宇宙の真理・正しい自然科学

目次、記録 宇宙の真理  再現性の法則 宇宙の大気 大自然の秘密 古代ギリシャ哲学 エーテル仮説 マイケルソンの実験
分割/不分割の問題 熱力学  エントロピー 空洞輻射 プランクの公式 公理系 次元と単位 重力定数の研究
未知なる粒子  プランク単位系  ボルツマン定数  重力 光の転生 電気素量の算出 ボーアの原子理論 光の正体
ビッグバンの困難  相対性理論の誤解  元素の周期律表  一歩進んだ宇宙論 電磁気の歩み 電磁気基礎知識 マクスウェル方程式 電磁波は実在しない
回転軌道の法則  赤方偏移の真実 周期律表の探究  周期律表正しい解釈  真偽まだらな量子力学 波動 宇宙パワー 
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自然界の規約
再現性の法則
電子は何故電子なのか

1、宇宙の真理

 ホームズの推理の正確さには常に驚かされる。私はある時、ベーカ街のアパートの部屋でそのことについてそれとなく訊いてみた。
   ホームズは言う。「問題はワトソン君、君が注意してないところにあるのだよ。例えば、この部屋に来るまでの間に階段があることは知っているよね。」
「もちろんだよ」
「それでは、その階段が何段あるか知っているかい」
「数えたことがないから分からないな」
「そうだろ、君は見てはいるけど観測していないのだ。僕は17段あることを知っている。それは見ることと観測することの両方を行っているからね」
 (シャーロック・ホームズ:ボヘミアの不祥事:A scandal in Bohemia より)
 ホームズの上記の説明は、大変分かりやすく、物事を推理していく過程においては重要なポイントである。しかし私がワトソンだったらホームズに一こと言いたい「君の説明はもっともである。しかし不充分だと」。

1、1 自然界の規約 

 それではどこが不充分なのか。
 ホームズは階段が17段あることを観測したけど、何故階段が17段あるかの事情を論理的に証明していない。読者の多くは思うだろう。「そんなことは必要もないし、不可能ではないかと」。
 確かにその通りである。しかし、自然界に起こるあらゆる現象を科学的、総合的に推理し論考を進めていく過程においては非常に重要なことなのである。そのため先人たちは、観測されたデータや現象をもっともらしく説明するため「仮説」という概念を採用している。しかし、この仮説が正しいことはあまりなく、歴史的には短期間(100年単位)で消え去る運命にある。だが、まぐれ当りで正しいこともあり、その時は科学の進歩に大きく貢献する。最悪なのは、誤った仮説が時の権力者たちにより正しいと解釈され公認されてしまったときである。この時は、誤った仮説を基礎として次の理論が展開されるため、理解不能な理論が正しいかの如く論じられるようになり、その過ちを誰かが気ずき指摘(反証)するまで永遠に引き継がれてしまうことになる。天動説や熱素(カロリック)説などがそのよい例である。現在では相対性理論、ビッグバンモデルなども誤りであると語る研究者も少なくない。
 さて、次に上記の階段が17段であることを、どのように証明するか、その方法を説明しよう。
 まずこのままでは証明は不可能なので、次のような”仮説”を建てる。
<仮説> この都市では「階段の1段の高さは 20センチ でなければならない」と規約があった。(あまり良い仮説とは言えないが)。
 この仮説が正しかった場合、1階から2階までの高さは、20x17=340センチ となる。実際測定した結果、340センチあったら、この仮説から17段になることを証明できたことになる。しかし、この仮説が誤っていたならばこのような証明ができたとしても全く意味がない。この仮説が正しいと認知されるためには、提唱された仮説からさらに多くの事象を説明できなければならなず、多くの試練を必要とするのである。以上は人間社会の規約であって、自然科学を論ずる際には適切な例とは言えない。
 それでは自然界の規約とは何で、どのようなものがあるのだろうか。一般に法則、原理、普遍定数と呼ばれるものがそれに相当する。 次に歴史的実例をもって説明していこう。 

