしよう。 
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<注>
 読者の中には、上記の根本思想に対し、疑惑や反論を抱く人も少なくないだろう。それはそれで大変良いことだと思う。しかし単に反論するだけではなく、それでは宇宙の根本要素、法則、原理とは何かを再度考え直し、自らの意見を持ってもらいたい。何故なら読者が宇宙の根本思想などに深く興味を持ってもらうことが、本書の主旨でもあるのだから。根本思想が正しければ正しいほど、賢明な判断基準が培われ、現在流行りの面白くはあるが空想的な理論に惑わされることが少なくなるだろう。



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