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17、5 電磁波は実在しない 

 この章では筆者が最も記載したくないことを読者に報告しなければならない。なぜなら私のみならず多くの人が最も敬愛、崇高する二人の偉大なる科学者ファラデーとマックスウェルの考え違いを指摘しなければならないからである。
 本書では首尾一貫し、「光波とは電子が光速に達した瞬間、宇宙空間に電子内に累積されたエネルギーを輻射したものである」と主張してきた。この理論からすると、現代科学で公認されている電磁波(電場と磁場とが直角に交わり互いに誘導し合いながら光速で真空中を直進していくという説)とは真向から対立し二者択一で、どちらかが正しければどちらかが誤っていることになる。更に近年では電磁波は光子でもあるという粒子説まで正しいとされている。このことは現代科学は光に対し、ある動物を前から見たときは象だと言い、後ろから見たときは莫(バク)だと言ってるのと似ており、光の正体がよく分かっていないのに分かった振りをしているだけだと思われても仕方ない。
 それに反し当理論では、まず初めに未知なる始原粒子が光速に達したとき累積エネルギーが量子エネルギーに一致することを証明し、更に原子の定常状態の軌道を電子が回転運動をする際、光速を超えることがないことを証明した。そこから定常状態では光を放射できず回転を継続できるのだと説明している。そして、別の定常状態の軌道から他の軌道に電子が落下する際、光速に達する回数がその軌道間のエネルギーの振動数と完全に一致するこなどを証明した。この証明から電子が光速に達する毎に振動数1の光を放射しているのだと解釈できる。また前記したチェレンコフ放射のような現象から、電子の速度が媒質内の光速をこえたとき光を放射するという事実も当理論を正当化する力強い証拠である。
 このような様々な理由により当光理論が確実に正しいことは明らかであり、宇宙には電磁波など実在しないという確信を強めることになる。とはいえ尊敬する人の理論を否定するということはとても辛いことである。しかし正しい解答が得られた限り、誤った理論は訂正され、若い研究者たちにこれ以上誤った学問を教育すべきではないという強い理念に基ずき、熟慮の上正しいものは正しいのだと主張し公表する決断を下した。ここでは何故誤った理論(電磁波)が正当化されてしまったか、その理由を筆者が分かる範囲で説明することにしよう。




17、5、1 ファラデーの錯覚 

 ファラデーの時代には現在と異なり、電磁気に関する知見が未成熟であり、電子や陽子などの電荷を有した粒子が存在ることも知られていなかった。その様な時代にファラデーは無限に近い実験を繰り返し、多くの現象、法則を公表した。また多くの仮説も提唱している。その中のほとんどは正しいと思われるが、明らかに考え違いも存在する。ここではファラデーの考え違いと思える項目に焦点を絞って説明しよう。
(1)電荷は架空の概念であり電気力線が重要である
 ファラデーやマックスウェルの時代には、何度も言うが、まだ電子などの粒子は発見されておらず、電荷は架空の概念であった。そのため電気力線や磁力線のような創造的思想に重点が置かれ考察されていた。よって複数の誤解が生じたようである。
(2)電流とは電気力線の流れである
 現在では電荷は存在するが磁荷は実在しないことが分かっている。そして電流とは電線の内部を電子が移動するものであり、電子が移動するとその周りに渦上の磁場が生じ、多数の電子の移動が連続すると磁場も連続して誘導されることも分かっている。しかしファラデーは電気の流れとは電気力線の移動、即ち、電場の変化と捉えていた。よって電気力線が移動すると、即ち電場の変動により磁場が誘導されるという解釈をしたようである。
(3)電気力線と磁力線とを類似した延長として考えていた。
 下敷きの上に砂鉄を薄く張り、下面から磁石を近ずけると砂鉄の小片は要素磁石となり、鎖状の磁力線に似た状態を作る。電気力線に対しても同様に推察し、プラスとマイナスの極板の間にある絶縁体(真空も含む)は分極し極小の要素電気を作り電気力線を作る。
 しかしこの考えにはかなり無理がある。即ち極板に挟まれた絶縁体は原子で構成されているので分極するのは理解できるが、真空の場合は間に電子や陽子のような電荷が存在しないのであるから要素電気が生ずることは考えにくい。
(4)磁場の変化で電場が誘導される
 ファラデーは電流により磁場が誘導されるのなら、その逆もあり得るのではないかと考え実験を行った結果、見事に的中し重要な電磁誘導の法則を発見した。(図17−1の(3)を参照)
 しかしファラデーはこの現象に対し次のような解釈をした。環状に閉じられた導体回路に磁極を接近すると、回路内に電流が誘導される。これは磁場の時間的変化により回路内に電気力線が誘導され、即ち電場が誘導され、その結果起電力が生じたのである。
 本書ではこの考えを 17、5、3の(4)で示すように否定している。



