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運動と力の原理 | 天動説の陥落 |
3、古代ギリシャ哲学 |
人は皆”正しい”とは何かを探し求めている。しかし現実には誰でも嘘をついたり、騙したり騙されたりしている。このことが悪いとは一概には言えない。何故なら力の弱い人間が強い動物に勝利を治めてきたのは、この騙しの能力に優れていたからともいえるからである。だが相手が大自然、大宇宙となるとそうは行かない、そこには真理は一つしか存在しないのである。従って、正しいものはあくまでも正しく、誤っているものはあくまで誤っているのであり騙すことは出来ない。 |
3,1 ギリシャ時代の宇宙観 |
宇宙を支配している根本的要素は何か、宇宙は無限に広いのか有限なのか、物体は無から生じたのか、それとも初めから存在し今後も永久に在り続けるのか、などなど。このような疑問は古代より数多く語られてきているが、未だ正しい解答は得られていない。前述したエーテル大気のような発想も歴史的には幾つか存在する。そしてそれら科学的思想は、ある時代は栄え、別の時代には衰え、更に復活するという一転、二転、三転を繰り返し現代に至っている。この先どのような反転劇を繰り返していくかは、誰も予測できない状態にある。そこで科学史上どのような思想が生まれ、消滅し、再度復活してきたのか、その思想過程の沿革を辿ってみることにしよう。 (17) ヒッパルコス(前190〜120) *彼は、約1000に及ぶ恒星の位置に関し調べ、先人の観測値と自ら観測した値とを比較した結果、春分点と秋分点が徐々に位置を変えるという歳差現象を発見。 (18)ゲミノス(前50年頃) *ゲミノスはその当時まで蓄積された伝来的説には従わず、独自の解釈による対立的説を主張している。例えば恒星は同一の球面に置かれているのではなく、地球からの距離はそれぞれ異なっている。ただ我々にその違いを見分ける能力がないだけであるなど。 (19) プトレマイオス(後150年頃) *この時代においても、アリストテレスの命題<天体は神聖で、永遠的で、運動は一様にして円形でなければならない>は、不動の真理であった。しかし、当時の観測においても、二つの大きな不等が存在した。第一の不等は、惑星の運行には季節により逆行したり停留したり不規則であったこと。これは地球を宇宙の中心としているという誤った考えから生ずることが、現代ではよく知られている。 又、第二の不等は、春分点から秋分点までの日数が約186日要するのにたいし、秋分点から春分点まで要する日数が約178日で、かなりの開きがあること。これは惑星の運行軌道が、円形ではなく楕円であるため生ずることが、現代では知られている。 以上の不等を解決するため、アリストテレスの時代には、各惑星に対し複数の天球面を導入することを試みた。しかし、その精度は思わしいものではなかった。 *プトレマイオスは上記の不等を解決するため、先人のアポロニウスなどの行った周天円と離心円の仮説を用いることになる。 *第一の不等には、周転円を適用した。 *第二の不等には、離心円を適用した。 *観測値と計算値との相違に対しては、周天円上の一点を中心に二つ目の周天円を設け計算し直すことで解決していく。こうして彼は、計算と観測とをかなり正確に一致させることに成功した。 *このようにして惑星の運行軌道の現象を、よく説明できる補助仮説が適用されるようになる。しかし観測精度が向上するにともない、理論と実測値を一致させる仮説は更に複雑化していく。 |
3,2 アリストテレスの宇宙観 |
ギリシャ時代には多数の哲人が名を連ねているが、その中でもこの時代の最も代表的で、後の時代に大きな影響を残したアリストテレス(前384〜322)の思想を中心に振り返ってみることにしよう。 |
3,3 天動説の陥落 |
アリストテレスの時代における宇宙観は、地球が宇宙の中心で自転してないという説、地球が中心で自転してるとする説、宇宙の中心は別にあり、地球を含めたすべての星がその中心を回転しているのだという説、太陽が中心でその周りを全ての星が回転してるのだという説などが混在し、その真偽の判断を下せる能力の在る者は殆んど居なかったようである。そのためアリストテレスの天動説を覆す事の出来る者が、2000年にもわたって現れてこなかった。それにしてもアリスタルコスが、当時の支配的理論に動揺されず、他の哲学者に比べ、かなり真理に近く正しい認識に達していたことに驚かされる。 |
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