1、2 仮説の提唱と追放 

 歴史的には、自然界の森羅万象をもっともらしく説明するため数多くの仮説が建てられ、消え去っている。ここでは歴史上提唱された主な仮説を採りあげ、その真偽を考えてみることにしよう。
(1)天動説と地動説 
 ギリシャ時代には、天体の回転、物体の落下運動などを尤もらしく説明するため数多くの仮説が提唱された。アリストテレスはこれ等の自然現象を総合的に説明するため、地球が宇宙の中心で自転はしてなく、天体が回転してるのであるという天動説を主張した。また重い物体ほど宇宙の中心に向かうのであるいという仮説を建てた。この仮説から地球の中心が宇宙の中心と一致していることを正当化している。アリスタルコスは、太陽の大きさが地球よりはるかに大きいことを観測し、大きい太陽の周りを小さい地球が回転するのが自然であるとして地動説を提唱する。現在では望遠鏡の発達などから後者が正しいことが証明されている。
(2)慣性の法則 
 アリストテレスは、物体を真上に投げた際、必ず元の位置に落下してくることを根拠に地球は自転してないと論証する。ガリレオはこの現象に対し、真上に投げた人も物も地球の回転と一緒に回転いているためであることを説明し「物体は外部からなんら力が作用しない限り、そのままの運動を継続する」と結論し、<慣性の法則>なる宇宙の規約を提唱している。ガリレオは物体を横方向に投げた際の軌道が放物線を描くことから、この時横方向への速さが変化せず同じであることより証明している。
(3)惑星の楕円軌道 
 ケプラーの時代には、アリストテレスの提唱した「惑星の運行は円形にして、等速である」という仮説は普遍たる公理であった。しかし円形軌道とすると計算予測と観測データとが一致しないという矛盾が生じていた。ケプラーは円形軌道に疑問を抱き、はじめ卵型の軌道を考えたが、予測と一致することがなく、更にいろいろな軌道モデルの仮説を提案したがうまくいかなかった。しかし楕円軌道として計算した結果、観測データとほぼ完全に一致した。そこでケプラーは「惑星の回転軌道は楕円である」という仮説を提唱する。これにより円形軌道であるという仮説は否定されることになる。
(4)エーテル説 
 パルメニデスは何も無い空間など想像も出来ない、故に空虚な空間など存在しないと主張した。デモクリトスは宇宙は原子と空虚の二種類より構成されていると言う。アリストテレスは「空間は真空を嫌う」と解き、空間はアイテール(エーテル)で充満していると言う。
 デカルトは、宇宙は微細物質で満たされており、各微細物質は渦回転しているという仮説を建て、光線はこの物質の圧力によるもので運動によるものでないから、光の速さには時間を要さないと述べている。また光の色の原因はこの微細物質の回転の強弱によるものであると述べている。
 しかし、1675年レーメルによる木星の衛星(イオ)の観測から、光速は音速の約60万倍であることが発見された。これによりデカルトの光速は無限であるという仮説は否定された。ホイヘンスはこの発見を根拠に光はエーテル媒質を伝播する波であるという仮説を提唱し光の波動説を主張する。そして光速が非常に速いことおよび宇宙のほぼ無限遠方まで届くこと、物質内部にも浸透するなどの観測事実から推察し、このエーテル媒質は無限空間に亘り存在し、極小の物質内部にも容易に浸透し、非常に硬く、弾性に富んだ特性を持つ固体エーテルであると結論する。現在では特殊相対論などから否定されているが、光の伝播、熱の伝播、重力の伝播およびその速度が総て光速であるという事実から、多くの優れた研究者の間で「諸力の根源は宇宙の根底において一つである」というエーテル仮説も根強く存在する。
(5)熱素説、振動説
 一昔前まで人々は、熱に対して微小粒子が存在し、その粒子が多い部分は熱く、少ない部分は冷たいのではないかと考えていた。一方ボイルは釘をトンカチで叩いた際、木の中に入った時は熱くならず、入らない時は熱くなることから、熱は物質内部の微小粒子の運動によるものであると考えた。
 熱に対する研究は、蒸気機関の発達により仕事に利用できるようになってから盛んとなる。この際なされる仕事の量は、熱素が多い場所から少ない場所に移動するためであると解され、熱素説が主流であった。しかしジュールは精密な実験により、運動が熱に転化されその量が等価であることを定式化し証明した。このことにより熱が微粒子であるという仮説は完全に否定されることになる。

