目次、記録 宇宙の真理  再現性の法則 宇宙の大気 大自然の秘密 古代ギリシャ哲学 エーテル仮説 マイケルソンの実験
分割/不分割の問題 熱力学  エントロピー 空洞輻射 プランクの公式 公理系 次元と単位 重力定数の研究
未知なる粒子  プランク単位系  ボルツマン定数  重力 光の転生 電気素量の算出 ボーアの原子理論 光の正体
ビッグバンの困難  相対性理論の誤解  元素の周期律表  一歩進んだ宇宙論 電磁気の歩み 電磁気基礎知識 マクスウェル方程式 電磁波は実在しない
回転軌道の法則  赤方偏移の真実 周期律表の探究  周期律表正しい解釈  真偽まだらな量子力学 波動 宇宙パワー 
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 第一原理 エーテル大気の特性 
プランク単位系  絶対空間  
宇宙の構成要素  空間の秘密  
力  回転軌道の法則  

16、一歩進んだ宇宙論 

 「本当の宇宙論を知りたい、知らせたい。」 それが、この章の総てである。
 この章に至るまで筆者独自の理論や法則を数多く主張し証明してきた。また後の章でも新説を論じてゆくことになる。その様な複数の内容を根拠に正しい宇宙の風景を論じていこう。
 さて我々の宇宙が何故あり、何時創造され、何で構成されているかなど誰も知らない。しかし太古の時代から我々人間は繰り返し規則正しく変化する実在する空間に興味を持ち、様々な宇宙像を提唱してきた。ある時は、総ての物は最小単位の微粒子から構成されているのだと語る者もいれば、宇宙の中心は地球だと語る者もいた。
 しかし、時代が変わり科学が進歩するとその時代に適した宇宙論に変化していく。そして、その時代の宇宙論はいつの時代でも最先端宇宙論であり正しいのである。
 本書では、近年正しいと公認されている現代物理学と呼ばれる学問とはかなり異なった視点より論考してきた。この新しい宇宙像を「エーテル大気理論(仮称)」と呼んでいるが、過去や現在の宇宙論とは極めて異質でかつ電子の一兆分の一以下という想像を絶する極小の世界を取り扱っており、正しさを証明するため実際の観測値と理論値とが一致するかを幾度も確認しながら考察している。そして読者にもその正しさを理解していただくために色々な章で必要に応じて現代理論を批判しながら、真に正しい理論とは何かについて論述してきた。
 この章でも、本書の理論が真に正しい宇宙真理であることを理解していただけるよう、首尾一貫性を重視し論理的、定量的に簡潔明瞭に説明している。そして何よりも注意した点は、あらゆる観点から考察し熟慮に熟慮を重ねた結果、明らかに正しいと感じ証明できたことだけに限定し素直に記述した。どこまで「本当の宇宙論」に迫ることが出来るか分からないが、真実を求める探究の旅に挑戦することにしよう。
 それ故、本章に限っては誤りに気付いたときには、読者に断りなく年に1、2回修正・追加を施すこともあるのでご了承ください。

  

<おさらい>

 最初に、ここまで学んできた特に重要と思える点を簡潔に復習しておこう。
 本論考の発端は加速度現象を別の視点から観察することから始まった。これまで「見かけの力」として解されていた加速度は、本物の力であると捉えて考察しなければいけないのではないかということに気付いたのである。即ち空気大気が静止しており物体も静止してる時は空気の抵抗はないが、物体が等速運動をすると抵抗が生ずる。エーテル大気の中(真空中)では、等速運動の時は抵抗が無く、加速度運動の時抵抗が生ずるのである。そして本書の冒頭では「加速度を操る謎の犯人」の思考実験から、エーテル大気の存在と複数の特性を明らかにした。更に我々がまだ知らなかった大自然の秘密:「累積エネルギー」「速度座標空間」:という二つの新概念を提唱した。
 次に、重力定数の研究から、重力定数の物理的意味、「未知なる始原粒子」の発見、電気力には引力と反発力があるのに対し、重力に反発力のない理由、更にプランク単位系の正しい数値を明確化した。そしてこれ等導き出された理論や数値群が真に正しいことを説明するため、電気素量、ボルツマン定数、気体定数などの普遍定数がプランク単位系の数値から論理的に完全に正しく導出できることを証明した。
 更に、ボーアの原子理論の定常状態の軌道がなぜ決められた軌道しか採りえないのかは、「回転軌道の法則」という宇宙の規約が存在するためであることを説明した。そして定常状態の軌道を回転してるとき光を放射しない理由は、電子の回転速度が光速を超えないためであると主張する。更に光の放射原理に関しては、ある軌道から別の軌道に落下する時電子が光速に達するためであることを、光速に達する回数と線スペクトルの振動数が完全に一致することから証明した。
 このような新知識の集積により、我が宇宙の総ての光と熱は「量子ゆらぎ」より構築されたものであり、又総ての物質は「未知なる始原粒子」より構築されたものであるという結論にたどり着く。そこからこれまで曖昧に解釈されていた波と物質体の定義および輻射熱、物質熱などの定義が明確化されてくる。

  

<基本的概念の構築>

 総ての自然現象の原因を統一的、論理的に議論を進め、自然界の謎を解明して行くために最も重要なことは、誰でも共通の認識のもと正しいと思われる、定義、公理、要請などのような根本的思想を最初に確定することである。このことを「公理系を定める」と言う。誰もが正しいと認める指標が無ければ、円滑に議論は進行せず混迷するだけである。
 例えば、ユークリッド幾何学においては、最初に公理系などを定め、その内容が正しいという共通の認識のもと議論を進め、多くの法則や定理、命題を導出している。そしてこのような過程を踏んで演繹的に導きだされた定理などは公理系が正しい限り100%正しいのである。幾何学は形而上学であるから、公理系も比較的決め易く変更も殆ど必要ない。しかし物理学は形而下学であり、実在するものを論じなければならないのであるから、誰でも共通のもと正しいと認める項目を決めることは非常に困難である。例えば、熱に対してその原因は熱素であると主張する時代もあれば、運動であると主張する時代もある。それだけでなく新しい現象が観測されたり、新理論が提案されたりすると、これまで正しいとされた公理を否定しなければならなくなる。したがって物理学全域に亘った公理系を定めることは極めて困難な仕事である。しかし、ある特定の分野や現象にのみ特化した公理系を定めることは可能である。このような系において論理的に導き出され、証明された法則や数値は、その公理系が正しい限り100% 正しい。
 ニュートン力学においては、冒頭に7つの言葉の定義(物質の量、運動の量、物質固有の力など)と、基礎概念として3つの法則(慣性の法則、力の法則、作用反作用の法則)を公理系として確定し、そこから論理的、演繹的に多くの命題、定理を導きだしている。このようにして導き出された定理などは、公理系が正しい限り100%正しいのである。
 ただし、最初に公理系の内容を作成するには、白紙の状態から直感や思い付きだけですんなりと決めることは出来ない。数ある自然現象を論理的、演繹的、帰納的に証明でき、得られた複数の定理同志の相互間になんら矛盾がないかを確認しなければならない。この作業には何年もの間試行錯誤の繰り返しが続き、ニュートンも七転八倒したに違いない。
  