17、5、2 マックスウェルの飛躍 

マックスウェルはファラデーの行った多数の実験や考え方に刺激され、それらを総合的に統括した「マックスウェル方程式」なるものを公表した。更に複数の環状導体とコイルとを交互に組み合わせることで電気エネルギーが運ばれるメカニズムから、「遊び車モデル」なるものを考案する。これがのちに電磁波として認められるようになる。
{注}遊び車モデル:真空中内に正六角形の細胞が連なる細線を想像したモデル。細胞一つひとつが遊び車のようになっており、その回転により電磁エネルギーが運ばれるという真空中内に描いた架空の機構。
(1)変位電流とは何かを提案する。
 マックスウェルは、1864年、畜電池の両極に挟まれた電媒質中の電場が変化している間は、電気は移動しないが、電気の分極による要素電気が生ずる。そして電場が一定するまで変動は続くと考えた。更に電流の概念を多少拡張し、この電場の変動を変位電流と定義した。しかしこの変位電流は電流ではなく分極である。想像上の電流であり実在するものではなかった。
(2)真空を絶縁体と考え、電極板の間では変位電流が起こると考えた。
(3)磁力線の強さの変化が渦状の電気力線を誘導する。
 マックスウェルはファラデーの力線の考えを支持していたので、「磁力線の時間的変動は渦状の電気力線を誘導する」という法則を提案する。しかしこの方程式は後述するように明らかに飛躍であり、正しいとは言えない。
(4)マックスウェルの電磁波仮説
 図17、1の(5)で説明したように、鉄棒の輪とコイルを交互に複数個並べることにより電磁エネルギーが輸送できる。それと同様、真空中でも電気力線と磁力線の輪が交互に誘導し合い直進するという想像上のモデルを提唱した。しかしこのモデルは上記(3)が正しくなければ成立しない。
(5)ファラデーの電磁誘導の現象を数学的に表現するための方程式を完成させた(第3方程式を参照)。
しかしこの方程式も、上記の(3)が正しくなければ成立しない。(17、5、3の(7)を参照)


               図:17−5 電磁場の機構  



図17−2の(1)においてーー d:電線、P:電池、w:スイッチ、i:電流、b:磁力線。 
図17−2の(2)においてーー d’:コイルの電線、K:電流計、j:d’内の電流、A,B:極版。
図17−2の(3)においてーー H:磁力線、E:電気力線。 
 