**考察**
 以上述べてきたように歴史的には多くの仮説が提唱され、その中の多くが否定され衰えていったことが分かる。我々の宇宙が、なぜ在り、誰が創造し、何から構成されているかなどの自然界の掟は誰にも分らないのである。とはいえ、様々な現象や観測結果などから宇宙の奥底に秘められた原因を探り、真に正しい仮説即ち宇宙の真理を発見していこうという試みは、試行錯誤を繰り返しながら永遠に引き継がれていくことだろう。
 上記の例でいうと、慣性の法則、惑星の楕円軌道、熱の運動説などの仮説は長年の歳月にも耐えた自然界の規約といえる。 

1、3 再現性の法則 

 <<規約が在るところに再現性が生じる。そして再現性の在る現象には、その原因となる宇宙の規約が必ず存在する。>>
<<規約の強さが雄大であればあるほどその再現性も顕著で正確である。>>
*注*:再現性の極めて稀な現象とは、非常に信憑性の低い、または間違った宇宙の規約と見なしてよいだろう。
 このことから、更に次のことが言える。
<<方程式の構築:再現性の原因を全て知ることが出来れば、その知識から正確で信頼できる方程式を建てることが出来る>>
 <<事象の予言:方程式が完成すると、その方程式を解くことにより何をすると何が起こるかを予言することが可能となる>>

 宇宙真理の大発見は、それまで誰一人として気付かなかった「再現性のある現象」に気付き、その原因を探究することより始まる。

1、3、1 社会の規約 

(1)習慣的再現性
 我々の普段の生活の中でも再現性のある行動は数多くみられる。たとえば朝起きて、夜になると寝る。冬は暖房を入れ、夏には冷房を入れる。何故そのような再現性があるか、その原因を探ると、前者は言うまでもなく地球が自転してることによる。そして後者は地軸が傾いてることおよび公転してることに起因する。このように再現性の在る現象には、必ずその原因となるある規約が存在する。
(2)規律による再現性
 次に、人間社会では互いに安全で豊かな暮らしを営むため国として、組織として、家庭として様々な規則や規律が定められている。例えば自動車は左側を走らなければならない。小学生は六年間とする。朝の皿洗いは長男がするなど。そしてその規律が守られている限り必ず再現性がある。即ち、規律があるところには何らかの再現性が生じるのである。

 
1、3、2 自然界の規約 

   自然界においても同様で、多くの再現性の在る現象が観察される。そして、そこには何らかの自然界の規約が存在している。
(1)小川の波
 小川の流れをそれとなく眺めていると、所どころに水面が僅かだけ膨れあがっていることに気付いたことがあるだろう。この原因を調べると言うまでもなく、川底に岩などがあることが分かる。これなどは原因が単純なので調べるのも容易である。
(2)日の出 
 我々が経験する最も再現性のある自然現象といえば、毎朝東の空から昇る太陽がある。日の出の時刻は季節により多少異なるが確実に太陽は東から昇り朝になる。何故繰り返し朝が来るのか?
 現在ではその原因が地球が地軸を中心に自転していることを誰でも知っている。即ち地球が自転しているという宇宙の規約があるからである。しかし、ガリレオが指摘するまで地球は静止し、太陽が回転しているという考えが正しいと公認されていた。
 また季節により日の出の時刻が異なるのは、地球が太陽の周りを公転しているのと、地軸が公転平面に対し66.5度傾いてるためであることが知られている。このように複数の再現性が見られるときには、その原因も複数存在する。
(3)日食 
 日食の現象は、日の出に較べ遙かに複雑な再現性を示す。日食の種類だけでも、皆既日食、部分日食、金環食、その他と数種類に分類される。何故そのような複雑な再現性を示すのか? その原因を探るとそこには多数の宇宙の規約が在ることが分かってくる。
@ 黄道:地球から見て太陽が回転する軌道で楕円である。365.2422日で一周する。
A 白道:地球から見て月が回転する楕円軌道。27.3217日で一周する。
B 黄道と白道とは平行ではなく5.1度、傾いている。そのため地球から見て、太陽と月とが交差する点は年に2回で、この交点付近に太陽が来た時のみ食の季節となる。
C 朔望(さくぼう)月:地球から見て月が太陽と重なる方角に来た時が新月(朔)で、その反対側に来た時が満月(望)である。そして食の季節で新月のときに、太陽が月に隠された現象を日食と呼び、満月のときに太陽と月の間に地球が入り、月が地球の影に入る現象を月食と呼んでいる。
D 視直径:地球から見た月と太陽の大きさは共に角度で30分前後である。しかし、太陽と月までの距離は楕円軌道であるため変動があり、その視直径も時期により変化が生ずる。更には地球上の観測位置の相違により様々な複雑な再現性が生ずることになる。
 以上のように、その現象の原因に、多数の宇宙の規約が存在する時には、その再現性も複雑となり正確な予測が困難となってくる。
(4)圧力 
<実験>: 図1−1、のような簡単なシリンダーを考える。ふたAは上下運動が可能で、かつ内部の気体は一切漏れないようになっている。初期状態でふたAは、シリンダー内部からの圧力と大気圧とが釣り合った位置:L=10 の高さで静止している。ふたAの重さは0と見なし、シリンダー内部の温度Tは、ふたAが移動しても変化せず一定である。又、大気圧は1cm 当り1000g重である。