<先人の知恵に学ぶ>

 科学史の書物を眺め、稀には読んでいると、時代により様々な思想や理論が創造され繰り広げられているのに驚かされる。よくまあ、これだけ奇妙で不思議な物語を考え付くものだと、ただただ感心させられる。そして、現在ではその中の殆どが歴史の塵に埋もれ、多くは語られていない。しかし、幾つかの思想は正しいことが認められ、現在でも学校の教科書にも記載されている。
 この章では、星の数ほど多くある思想の中から、現在ではあまり評判が良しとはされていないが、私の傍らで特に煌めく次の二つの思想を採りあげることにした。選んだ理由は、すべてが正しいとは思わないが真理の一面も含まれていると感じたからである。
 A、機械論 
 16、17世紀になると科学技術も進歩し、数多くの観測事実や実験結果が公表されるようになる。その結果自然界は、劇場のようなもので、私たち観客には舞台表面の出来事は見えるが、その場面が総てではなく、その裏にある隠れた機械装置により操られているのであり、自然現象の正しい解明は、背後に隠された機械の仕組みから説明しなければならないという機械論が盛んとなる。 例えば、有る機械の表面上の機能や性能を見ただけで、詳しい専門家になると、その内部に隠された部品や構造などから現象を説明できる。 
 その当時の機械論の特徴は、大まかには次のようなものであった。
@ 遠隔作用は認めない。
A 運動の自発的起動はあり得ない。
B 非物体が物体を起動することは認めない。
 そして物体とは、大きさ、形を持ち、ある時刻にある場所に存在し、一個か複数か、運動しているか静止してるかなどの像を記述できるものである。したがって、黄色か赤か、臭いがよいか悪いかなどの感覚的なものは含まれない。

 B、第一原理 
 当時の機械論の立場から考察すると、目に見える現象や場面は、その裏に隠された根本的原因から起こるものであると捉えられる。従って目に見える現象は、すべて根本原因から説明できなければならない。そしてその根本原因が何かを説明するには、更に深い原因からの説明が必要となる。そのことを繰り返していくと最終的には「第一原理」に突き当たる。この第一原理が分かれば自然現象のすべてを論理的に説明できるというものである。
 ところが実際には、第一原理そのものが誤っていたり、演繹する方法や解釈が複雑多岐に別れ、更には得られた結果を検証する手段が未熟で正否の判断ができないなど様々な理由により、この思想は短命で終わることになる。
 しかし、本章では無謀と言われるのを覚悟の上、上記の欠陥を全て排除し、この思想を復活させ採用することにした。

<迷走する自然科学>

 ビッグバン・モデル、相対性理論、電磁波、電子スピン仮説、力の統一理論などの現代科学と呼ばれる学問は本当に正しいのだろうか。一旦立ち止まって離れた視点から冷静に観察するべきではないだろうか。誤解や矛盾点、修正内容があまりにも多いのである。また意味不明な原理が新設されたり辻褄合わせの正当化工作が頻繁に行われている。そのうち優秀な科学者が現れ、嘘で固められた誤った解釈の一部を取り除いてくれるだろう。
 私がここで言いたいことは、物理学的には全く理解できない曖昧で矛盾が多い現代理論を基礎として、次の理論展開をすることはとても危険であることと、本書で主張する複数の新概念を正しく理解しない限り、人類科学は「無知」という言葉を背負ったまま、永久に迷走を続けることになるだろうということである。


 

16、1 第一原理 


 本書では、宇宙の第一原理として次の三つを採用することにする。論理に矛盾が生じたり、行き詰まったりした時には修正、加筆もある。

<A> 安定の法則
 現在では大自然の森羅万象を尤もらしく説明するため、数多くの原理、法則が提唱されている。その中でもこの法則を筆頭に挙げることにした。その理由はいかなる物理現象にも普遍的に成立してることに因る。
(1)静的安定 
 絶対空間に対し、絶対静止の粒子が存在するとき、その粒子は静的安定状態にあり、外部から何らかの作用が働かない限り、永久不変にその状態は維持される。そして外部から何らかの力が作用すると、その力の大きさと方向に従ってその粒子の「位置に変化」が生ずる。
(2)動的安定 
 絶対空間に対し、等速直線運動をしている粒子が存在するとき、その粒子は動的安定状態にあり、外部から何らかの作用が働かない限り、永久不変にその速度が維持される。そして外部から何らかの力が作用すると、その力の大きさと方向に従ってその粒子の「速度に変化」が生ずる。
 
<B>再現性の法則
 再現性のある現象は、全宇宙いたるところ、至る時代にも普遍的に存在する。詳しくは、1、3 で記載した。

<C>エネルギー保存の法則
 現在エネルギーには数多くの種類があることが知られている。例えば、運動エネルギー、位置エネルギー、熱エネルギー、質量エネルギー、電気エネルギーなど。そしてこれ等のエネルギーは互いに変換されることもよく知られた事実である。更にこの変換の際、変換前と後ではエネルギーの総量は保存されている。この現象を「エネルギー保存の法則」と呼び現在においても破られていない。


 

16、2 公理系の確定 

 本書では、我々の宇宙は間違いなくエーテル大気で充満されていることを、4章のエーテルの変遷および「加速度を操る謎の犯人」などの思考実験から証明し、その特性の幾つかを説明してきた。そしてその実在を認めることにより、現在でも未解決問題とされている幾つかの謎を解明してきた。例えば重力定数の物理的解釈、プランク単位系の正しい数値、光の放射原理、未知なる始原粒子の具体的数値、重力の正しい科学的解釈、電気素量やボルツマン定数の論理的算出方法など。これ等導出された理論値が観測値と完全に一致することから当理論が正しいことは明白である。
 そして、後章においては周期律表の正しい解釈などの新たな学問を説明していくことになる。その際議論を円滑に展開していくために必要な基本指標となる、本書の理論体系としての公理系なるものをを確定しておかなければならない。この章では、大宇宙の構造を解くための前提となる公理系を確定するため、非難されることを覚悟の上七転八倒する仕事に採りかかることにしよう。