17、5、3 電磁波の否定 

(1)起電力の三つの原因
 現在では起電力、即ち電子を動かす力の原因には幾種類かあることが知られているが、その中でも次の三つの原因が重要である。しかしファラデーの時代は 力線を重視していたため下記のB の内容を正しく理解できていなかった。
@ 電場の力
 電荷の実在する空間には電場が存在し、その場に別の電荷(電子)を近ずけると引力または斥力の起電力が働くことは現在では公然の事実である。
A 物理力
 電荷を帯びた小球を指で弾けば小球は移動し電荷も移動する。また細長い鉄棒を手で移動すると、鉄棒内部の自由電子も移動する。即ちこれらの物理的力による電子の移動も起電力である。(図17−1の(7)を参照)
B 磁場の時間的変化 
 ファラデーは色々な実験から、磁場の時間的変化により直接電場が誘導され、その結果として電気が移動し電流が起こるのであると認識していた。何故そのような解釈に至ったかというと、電流とは電気力線の移動であるとその当時は認識していたためである。そのことは既に述べた。しかしこの現象は電子があることが知られている現在では次のように解釈すべきである。
 <<磁場の時間的変化により、電線内の電荷(電子)がレンツの法則に従って直接力を受け移動する。その結果電線内の電場が変化するのである>>。即ち、電線内の電場が変化して電子が起動するのではなく、電子が磁場の変化により直接起動された結果電場が誘導されると解釈するのが正しい。したがって電荷が実在しない空間では磁場が変動しても電場が誘導されることはない。
(2)電荷は実在するが磁荷は存在しない。(電流は実在するが磁流はない)
 ファラデーの時代は電荷も磁荷も架空の創造物であった。そのためファラデーは電気力線と磁力線を重視し、両力線を同等レベルで考察していた。それ故電場の変動により、磁場が生ずるのであれば、磁場の変動により電場が生じる、即ち互いに誘導し合うのは自然であると考えた。しかし、電荷(電子)があり、磁荷は存在しないことが知られている現代において、同レベルで類推するこの考えは明らかに成立しない。
(3)電荷が実在しない場に変位電流は存在しない
 何度も述べるように、変位電流という概念をマックスウェルが提案したのはまだ電子のような電荷が発見される前で、その当時は電気力線や磁力線のような架空の概念が重要視されていた。そのため電流とは電気力線の移動とも理解された。そして電流により即ち電気力線の変動により磁力線が空間に誘導されるなら、その逆に、磁力線の変動により電気力線が空間に誘導されるのも自然であると解釈された。このような解釈は当時として正しいと思える。しかし電子が発見され電荷の存在が明らかとなった現在においては正しい見解とは言えない。即ち、電荷が実在しない空間では磁力線が変動しても電荷が移動するこなど不可能で変位電流など起こり得ないのである。
(4)磁場の変動により電場は誘導されない
 ファラデーは電気の流れにより磁場が誘導されるなら、磁場の変化により電流が生じるのではないかと考えた。この憶測は見事に的中し、電磁誘導の様々な発見につながる。しかし重要なことは、発見当時と電子の存在が明らかとなった現代とでは繊細な点で解釈の相違がある。そのことについて説明しよう。
@まず、図17−5(1)のような回路を考える。
 スイッチWが切れているときAとBの電位差は0だから回路に電気は流れない。スイッチを閉じると電線内に電位差が生じコイル内の電子が移動する。一つの電子の移動に対し、一つの磁力線が誘導され光速で拡散する。n個の電子の移動に対しn個の磁力線が誘導される。電子の流れが増加してるときは磁場の強さも増す、電子の流れが一定になると磁場も一定となる。電子が流れている間は磁力線は誘導される。スイッチを切ると電位差は0となり電子の流れは止まりこれまで誘導された磁力線は拡散し、その結果磁場は消える。
A 次にファラデーの実験を分析しよう。図17−5の(2)を参照。ファラデー曰く「電気の流れに対し磁場が生ずるなら、その逆もあり得る」と。まず電線dに電流iを流す。すると磁場bが誘導される。ここまでは正しい。ファラデーは次に電線d’内に電場が誘導され電気が移動すると述べている。これは電荷が架空の物であった時代には致し方ない発想であるが、電子という電荷の実在が知れている現代科学から解釈すると明らかにおかしい。即ち、@の現象の逆になると解釈すべきである。