           図1−1:圧力の平衡

<再現性>
@ ふたAの上に質量=100gの錘を乗せたところ、高さL1=9.091の位置でふたAは静止した。
A 次に、質量=200gの錘を乗せたところ、高さL2=8.333の位置でふたAは静止した。
B 次に、質量=300gの錘を乗せたところ、高さL3=7.692の位置でふたAは静止した。
 以上の実験は何度行っても同じ結果を得た。
<定式化>
 以上の結果を分析した結果、次のことが分かった。
 錘をのせない時、即ち蓋の上の重量が大気1000gだけの時は、高さL0=10である。
 100gの錘を乗せた時の高さL1は、{1000/(1000+100)}x10=9.091。
 200gの錘を乗せた時の高さL2は、{1000/(1000+200)}x10=8.333。
 300gの錘を乗せた時の高さL3は、{1000/(1000+300)}x10=7.692。
このことより、次のような方程式を推察できる。
 シリンダーの蓋が静止する高さLnは、大気の重量をM0とし、錘の重量をMnとすれば、次式が成立するのではないか。
 Ln={M0/(M0+Mn)}x10  。
<予言、実証>
 定式化が完了すると、次に何gの錘を乗せたら、どの位置で静止するかを予測出来るようになる。即ち、正確な予言が可能となる。例えば1000gの錘を乗せた場合。 ・・・ L10={1000/(1000+1000)}x10=5 のように。
 そして、実際に1000gの錘を乗せた結果が、予測通りであれば、定式化された方程式の正当性が実証されたことになる。しかしこれだけでは、まだ充分とは言えない。
<論証>
 しかるに最後は、このような再現性のある自然現象が何故起こるかを、現在正しいと公認されている理論や、方程式、定数などから論理的に証明しなければならない。この際注意しなければならないことは、正しいとされている理論などが実は間違っていた時である。この時は誤った原理や定数などを基礎として次の理論が展開されるため、訳の分からない複雑な理論が展開されて行くことになる。
 ここでは、間違った理論は採用しなかったとして議論を進めていく。即ち、熱力学、ボイル・シャルルの法則が正しいと見做して証明していく。
@ 力の釣り合い 
 我々は、ある物体を左(又は上)から押す力と、右(又は下)から押す力が等しいとき、その物体が静止することをよく知っている。この理由より上記の実験で蓋が静止した位置とは、上からの圧力と下からの圧力が等しい時であることが容易に理解できる。
A シリンダー内の気体の圧力
 古くからよく知られた、ボイル・シャルルの法則 : P・V=n・R・T  を用いる。
ここで、P:圧力。 V:体積。 n:モル数。 R:気体定数。 T:絶対温度。 
 上の実験では、温度は一定でかつ nも一定でRは定数であるから、P・V=一定  なる式が成立する。
 そして体積Vは 平面S×高さLであり、Sは一定であるから、P・L=一定  となる。
 次にPに、重さの変化分:(M0+Mn)/M0 、を代入すればよい。例えば錘300gを乗せた場合、
 L=k・1000/1300。K=10とし計算すると、L=7.692  を得る。
以上で論理的にも、上記の定式化が正しいことが証明された。