 物理学では、様々な現象や観測値を説明するため、一般的には公理系として「定義、公理、要請、仮説」という言葉が用いられる。この言葉の意味を明確化するのは極めて難しいのであるが、本書では便宜上次のような意味で使用している。ただし、その内容は一般的なものではなく、本書のみで通用するものである。
(1)定義とは
 本書の論考を進めるにあたり、必要により設けた新しい言語。「累積エネルギー、未知なる始原粒子、量子温度」などがある。また、一般的な言葉ではあるが、本書では特別な意味として用いている言語。

 「定義」の進化と明晰化


  言葉の定義の内容は、科学の進歩により明晰化されてくる。また、これまで無かった新言語も必要になってくる。
 例えば、ドルトンの時代には原子とか、分子とか、原子量などの定義が不定で、科学者により異なった意味で使用されていた。現在では、原子核とか、陽子とか、中性子や電子の発見によりその定義も明確化されてきた。
 本書では、プランク単位系の物理的意味とその数値を明確化し、更に未知なる始原粒子の数値群を確定し、その正しさを証明した。そこからこれまで曖昧であった言葉の定義が明晰化されてくる。




(2)公理とは
 誰もが共通の認識のもと、正しいと認める命題。故に、何故それが正しいかという証明を必要としない。
 現代科学または本書の論考で既に証明された事象で、常識的に正しいと公認されている法則や原理、現象の中でも、特に重要と思われる事項。いわゆる大自然の真理または根本原理である。
 更に、最初は仮説として提唱されたが、多くの自然現象を説明でき、完全に正しいことが証明された仮説も公理に格上げすることにした。又、宇宙のいかなる場所でも、いかなる時代でも変化ない普遍定数も公理の仲間と認めることにした。
 しかし実際のところ現在においても宇宙に関する知見はあまり充分とは言えない。そのような知識不足の時代を背景に宇宙の公理を確定するのは飛躍であり危険でもある。そこで本書では公理という厳格を要する言葉の代わりに、「エーテル空間の風景」という、少し幅のある柔軟性を有する言葉を使用することにした。

<間違った公理系を採用した場合の恐怖>

 誰もが正しいと認める理論や法則が実際には間違っていた場合、それを基礎として構築された論考は全て誤りである。
<A> 例えば、過去においては「地球が宇宙の中心である」は殆ど公理として認められていた。そのため次のような論理が正しいかの如く正当化され展開されていた。
@ 物体は宇宙の中心に向かって落下する。故に地球が宇宙の中心であることは正しい。
A 地表が回転していれば、地表に固定されていない物体は、みな吹き飛ばされてしまう。故に地球は自転してない。
B 地球が自転してなければ、月や太陽や星が地球の周りを回転しているという説明は正しい。
C そして、星の回転軌道の観測データと理論とを一致させるため、複数の回転面、周転円、離心点などの仮説が実在するかの如く証明されていた。このように間違った公理でも、観測された現象や実験データなどから誤った解釈を施すことにより正当化することが出来るのである。
<B> 現在、正しいと公認されている宇宙論においても、過去の誤りと似たような過程を踏んでいるところが多々あるので単純に正しいと認めるのは危険であり恐怖でもある。

 「公理」と「要請」、「定理」


   ある広場に赤い球と青い球と白い球と黒い球が100個ずつ存在した。赤い球の重さを測ったらすべて1グラムであった。青い球は2グラム、白い球は3グラム、黒い球は4グラムであった。赤玉を2個で作ったのが青玉、白玉2個で作ったものが黒球である。従って青玉と黒玉がなぜその重さになるかは説明できる。しかし赤玉と白玉が何故その重さになるかは謎であった。そこで広場のメンバーは、説明できない赤玉と白玉の重さに関しては「公理」と呼ぶことにした。又説明できるが重要度の高い青玉も「公理」と呼ぶことにした。そして説明でき且つ重要度の低い黒玉は「要請」と呼ぶことにした。
 このような公理や要請を基礎として論理的に構築された理論や命題は、公理系が正しい限り100パーセント正しいのである。例えば、「赤玉と青玉と白玉と黒玉を1個ずつ混ぜて作った黄玉の重さは10グラムである。」という命題は公理が正しければ100パーセント正しい。そして命題のうち重要度の高いものを定理と呼ぶ。




(3)要請(準公理)とは
 公理の中でも、重要度が低いもの。基本的前提として必要なものであるが、公理ほど自明性がない。
 長い科学史の中でも現在明らかに正しいと証明され公認されている原理、法則、方程式などを記載した。
(4)仮説とは
 大自然における森羅万象を説明するため、様々な仮説が提唱されている。その中でも重要度の高いものを記載した。

16、3 新言語の意味、定義  


(1)エーテル大気
 我々の宇宙の全域に亘り実在し且ついかなる物質体(陽子、電子など)内部にも浸透している。光などを伝播する媒体で全宇宙に亘り均一の圧力を有する。その詳細は秘密に包まれており、現在科学においても総てを知ることは出来ない。しかし、様々な自然現象や観測事実からその特性の幾つかを知ることが出来る。
(2)絶対空間
 我々の宇宙にはただ一つの空間が存在し絶対静止している。空間は無限小ではなくプランク長を単位にその整数倍しか許されない。空間が何故存在し、何時ごろ作られ、どのくらい広いかは現在のところ不明である。
(3)絶対時間
 我々の宇宙には過去から未来に向かって完全に一定の速さで、全宇宙に亘って一方向に進む時間がただ一つ存在する。そしてその時間は連続的に進むのではなくプランク時間を単位にデジタルに刻まれている。時間が何故存在し、いつ創造され、どこまで続くのかは分かっていない。
(4)量子ゆらぎ
 量子エネルギーを有し、エーテル大気中を光速で伝播する波。体積の大きさはプランク長を一辺とした立方体と同じ、但し形状は未定。1兆の1億倍の束になると振動数1の光波となる。宇宙の光の総ては「量子ゆらぎ」より成る。
(5)未知なる始原粒子
 我々の宇宙に実在する唯一の物質体。質量はプランク質量を有し、体積は量子ゆらぎと同じ。空間に存在する物質体はすべてこの未知なる始原粒子より構成されている。
(6)デジタル(離散的)空間
 我々の宇宙は総てに関し無限小はなく、プランク単位系の数値を最小単位としたデジタル空間になっている。
(7)量子グリッド空間
 デジタル空間を説明しやすくするため設けた仮想的座標。一辺がプランク長の立方体の網目に区分けされた空間。
(8)累積エネルギー
 未知なる始原粒子が有する運動エネルギー。絶対静止エーテルに対し速度v の二乗で測られる。vが光速cに達すると、累積エネルギーが量子エネルギーに達し沸騰爆発し、輻射エネルギーとして量子ゆらぎを宇宙空間に放出する。そして自らの累積エネルギーはゼロとなり、絶対静止状態となる。
(9)速度座標系
 位置座標系は物体の移動、光の移動などを扱うには便利である。それに反し、物体の速度の変化を扱う際に用いる座標系。物体や光が等速運動の時は位置座標系では静止状態である。