   *電磁誘導の場合*:スイッチを入れる。電線内に電位差が生ずる。電子が移動する。磁力線が誘導される。
   *逆の場合 *:磁力線をコイルに接近する。電子が移動する。電線内に電位差が生ずる。両極に火花が生ずる。
 解析すると、磁場の変動によりまず電線d’内に電子が起動され電流が生じ、その次にAとBの両極の間に電位差ができると解するのが正しい。即ち、磁場の時間的変化によりレンツの法則に従って電線内の電子に力が直接作用し、電子が流れるのである。その結果A極とB極に電荷が蓄積され電位差が生じ火花が散ることになる。
 即ち、磁場の変動により電場が誘導されるのではなく、電荷が直接力を受け移動し電流が起こり、その結果電線内に電位差が生ずると解釈するのが正しい見解である。
(5)鉄棒(導体)を激しく振動させても光を発しない
  ファラデーの説では、電線内に電気が流れると渦上の磁場が誘導され、磁場の時間的変動により電場が誘導され電気が流れるとしている。この説を素直に捉え解釈すると、鉄棒を振動させれば鉄棒内の電子も移動し、磁場が誘導されることになる。そして磁場の変化により電場が生じ、互いに誘導し合い光が発生するはずである。しかし、現実には鉄棒を振動させただけでは光は発生しない。故に磁場と電場が互いに誘導し合うという説は誤りである。
(6)マックスウェルの電磁波仮説は無理がある。
 マックスウェルはファラデーの電気力線と磁力線は互いに誘導し合うという説(図17−1の(5)参照)とマックスウェル自ら想像した変位電流の考えを融合し、(図17−5の(3)を参照)真空中に電磁波なる想像上のエネルギー輸送メカニズムを提案した。しかしこの仮説にはかなりの無理がある。
@ 図17−1の(5)の輸送メカニズムでは、環状の鉄棒も電線のコイルも実在する物質であり内部には電子が存在するのであるからエネルギーの輸送も可能であることは理解できるし、コイルなどが湾曲していれば輸送経路も湾曲することもわかる。それに反し、図17−5の(3)では何も無い真空中に渦上の電気力線と磁力線が誘導されるというのである。それも渦の大きさは適当でよく、電線dが湾曲している場合とか、電線が振動した時の光の経路なども明確でない。このような曖昧な理論が正しいとはとても思えない。
A 上記の(3)と(4)で指摘したように、電子や陽子のような電荷を有する粒子が発見された現在において、磁場の変動により電場が誘導されるという仮説は誤りであることは明白である。したがって図17−5の(3)のような電磁波などは実在しないと結論できる。
(7)マックスウェルの第3方程式は修正が必要
 マックスウェルの第3方程式では磁場の時間的変動により渦状の電場が誘導されるとされている。これは電子のような電荷を有する粒子が知られてなかった時代の方程式である。本書の解釈では磁力線の変動によりレンツの法則に従い電荷を有する粒子が直接力を受け移動するのであって、その結果電場が間接的に誘導されるのであると明言している。従って電荷が実在しない空間には電場が誘導されることなどあり得ない。故に第3式は次のように修正されなければならない。

  i = dH/dt 。  ここで i;電流 。H;磁場 。t;時間 。

{注}:この式はファラデーの相互誘導の法則の式と完全い同じである。即ち、ファラデーは正しく理解していたと言える。しかし、マックスウェルは自説の電磁波理論を正当化するため論理の飛躍を企てたようである。

<<結論>>
 これまで、電磁誘導に関する複数の現象とそれに対する誤った解釈、正しい解釈を述べてきた。そして総合的に判断した結論としては、磁場の変動により電場が誘導されるという解釈は誤りであるということ。正しくは磁場の変動により電線内の自由電子がレンツの法則により直接起動されるのである。その結果とし電線内に電位差が生じ、電線が切断された両極間に火花が起こるのである。また、鉄棒を振動させただけでは光を発生しないという事実から、磁場と電場が互いに誘導し合い光速で進むという電磁波説は間違いであると認識すべきだろう。以上の多くの理由により、電磁波が実在するとは考えにくい。


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