<仮説の提唱>
 これまでの例では、現代科学ではすでに知られた事象や原因について論じただけで、定式化したり、論証するのは比較的容易であった。しかし、実際にはその時代において実在する未解決問題を解明するには、既存の知識だけでは解決できない場合が頻繁に存在する。そのようなとき、研究者達は「仮説」という概念を用いる。例えば、天動説ー地動説、光の粒子説ー波動説、熱の振動説ー熱素説、空間の絶対論ー相対論など。そして多くの仮説の中でも、その時代の観測事実を最もうまく説明できる仮説がその時代の主流となる。しかし新たな現象や理論が発見されると、古い仮説は葬られ、新たな仮説が浮上してくる。更に奇抜な理論が提唱され、全くうまく既存現象を証明すると、いったん葬られた理論が再度復活してくることもある。仮説は、未解決事項を解決する手段としては非常に有効であるが、歴史的には時代により、大きく変化している。そしてその仮説から多くの自然現象を論証でき、長年の歳月にも耐えたとき、その仮説は宇宙の真理と認められることもある。慣性の概念、ケプラーの法則、ボイル・シャルルの法則、重力方程式などがそれにあたる。



 宇宙の真理とは 


   本書では「宇宙の真理」という言葉を「様々な自然現象の原因となる最も根本的な宇宙の規約」という意味で用いる。



1、4 電子は何故電子なのか? 

 科学者たちは、現存する未解決問題を解決するためあらゆる角度から実験し、分析し、推論し、定式化し、予言し、検証し、解釈し、最終的に正しい結論へと導いていく。この一連の過程の中で、すべてが正常に行われるとは限らない。実際には誤解、錯覚、測定ミスなど様々な障害が生じ、時には誤った解釈が正しいとされることもある。このような試行錯誤を繰り返えし大宇宙に織りなすあらゆる現象の原因となる、宇宙の規約を模索してきたのである。
 その中でも、長年に亘り問われている素朴な疑問がある。それは「電子は何故電子なのか?陽子は何故陽子なのか?」という疑問である。幼稚な質問だと言われればその通りなのだが、よく考えてみると実に意味深いテーマであることが分かる。
 原子に多少詳しい人ならご存じだろうが、原子とは中心に複数の陽子と中性子で構成された核が存在し、その周りを陽子の数と同数の電子が回転し、一つの安定状態を形成している。そして原子核を構成する陽子の数で、水素とか酸素とかの原子の種類が決定される。また原子の種類によらずいかなる原子に対しても、陽子は陽子で電子は電子なのであり区別ができない。宇宙のいかなる時代においても、いかなる場所においても全く同一の電子は電子、陽子は陽子が創造されている。これほど広大無辺の宇宙なら、少し変わった原子や電子や陽子が創造された時代や場所があっても不思議ではないと思うが、その形跡は皆無である。更に現在でも恒星の内部では、陽子や電子が消滅し且つ創造されている。
 我々の宇宙では、何故厳格に同じ陽子、厳格に同じ電子を何百億年もの間、いかなる空間でも繰り返し創造できたのであろうか。まさに再現性のある現象の象徴である。おそらくその背後には我々には想像も出来ない、強力な宇宙のパワー、宇宙の規約が存在し機能してるに違いない。
 そして、その正体こそ、「我々宇宙の全域に亘り均等な圧力で支配している、且ついかなる微小粒子内部にも容易に浸透している得体の知れないエーテル大気である」という以外の回答は見つからない。本書では、この得体の知れないエーテル大気の秘密と特性に関する宇宙の真理を明らかにしていく。

   
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