16、4 風景T:エーテル大気の特性 

 風景の筆頭にエーテル大気の存在を持ってきた。その主要な理由を以下に記す。
(1)光の速さが、時代に因らず場所に因らず常に同一であるという事実を説明するには、全宇宙に亘り均一の圧力を有した媒体、即ちエーテル大気が実在するとしか考えられない。
(2)電子はどれも同じで区別できない。またいかなる時代いかなる場所でも同一の電子が創造され破壊されている。このことは全宇宙、全時代に亘りエーテル大気が均一である確かな証拠である。
(3)電磁気力には引力と斥力がある。重力には引力しかない。その理由を正しく理解するには、エーテル大気の圧力から説明するのがもっとも自然である。
 本書では上記以外にも、様々な個所でエーテル大気の存在を説明し証明してきた。それ等から総合的に判断して我々の宇宙は確実にエーテル大気で構成されているに違いないという結論に至る。
 それではエーテル大気とはどのようなものなのだろうか、現在分かっている範囲内でその特性を説明しよう。

<A>「加速度を操る謎の犯人」の思考実験より言える特性
@ 地球上に空気大気が存在するように宇宙にはエーテルの大気が存在する。
A 空気大気に対し、物体が静止している(速度がゼロ)時は抵抗(風)が無く、速度(位置の変化)が速くなるに比例して風も強くなる。
B エーテル大気に対し、物体の速度が一定(加速度がゼロ)の時は抵抗が無く、加速度(速度の変化)が強くなるに比例して抵抗も強くなる。
C 空気大気は、鉄板や窓ガラスにより完全に遮断できる。
D エーテル大気は、鉄板や窓ガラスでは全く遮断出来ない。巨大星といえども遮断できない。故に、エーテル大気は全ての物質体内部(原子核や電子などの素粒子内部)にも容易に浸透している。
E 加速度の変化に対する抵抗力は存在しない。即ち、エーテル大気より極小のものはない。
F 空気大気と物体が伴に静止、または同一速度で移動してしているとき、どちらも抵抗力はなく区別がつかない。空気大気が静止で、物体が移動したとき、物体は抵抗(風)を受ける。物体が静止で空気大気が移動しても物体は抵抗(風)を受ける。
G エーテル大気と物体が伴に静止または非加速度運動しているときは、どちらも抵抗力はなく区別つかない。物体が加速度運動した時、物体はエーテル大気の抵抗を受ける。全宇宙において、加速度=0(等速運動)の物体はエーテル大気の抵抗を受けない(これを慣性の法則と呼ぶ)。このことはエーテル大気は全空間に亘り絶対静止しており、且つ均質であるという確かな証拠である。
G 光はエーテル大気を媒体として伝播する波である。

<B> エーテル大気の圧力
 全宇宙空間に亘り均等なエーテル大気の圧力が作用している。この圧力は全銀河、恒星系、惑星はもちろん、原子や陽子、電子のような極小な粒子内部にも容易に浸透している。原子や電子、その他の粒子がいかなる空間、いかなる時代においても全く同一のもの以外創造されない原因は、エーテル大気圧が我々の宇宙の全時代、全空間に亘って唯一であり、変化がなかった強い証拠である。仮に、エーテル大気圧が異なった時代や空間が存在したら、原子や電子も現存しているものとは全く違った粒子が創造されていることだろう
 そして始原粒子とは、粒子内部からの量子ゆらぎの振動圧力と外部からのエーテル大気圧力とが釣り合って安定状態を維持したものである。その粒子こそが本書で発見された「未知なる始原粒子」である。
<エーテル大気圧力の算出方法>
 それではエーテル大気圧とは、具体的にどのような数値で、その値を定量的に導出できるのだろうか、それをこれから説明しよう。
 この導出は極めて簡単で、エネルギーEと圧力Pの関係式を用いればよい。即ち、 {圧力}={内部エネルギー}÷{体積}
 そして、内部エネルギーには、量子エネルギーEu=6.625x10−34(J:ジュール)。体積には量子長Lu=8.101x10−35(m:メートル)の三乗を当てはめればよい。
 計算すると、   エーテル大気圧 Pe=Eu÷(Lu)3 
                    =6.625x10−34 ÷ {8.101x10−35=1.246x1069 (J/m)。
<C> エーテル大気の密度 
 後述するように我々の宇宙空間に実在するものは、エーテル大気と量子ゆらぎと未知なる始原粒子の三種類だけである。エーテル大気だけが在る空間を我々は完全なる真空と呼んでいる。このような空間がエーテル大気の密度が100%であるという。物質や光などが沢山ある空間は、エーテル密度が薄いと呼ぶ。
 量子ゆらぎも未知なる粒子も大きさは後述のグリッド1体積と同値であるから、真空内のグリッド内に収まることが出来る。仮に縦、横、高さが10個のグリッドで構成された空間に、量子ゆらぎが50個、未知なる粒子が50個存在したとすると、その空間のエーテル大気の密度は次の式で算出できる。
   エーテル大気の密度:Eρ=100−{(未知なる粒子の数+量子ゆらぎの数)÷(一辺のグリッドの数)}x100=100−{(50+50)÷(10x10x10)}x100=90% 。



16、5 風景U:プランク単位系 


 ドイツのプランク博士は、1900年これまで無限分割可能と考えられていたエネルギーにも最小単位があるプランク定数なるものを発見した。そこから次元解析法などにより演繹的に求められた定数値。
 光速、重力定数、プランク定数などの普遍定数、輻射エネルギー:E=h・$\nu$、質量エネルギー:E=m・cなどの公式より導出された、我々の宇宙を根底で支えている最小単位の数値群。我々の宇宙ではこの量子単位の整数倍でしか実在出来ない。以下その内容を記す。
@ 量子長Lu
 長さの最小単位。SI換算値は1Lu=8.101x10−35 m(メートル)。我々の宇宙では物質も波もこの量子長の整数倍単位でしか実在できない。計算上は分数や小数も可能であるが、実在することは不可である。その場合は、四捨五入(又は切り捨て)され整数倍として実在できる。
A 量子時間tu
 時間の最小単位。SI換算値は1tu=2.702x10−43 s(秒)。絶対時間と同じ。全宇宙同時且つ一様に過去から未来に向かって流れている。宇宙の全ピクチャーはこの量子時間単位でしか変化出来ない。
B 量子質量Mu
未知なる始原粒子の質量、かつ質量の最小単位。SI換算値は1Mu=7.372x10ー51 Kg(キログラム)。いかなる物質も量子質量の整数倍である。
C 量子エネルギーEu
 エネルギーの最小単位。量子ゆらぎのエネルギーと同じ。SI換算値は1Eu=6.625x10−34J(ジュール)。
D 量子温度Tu
 温度(熱)の最小単位。SI換算値は1Tu=4.799x10−11 K(絶対温度)。
<量子温度とは> 1m当りの真空中に、平均して1個の「量子ゆらぎ」が存在する時、その空間が量子温度1度である。例えば、1m当り、1÷(4.799x10−11) 個の「量子ゆらぎ」が存在する空間の温度は、絶対温度=1K となる。



16、6 風景V:絶対空間・絶対時間 

A、絶対時間
 全宇宙に亘って、絶対時間は過去から未来に向かって、同時に均一に流れている。我々の宇宙における絶対時間は連続的に流れることはなく、プランク時間を単位にデジタル(離散的)に一様に刻まれ中間の時間は無い。全宇宙いかなる空間でも同時に進行し、空間の場所により刻む時間の速さが遅くなったり否んだりすることはない。即ち、同一時刻に置ける全宇宙の物体と光のピクチャーは唯一でありグリッド内で絶対静止である。そして量子時間後に隣のグリッド内に全宇宙同時に移動しピクチャーは静止する(移動しないものもある)。更に量子時間後にピクチャーの移動が起こる。このように全宇宙のピクチャーは量子時間単位でデジタルに同時に変化している。分かり難く表現すると(分かり易く表現する方法が絶無であったため)、無限速の光を用いてカメラのシャッターを量子時間毎に切るようなものである。無限速の光であるから、いかに無限遠方のものでも同時刻の姿が同一ピクチャーに写る。何故時間が存在し、いつから在るかなどの基本的疑問の答えは現在のところ無い。
B、絶対空間 
 宇宙には絶対空間がただ1つのみ実在する。「加速度を操る謎の犯人」で証明したようにエーテル大気は絶対静止している。そしてプランク長のグリッド(立方体の網目)で区切られており、中間の空間は存在しない。物質体(未知なる始原粒子)も光(量子ゆらぎ)もこの単位でしか移動できず、中間の移動または存在は不可である。同一グリッド内に物体と物体、光と光、物体と光などが同時に存在することは出来ない。座標軸の原点を絶対空間のどこに決めるかは、当該生命体の判断に任されている。何故空間が存在し、いつ創造され、その大きさは、などの基本的な疑問の正しい答えは現在のところ無い。
C、絶対静止 
 未知なる始原粒子が絶対空間に対し光速に達すると、粒子内の累積エネルギーも量子エネルギーに達する。この瞬間累積エネルギーは沸騰爆発を生じ、量子ゆらぎを宇宙空間に輻射し、自らは累積エネルギーがゼロとなる。この時の未知なる粒子の状態を絶対静止であると呼ぶ。
 このことから絶対静止が存在しなければ、粒子の速度の判断基準が無くなり、何時、どの方向に光を放射してよいかが不明となり宇宙に光は実在しないことになる。
<注>:現在科学においては、絶対静止の状態或いは物体を観測する技術は存在しない。



16、7 風景W:宇宙の構成要素 

 「我々の宇宙が何で構成されているのか?」という疑問はとても魅力的なテーマである。古代から様々な意見が語られてきた。現在では惑星や恒星などから構成されているのだと言う者もいれば、原子や電子からだと言う者もいる。はたまたエネルギーこそその根源であると主張する者もいる。
 本書では、これまで多数の未解決問題を解明し論考を重ねてきた。それらから総合的に判断し、宇宙を構成する基礎的要素はエーテル大気以外に量子ゆらぎと未知なる始原粒子の2要素であり、宇宙に実在する総ての光と物質(電子や原子、その他素粒子など)はこの要素のいずれからより創造されたものである。即ち、我々が普段呼んでいる光も赤外線も陽子も原子も星もすべては、この2要素から作られていおり、それ以外はない。
16、7、1 量子ゆらぎ 
 エーテル大気中を伝播する最小単位の波。大きさはグリッドの1立方体と同一。エネルギーは量子エネルギーと同じ。未知なる始原粒子が光速に達すると内在する累積エネルギーが量子エネルギーに達し沸騰爆発し、そのエネルギーを宇宙空間に輻射波として放出しエーテル大気中を光速で直進する。1.236x1020個(電子を構成する未知なる始原粒子の数)の量子ゆらぎが束になると振動数1の光となる。この束が1000集まると振動数1000の光と言う。
*注1* 縦波か横波かは未定。本書では横波のパルス波と考えている。
*注2* 量子ゆらぎという言葉は他書でも本書とは異なった意味で使用しているため注意してください。
*注3* 光波(不可視光波)
 可視光波と不可視光波がある。単に光波というと可視光波を指す。それ以外はすべて不可視光波(赤外線、紫外線、x線、短波、γ線 など)である。本書では電磁波は存在しない(詳細は17、4 電磁波の否定で証明)と確信しているのでこの言葉は極力使用しない。
16,7,2 未知なる始原粒子
 我々の宇宙に存在する最小単位の質量を有する物質体。宇宙に存在するいかなる物質体もこの粒子より構成されている。その特徴を以下に記す。
@ 大きさ:直径Lp=8.101x10−35 mの立方体と同体積。
A 質量 :Mp=7.372x10−51 Kg。
B 粒子表面上の重力:α=2.998x10 ms−2
量子ゆらぎがエーテル大気の圧力とつり合い、見えない膜に覆われ静止した状態を言う。しかし粒子内部で量子ゆらぎは量子時間を単位に心臓のように拡大・縮小の振動運動を繰り返している。したがって未知なる粒子の質量エネルギーは、量子エネルギーと同値である。
 又、内部の量子ゆらぎが拡大した時はその振動力はプラス重力:+αとなり、縮小した時はマイナス重力:ーαとなる。この始原粒子の拡大・縮小によりエーテル大気も振動し、エーテル大気中を伝播する波となる。これが即ち量子電荷の原因である。故に電荷にはプラスと、マイナスが存在することが理解できる。


 ダーク・マターの謎を解く?


   現在最も知られた宇宙の未解決問題にダークマター(暗黒物質)がある。銀河団に関する質量の調査をした結果、観測できる星の全質量が星の運行から計測する推定質量より10〜100倍少ないのである。この事実から宇宙には星のように見える物質以外に目や観測装置では測定できない多くの物質があると考えられている。その原因はブラックホールだとか水素ガスなどいろいろ挙げられているがよく分かっていない。
 本書で発見した「未知なる始原粒子」が、この謎を解く重要な鍵になるのではないかと大いに期待されている。





16、8 風景X:宇宙空間の秘密 

 我々の宇宙には、その姿、形の見えない三つの秘密が隠されている。
(1)一つ目は::「慣性の法則」である。
ガリレオが発見し、ニュートンが定式化した法則。
 ギリシャ時代には慣性の法則は知られてなかった。そのため「物体を真上に投げ上げた際、元の位置に戻ってくる」現象に対しアリストテレスは、地球が不動であり自転してない確かな証拠であると主張した。この解釈はガリレオが慣性の法則を発見するまでの2000年以上殆ど公理とされていた。いかに宇宙の秘密のベールを剥がし真実を知ることが重要かを示す代表的な例と言える。
 <<名声と権限を得た人間は、科学の進歩とは異なり己や関連組織の利益に合わせて、その原理や法則を正当化する工作を企てるようになる。自問、自粛したいものである。>>
(2)二つ目は::「累積エネルギー」である。
いかなる物質体も累積エネルギーを内在し、その量が物質体の絶対速度を意味する。詳細は 12、1 に記載。
 現代科学(2019年時点)においては、この概念は一般には知られていない。まさにギリシャ時代の慣性の法則と酷似している。そのため誤った科学があたかも絶対的に正しいかの如く論じられている。本書ではこれまで公理とされ信じられてきた「電磁波」仮説は実在しないことを証明した(17,5 を参照)。そこから新しくて正しい光の科学を提供すことになる。当光理論では首尾一貫して、光波とは電子が光速に達した時、電子を構成する未知なる始原粒子が一斉に量子ゆらぎを輻射したものであることを主張し証明もしてきた。即ち、宇宙の新しい秘密のベールを剥がすことにより、これまでの電磁波説とは全く異なった光の風景が見えてくるのである。
 またこのことは、エーテル空間が絶対静止であることを暗示しており、相対性理論がギリシャ時代の地球中心説と同様、完全に誤りであることを明確に証明している。
 (3)三つ目は::「速度座標空間」である。
 通常の空間は位置座標系を用いると理解し易いが、エーテル空間は速度座標系を使用しないと正しい理解に到達することは出来ない。詳細は2、3 に記載。
 位置座標系においては物質(光波でもよい)が移動すれば座標値が変化するが、速度座標系においては物質の位置が変化しても速度が変化しない限り座標値は変化しないのである。即ち、エーテル空間では物質が等速運動の場合は静止であり、加速運動し速度の変化が生じた時のみ座標値に変化が現れる。このことが何を意味するかというと、音が伝播する空間では音源が移動してるとドップラ効果が生ずるが、光が伝播する空間では光源が等速で高速移動していても速度座標系では静止であるから光のドップラ効果は生じないということである。
 よって現在正しいとされ一般に用いられているハップルの法則のドップラ効果を原理として解かれた膨張宇宙論が、完全な誤解であることを明確に示している。

 マイケルソンの実験の正しい解釈 


   マイケルソン、モーリの実験結果(13,1,2 を参照)が事前の一般の予測とは異なり、即ち同一光源から発し、異なった距離だけ伝播した二つの光は、位相差が生ずるはずであるが生じなかった理由に対し、ローレンツやアインシュタインは、高速で移動する慣性系はその進行方向に対し、空間と時間が短縮されるという、いわゆるローレンツ短縮仮説や相対性理論を提唱することで、この実験結果を正当化していく。しかし、この解釈は古典物理学が正しいとされた当時としてはあまりにも無謀であった。そのため当初はあまり評判がよくなかった。だが、その時代においてはこの実験結果をうまく説明できる方法が他には存在しなかったのである。
 本書では、新しい宇宙の概念として速度座標空間を提唱した。この概念を用いるとマイケルソンの実験結果を容易に説明できる(詳細は14,3 を参照)。即ち、地球は太陽の周りを公転しており、公転半径は大であるから直線等速運動として見做せる。音を伝播する空間は位置座標系を用いるので地球は等速運動していると見做せる。しかし、光はエーテル空間を伝播するのであるから速度座標系を用いなければならない。速度座標系では等速運動は静止である。そうすると地球は縦にも横にも移動することはなく静止したままである。即ち位置座標系では地球は直線等速運動をしているが、速度座標系では静止しているのである。又進行方向と水平方向におかれた反射鏡は等距離である。したがって光源から放射された光波は同一距離だけ伝播したことになる。故に位相差など生ずるはずがないのである。これが正しい解釈である。

 アラゴーによる光の位相差の観測 


   実は、科学史上、光源(又は受光物)の高速移動に対する光波の位相差を調べる実験は、それ以前(1810年)にフランスのアラゴーによって行われていた。エーテル仮説の章でも記載したが、エーテルが絶対静止であるなら、地球の公転において、同一光源(星)からの光は地球の前方向へ進む時と後ろ方向へすすむ時では、屈折角が異なるはずであると予測し実験を行った。しかし結果は屈折角の変化は全く生ずることなく同じであった。この結果に対し、フレネルはガラスの内部ではエーテルが随伴されるためであると、確かな証拠もなくお茶をにごしてしまった。そのためその後この実験に対しては深く語られることがなくなる。しかしこの時、「光に対しては、光源の移動に対し屈折角の変化は生ずることはない」と明言しておくべきだったのである。そうすれば、マイケルソンの実験を行う以前に位相差が生じないと、予測できたはずである。



<<結言>>
   このようにこれまで知られてなかった宇宙の秘密のベールの一部を透明化することにより、あたかも正しいかの如く誠しやかに語り継がれてきた疑似宇宙論、ーー例えば地球中心説、多数の天球面、電磁波説、相対性理論、ビッグバン仮説などーーを完全に覆すことが出来、新しくて正しい宇宙の風景を語ることが出来るようになる。
 



16、9 風景Y:熱と温度 

 
 温度や熱も宇宙の三要素::エーテル空間、量子ゆらぎ、未知なる始原粒子::より論理的に説明できる。
@ 輻射熱
 真空中の温度は単位体積内(例えば1m)に存在する「量子ゆらぎの総数」で測られる。
 例えば、1mの体積内に1個の量子ゆらぎが存在する時、量子温度が1Tuであるという。
A 気体熱 
 孤立系の気体中には特定の分子(質量m)が多数ランダムに飛び回っている状態を考える。個々の分子の速さは異なっているが、その平均の速さを:v とすると、この気体中の温度は次式で求めることが出来る。
   m・v = Kb・T。   Kb:ボルツマン定数。 T:絶対温度。
 <ボルツマンのエネルギー当分配則として知られる>
**又この式で、mに未知なる粒子1個、vに光速cを用いれば真空中の量子温度Tuが求まる。**
B 物質熱
   物質体(例えば鉄の破片)は原子より構成され、原子は互いに固く結合されており、静止していると見做すことが出来る。然るに物質体の温度は各原子の温度の平均値で測られる。各原子の周囲には無数の量子ゆらぎが飛び回っており、原子の表面上に衝突している。量子ゆらぎは量子エネルギー:Eu を有し、原子に衝突する毎に原子を構成する微小自由粒子に衝突し、そのエネルギーEuを原子に与え自らは消滅し空間の温度を下げる。原子は与えられたエネルギーを熱エネルギーとして蓄え温度が上昇する。
 原子に衝突する量子ゆらぎの数だけ原子の温度は上昇する。
C 熱平衡
 原子は無数に近い”未知なる粒子”で構成されており、量子ゆらぎが衝突した箇所に近い未知なる粒子は、その衝撃により光速に達する。すると未知なる粒子は量子ゆらぎを空間に一つ放射し、その結果原子内の温度は低下し空間の温度が上昇する。空間の温度が物質体の温度より高いときは、衝突の数より放射の数の方が少ない。空間の温度が低いときは、その逆である。そして両者が等しくなった時、熱平衡状態であると言う。



16、10 風景Z:力 

 力の種類を羅列すると、重力、腕力、風力、電気力、圧力など無数にありきりがない。しかしこれ等総ての力は基本的な3種類の力:輻射、重力、電気力:が複雑に絡み合い変幻自在にその機能を変化させたものである。
16、10、1 輻射圧力
 輻射は熱エネルギーであると同時に力としても働く。
 本書で言う輻射圧とは、エーテル大気中を光速で直進伝播する「量子ゆらぎの運動エネルギー:E」そのものである。量子ゆらぎが物質体に衝突すると物質体を構成する微小分子にその輻射エネルギーを与え、自らは消滅する。量子エネルギーを得た微小粒子は近隣の微小粒子にエネルギーの一部を伝え、熱エネルギーとして物質体の温度を上昇させる。
 また量子ゆらぎが1兆の1億倍の束になると光波となる。この束が1秒に1000個通過する光線を振動数1000の光と呼ぶ。この光が電子に衝突すると、電子を動かす力として働く。
16、10、2 重力 
 星や物体には重力が在ることはよく知られた事実である。そのため物質同士は引き合うのである。重力は質量を有する物体には必ず存在する特性で、またその力の大きさは質量の量に比例し且つ引力だけである。従って一般には万有引力と呼ばれるが、重力の物理的原因から考察すると向心力と呼ぶ方が適切である。その理由は 10、2および10、3で詳述したがここでも簡単に説明しておこう。
<重力の物理的解釈>
 本書では未知なる始原粒子とは量子ゆらぎが宇宙の圧力により見えない膜に閉じ込められたものであると説明し証明もした。この説からすると、二つの未知なる粒子が接近した場合、互いの粒子表面上に相手の影ができる。すると出来た影の面積だけ宇宙の圧力が弱くなり、弱くなった方向に粒子は移動し互いに接近する。これが重力の物理的原因である。この時粒子は相手の粒子の中心に向かって移動する。したがって引力というよりは向心力と解すべきだろう。
16、10、3 電気力 
(1) 量子電荷 
 未知なる始原粒子とは「量子ゆらぎ」が宇宙の圧力により閉じ込められたものであることは既に述べた。そして量子ゆらぎは内部で心臓のように拡大縮小を繰り返しており、拡大した時は周囲の圧力は高くなり、縮小した時は低くなることも述べた。この高低の圧力の振動は宇宙空間を波となって光速で伝播する。これを本書では未知なる粒子の振動波と呼ぶ。したがって振動波にはプラス(エーテル圧の高い部分)とマイナス(エーテル圧が低い部分)が存在する。プラスとプラス、またはマイナスとマイナスの部分が衝突すると斥力が働き、プラスとマイナスが衝突すると引力が働く。この力が電気力の基である。
(2) 電気素量 
 電子がマイナスの電荷を持ち、陽子や陽電子がプラスの電荷を持つことはよく知られた事実である。そしてその量は電気素量の整数倍である。本書では素粒子も物質体も全て未知なる粒子の構造物であることを明白にした。また「電気素量の論理的算出」の章(10,6)では電気素量の物理的原因と原理を証明した。その証明から電子とは1兆の1億倍の未知なる粒子が集まり、量子電荷のマイナス部分だけが表面化されたもので、更に1秒間での振動数を掛けたものであることを説明した。そして、陽電子とはその逆であることも分かった。即ち電気素量とは電子を構成する未知なる始原粒子による振動圧が、エーテル大気中を球面上に拡散する波の強さである。
 ただし電子や陽電子の内部構造や、その形成過程に関しては全く未知であり想像も出来ないため詳しくは述べない。
16、10、4 磁気力 
 磁気力は電気力のように互いに引き合ったり、斥け合ったりするが違いもかなりある。その主なものを書こう。
@ 電荷は実在するが磁荷は存在しない。
A 電気はプラス極とマイナス極と呼ぶが、磁気は地磁気の関係からS極とN極と呼ぶ。
B 電気はプラス極とマイナス極が別々に存在し移動もできるが、磁気は両極が必ず対になっていて分離できない。
C 磁場は電荷の移動によってのみ生ずる。
D 電場は電荷を中心に球面上に発散するが、磁場は電線を中心に円形状の渦線を作り外側に発散する。
***未解決問題*** 
 なぜ磁力線が渦状なのかは現代科学における最大の謎である。

 <<注>>
 本書では、磁気力とは電気力が変形したものと考えているので基本的な3種類の力の中には数えなかった。
  



16、11 風景[:普遍定数 

 我々の宇宙には過去のいかなる時代においても、またいかなる場所、空間においても不変として君臨する絶対的な数値を持つ普遍定数なるものが幾つか実在することが知られている。そのうち重要と思える定数と関連式を記載しておこう。
(1)光速:c
E=mc 。c=$\lambda・\nu$ 。
(2)重力定数:G
\[F=m・\alpha=\frac{G・M・m}{r^2} 。\] (3)プランク定数:h
E=h・$\nu$ 。
(4)電気素量:e
\[F=\frac{e^2}{4\pi\epsilon_0r^2}\] (5)ボルツマン定数:$k_b$
 1/2・$mv^2$=1/2・$k_b$・t   
(6)誘電率:$\epsilon_0$、透磁率:$\mu_0$
 $\epsilon_0$・$\mu_0・c^2=1 $
(7)気体定数:R 
 p・V=nRT  
 



16、12 風景\:電子の回転軌道 

 「ボーアの量子論」(11章)では、我々の宇宙の電子のような極小の世界では、その粒子の採りえる回転軌道には幾つかの規約が存在することを述べた。そしてそれらの規約にしたがって回転軌道は定まる。それが電子の回転軌道半径が量子数nの整数倍しか採り得ない原因である。
(1)遠心力による規約 
 回転物体には外側に遠心力がかかることはよく知られた事実である。そしてこの遠心力と中心に向かう力(重力や電気力)とが釣り合っているときその物体は回転運動を継続できる。原子核(プラス電荷)の周りを回転する電子の場合もこの法則が成立する。
(2)最小長の規約 
 長さに対してはプランク長という最小単位があり、その整数倍しか採り得ないことは既に述べた。回転軌道に関しても似たような規約が存在する。即ち回転軌道の粒子の運動量を円周(2$\pi$r)だけ積分した値が、プランク定数の整数倍でなければならないという規約である。「ボーアの量子条件」と呼ばれている。
(3)軌道半径の規約 
 原子核の周りを回転する電子が取り得る回転球面の半径は、上記の(1)と(2)の規約より求まる。 \[r_n=\left(\frac{\epsilon_0}{\pi me^2}\right)h^2n^2\]  即ち、軌道半径は複数存在するが、基底状態をn=1 とすると、その整数倍の軌道以外取り得ない。即ち電子の回転軌道は飛び飛びの軌道以外ゆるされない。またn=1以外の軌道を定常状態と呼ぶ。そして規定された軌道を回転しているときは電子の速度は光速を越えないので光を放射せず、半永久的に回転し続ける。
(4)振動数条件に因る規約
 電子の回転軌道はポテンシャルエネルギーを有し、ある上位の軌道から下位の軌道に遷移する際、そのエネルギー準位差に相当する振動数の光を放射する。
 なぜ、その振動数の光を放射するのかに関しては 12、5、3 で解説した。
(5)球面内の質量制限の規約 
 同質量で同速度の粒子は、同球面内に回転軌道を有することになる。その際無限個の粒子が存在できるのではなくその数には制限がある。その数を超えると次の上位軌道番号の球面を回転することになる。
<<質量制限の規約>>
 同一球面上を同時に回転可能な電子の総数は、軌道番号1の遠心力の2倍まで同時回転が可能である。例えば軌道番号4の同球面上では、この軌道の電子一個の遠心力は、軌道1の 1/16 であるから、その2倍の32個が回転可能である。33個目の電子は次の軌道番号に所属することになる。詳しくは 11、3 で説明した。



16、13 要請(準公理)  

 現代科学で既に正しいと公認されている原理、法則、定理などを要請する。代表的な項目を以下に記す。
(1)力学 
@ ニュートン力学 
A 重力の法則 
B ケプラーの法則 
(2)電磁気学 
@ クーロンの法則 
A オームの法則
(3)熱力学
@ ボイル・シャルルの法則。
A エネルギー当分配の法則。
B エントロピー増大の法則。
(4)各種普遍定数の観測値 
@ 光速 
A 重力定数 
B ボルツマン定数
C プランク定数 



16、14 仮説  

 
<A>無限空間
 空間が何故あり、いつ頃作られ、どこまで広いのかなど誰も知らない。永久に知ることは出来ないだろう。それでも空間は人類が存在するか否かに関係なく確実に実在する。そして何より重要なことは無限空間が全宇宙にただ一つだけ存在しており、他の空間は存在しない。また同一場所に異なったものが重なって存在することは出来ない。その大きさは無限大なのか無限分割できるかなどは分かっていない。「無限空間の外の空間はどうなっているか」という質問は、無限ループになっており意味をなさない。即ち無限空間の外の空間も無限空間である。このような空間が無限空間である。われわれの宇宙の絶対空間も無限空間の一部である。

<B>無限時間
 無限空間に実在する時間である。したがって時間がいつ始まり、いつ終わるかなど想像することも不能である。故に「無限時間が始まる前の時間とか、終わった後の時間はどうなのか」などの質問には意味をなさない。そして何よりも重要で確かなことは、無限空間にはただ一つの時間しか存在しないこと、必ず過去から未来に向かって連続的に時を刻んでいること、および無限空間全域に亘り同時に進行しているということである。したがって仮に無限速なる光(想像上の光)で観測すれば、1億光年先の星の爆発もその場で瞬時に観察できる。
 我々の宇宙の絶対時間も無限時間の一部である。絶対時間はデジタルに時が刻まれるが、無限時間は連続的に流れる。



 

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